シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

音もない夜

人間の世界って

むづかしいな

 

呼吸が

どんどん浅く

早くなって

 

 

追い込まれた

無言の圧力

とりつくろうような

困ったような笑顔

 

厳しい…

 

 

涙ばっかりが

わいてくるように流れる

 

馬鹿だから

本当に

馬鹿みたいに泣いた

何がどう、つらく

何がどう、かなしいのか

 

いまここに

誰かママ以外

意思の疎通の取れる人間がいたなら

 

きっと泣かない

そのかわり、この説明つかない感情のまま

もっと、かなしいまま

 

もっともっと

ひとりを

噛みしめるんだろう、孤独を

 

やっぱり

かなしい

どうしようもなく

 

かなしいから

 

祈った

長く長く

 

祈っている…

ママの褥瘡ができてしまった原因

長時間の無理な圧迫が考えられるとしたら

歯科にかかっていた時間だから

 

まだ歯科治療は残っているから

 

祈って

 

万全にして

 

今度こそ

ママを

守れるように

 

 

かなしい

かなしい

かなしい

 

でも

ここから

この駄目な自分から

また頑張っている

 

泣いたけど

 

頑張っている

今日も

 

あれから

 

音楽もない

 

ママに歌うお歌だけ

坂本九

 

それから

いつものカチューシャの唄

 

 

わたし人間じゃなく

猫に生まれたかった

 

『人生の艱難辛苦から逃れる道は二つある。

 音楽と猫だ』

アルベルト・シュバイツァーの言葉

愛するフジ子・へミングが引用してた

 

人間関係や不運などを

乗り越えてこられたのは

猫と音楽があったから、って

 

「人間とかかわると、わざとではなくても、誤解を招いたり

 傷つけ合ったりした。

 そんな時に犬や猫たちから、生きる力と幸せをもらい、

 音楽によって沈んでいた気持ちがどれだけ癒され、

 励まされたか。」

 

まだ

音に浸るところまでも

いってない

 

猫たちも

もういない

 

フジ子・へミングの言葉に

救われる…

 

ピアニストなのに

耳が聴こえなくなる不運から

奇蹟のように復活

と言われ賞されたかげで

 

どれほどの努力を積み重ねていたんだろう…

 

 

自分を励ます力と

信じて祈りつづける強さがある

 

「もう、私の出番があるのは天国でだろう、

 と長いこと思っていた」

 

天国を

信じて

わたしも

一生懸命生きよう…

 

泣く人、フジ子・へミングも…

わたしは何の才能もなくて

そんなくらいしか似ていないけど

 

「魂のことば」

で支えられて

 

また

生きようと

頑張ろうと

 

泣きながら考えてた

今夜

 

「人生が予定通り順調にうまくいくことなんて絶対ないの。

 ありえないことよ。

 そうならないように頑張るでしょ。

 だから人生がおもしろくなるんじゃない。」

 

 

音もない

ママのベッドのマットが作動する音だけが

静かに響く夜

 

フジ子・へミングと

 

シーちゃんと…

 

 

ママ

ありがとう

明日も

二人で

頑張ろう

 

今夜は

眠れますように…

 

生きるよ

頑張って

一生懸命

 

 

ありがとう…

 

 

 

 

おやすみなさい