なる時は一日で…
という
看護師さんの言葉
褥瘡のこと
朝の清拭の後
いつものケア
たてがみの下のところから取ったという馬油で
オイルマッサージ
その時は足の膝の内側に少しの赤みがあり
入浴の翌日なので
少々こすり過ぎかな?と
押して、白くなって、また血流が戻るか、確認
右足には引っ掻き傷もあったし
白くなり血流は戻ったし、と
安心して
訪問看護の終わりには、少しぐったりして
熱がまた38度になり
終わって、看護師さんが帰ってからクーリング
一旦下がったものの
夕方近くには38度6分に
足のポジショニングをしようとして
麻痺側の左のふくらはぎ外側の下が、出血しているように赤く
その周辺は、擦り傷が治りかけた時のように
薄茶色に変化していた…
一日どころか
3時間ほどの間に、赤みから褥瘡へ…?
浮腫みの引いた皮膚の皺の、よじれに
気づいてやれなかったんだ
本当に
一日で褥瘡になるんだ
昨日までは大丈夫でも
一日で…?
このところの、高熱ではないものの、繰り返した発熱
痰や呼吸の変調、夜間も日中も続いたうなされから
睡眠が悪くなり、下痢をして
たくさんのサインと要因が
立て続けに、示されていたのに…
気づいてあげられなかった
ということは
赤みの上からも馬油マッサージも?
ごめんね…ママ
鼻の粘膜も、浮腫みがあって弱く脆くなっていたから
栄養のチューブが入らなかったのだろう…
吸引も、鼻を守るため
口からやっていこう、と今日の訪問看護で
相談していたところだったのに
訪問看護ステーションに連絡したら
すぐに来てくれた
とりあえずフィルムで処置してもらい
患部を浮かせ、除圧をし
明日の往診を待つことになった
足は、余分な水分摂取の量を控えたおかげで
浮腫みも取れ
体位変換の時の角度を大きくしたら
痰や呼吸も落ちついて来たことを報告して
看護師さんとも、入浴の方たちとも、喜んでいたところだったのに
それなのに
褥瘡を作ってしまっていたのだ
紅くなるまで
気づいてやれず…
とにかく今夜は
除圧をして…
明日を待とう
それしかない
幸い
熱はいま、下がっている
ここからだ
と、思った
看取りは
ここから…
栄養状態も、おそらくまた悪くなっているんだろうな…
考えても仕方ないことは
もう、考えない
わたしは
最期を看取るんだ
もう、どこに出来てもおかしくない褥瘡
そういうところに来ているんだ
もう、何が起きてもおかしくないんだな
うなされながらでも、一時間でも一分でも
眠って欲しい…
眠ってね
ママ…
ママいつも、わたしのこと、あなたは大丈夫って言っていた
パパも、お前は大丈夫、と言っていた
二人とも、思う存分わたしに
あれこれ愚痴を言ってたね…
とにかく聞いていた、わたし
で、最後は笑って
考えても仕方ない、頑張るしかない!って
そうだ
そうだよ
頑張るしかないよ
ママ、いっしょに
わたしは
頑張るから
わたしは大丈夫な人
お墨付きなんだから…
ねえ?ママ
たったひとつの命をいただき
たったひとつの
生きる道をいただき
病を与えられる
ということは
神さまに
よく見ていただいている
ということ
天国に
近づけていただいた
ということ…
病の時は
人生の苦しみの時
自分を大切に
と
教えていただいている…
ママは
パパみたいに、きっと
姉上様や弟家族を心配して
祈っているんだろう
眠りながら
わたしは
ママのために
祈ろう
ママの祈りが
届くように
ママの大切な
愛する家族が、みんな
笑っていますように…
ママの
一番の願いだから
何もかもが
祈りになって
ひとつの願いとなって
かなえられますように
ママが
祈っていたように、わたしも
たったひとつの
命を
祈ろう
魂を
天国へと
送り届けられますように
わたしは大丈夫
だいじょぶだよ
ママ
信じる
たったひとつの道
ここからだから
だいじょぶ
ごめんね
ママ
一生懸命に眠ろう
シーちゃんと
ほら…
パパ
パパ…って
うなされてる
パパ
しっかり守ってよ
ママを
わたし
頑張るから
洗濯して
わたしも眠ろう
シーちゃんと
明日ね
また
明日
ありがとう…