シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

あの日

わたしは

いつものように

浄水器からお水を汲んで

 

真っ白い

きれいなお米を洗い

厚い底のお鍋で炊いて

 

お握りを作り

 

お味噌汁を作り

浅漬けや納豆

昨夜の残りの肉豆腐に

葱を足して卵でとじて

 

ゆっくり

朝ご飯食べて病院に向かった

 

 

2月11日は

最後の猫の

一匹手前な、猛烈暴れん坊の子の

生まれた日

 

おめでとう!

 

ありがとう…

 

最初はスポイト、次は哺乳瓶でミルクやり

どでかく育てて

ごめんよ…

 

 

11日は、よい日

うれしい日

わたしの

 

はずだった

 

 

 

あの日

嫌な予感して

予定変更で、病院からまっすぐ帰った

 

わたしの悪い予感は

なかなかあたる

ありがたくない

ちっとも

 

 

あと1ヵ月だけど

あの日まで

 

 

あの日から

考え続けているんだ

毎日、今日も

 

祈りは

それまでのとおりだけど

 

出来ること

受け入れること

飲み込むこと

 

変わること

変えること

変えていくこと

 

 

放射性物質がふりそそいだという

東京の水道水は

いつもと何の変わりもなく

カルキの臭いだった

 

いつもと同じように

ご飯作って

お茶を入れて

お水もたくさん飲んだ

 

普通に暮らした

 

スーパーには

物が無くなって

お水は奪い合いみたいになって

お客さんが喧嘩してた

 

老人たちも

きれいなお水を欲しいらしかった

そりゃそうだ

誰だって

でも、無い

 

 

赤ちゃんがベビーカーで

泣いてた

 

赤ちゃんにも

放射性物質の水道水飲ませたのは

誰なんだろう?

この国は

どうなって行くんだろう?

って

 

40歳以上なら大丈夫?とか

もう老人?生物としたら?

自然界にはすでに存在している

とか

報道、熱を帯びる

 

知ってるよ

 

知りたいことは

そんなことじゃないよ

って

 

これから

どうする?

これから

って

 

あれから

 

毎日考えてる

 

自分の

出来るだけを

精一杯

つなげてる

 

 

ここにいて

ママの看取りしてる

いまも

あの日から

壊れ続けてしまったものと

つながっている

 

 

普通だったはずの毎日のなかで

普通じゃないことが

あまりにも突然に

普通をぶっ壊して

 

考えるしか

生きる方法がなくなった

 

心の弱いママは

じわじわと壊れていくように見えた

 

この国の人たち

みんな

じわじわと…

 

考えて考え抜いて

生きてきたけど

生きているけど

 

なかなか

うまくいかない…

 

また

電子レンジ使い始めてしまったり

たくさん光熱費をかけて

ママを守っているんだけど

 

ママが

ゆっくりと眠って

 

無事に

天国へ旅立ったなら

 

わたし

また小さくささやかに

生きようって

決めている

 

今度こそ

 

本当の

ひとりぽっち

 

だから

本当に

つよくなるんだ

わたし

 

今日

ふかふかの

真っ白い雪が

 

ものすごいきれいで

 

まだ

真っ暗な5時前

雪片付けした

 

お隣さんとこ

お向かいさんとこも

昨年のように

 

そしたら

熱っぽいよ…

昨日の今日で

 

でも、いい気分

 

やりたいこと

いっぱいあるけど

 

うなされ激しいママと

今日は、また

ちょっとずつ眠ったり

ちょっとずつ食べたり

 

喉の調子見て

お歌も歌おうね

 

 

いつか

また新しい気持ちで

一歩

踏み出せるように

 

そのために

小さくささやかに

つなげていくよ

 

今日を

努力を

 

勇気をもって

力をつけて

何しろわたしは

男らしい!

ようだし…

 

 

にしても…

 

きれいな雪だった!

寝っころがってみたかった~!

 

いつか

こっそり

決行する!

 

には

大雪じゃないと…

 

雪片付け…

 

 

 

寒いよー!

 

風邪っ引き

注意

 

もう、ぐずぐずだけど…

眠りたい

シーちゃんと

 

あなたは

 

お元気で!

 

にゃんこ

ありがとう…