シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

祈る

予感

 

やっぱり…

 

と、思った途端に

いつも

かたまってしまう

 

往診の先生、前回咳をしていて

風邪を引いていた

 

「先生、大丈夫ですか?☺️」と聞くと

すかさず、看護師さんが

「先生アレルギー!」って

間髪入れず

「普通の風邪!!」と、先生

 

きっと

わたしがコロナウイルスの心配してると…

先生も

看護師さんも気遣い

 

先生の、心配…

 

前回の

 

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の

ながながし夜を ひとりかも寝ん

 

「あしびきの、が枕詞で…」また百人一首の講義

先生は百人一首得意!生き生きと教えてくれる!

 

思い出す…

 

まさか?

ご家族と離れて

入院とかしてないよね…?☺️

 

予感は、どんどん

わるい想像に…

 

 

今日の往診には

初めての、女性の先生がいらしたが

厳しい表情ですぐに

診察と処置に取りかかる

 

ママの今の状態を聞いてくださって

対処、処置をご指示いただき

 

こういう時にも

 

かたまってしまうわたしは

往診の先生が、ご無事かどうか

どういういきさつで、今日いらっしゃらないのかを

 

聞くことができない…

 

女性の先生が、何か切り出してくれるのを

じっと待つ…

 

「わたしは、代わりだから」

女性の先生が、ママに説明している…

 

やっぱり、聞けない

 

怖いんだ…

 

 

先生

お元気でいますように

とにかく

無事に

お元気にいますように…!☺️

 

 

世の中が

コロナウイルスの影響を受けて

混乱していて

 

生命も健康も、経済も

大きく揺らいでいる

 

新聞を読むだけの情報

小さな世界のわたし

 

この小さな世界にママと二人

ママは

緩やかに

衰えて行ってるんだろう…

わたしには、次から次への多彩な症状でも

 

これは、これでも十分に、緩やかに

穏やかに

ママの命が、途切れず

つながれて行ってるんだろう

 

相変わらずの痰や、苦しい呼吸や

循環が悪くなり、皮膚がすぐに紅く熱を帯びる

また新たな軽い感染と思われる症状も起き

 

セファレキシンは今日でおしまい

 

わたしが至らないばっかりに 

褥瘡を作ってしまい…

 

ごめんね

ごめんね

ママ

 

 

泣き出したいような

頼りない自分が

夜には顔を出そうとして

 

今夜は雨

しめやかな

雨の夜

 

祈る

 

祈るしかない

祈るんだ

 

ママの

脳出血後の

半分の世界は

視界が半分なせいで、首を左側に固定して

左耳は、ひしゃげてしまった

 

いつも枕に押しつけてしまうので

真っ赤になり

ここも褥瘡から守らなくてはいけないのに

 

ママ

左耳を押しつけて

左肩に顔埋めて眠ろうとする…

 

どんなに頑張って離そうとしても

 

これは、昔からの癖だった

 

あの

渡り鳥の

危険を冒してまで

頭を、羽毛に埋めて眠る

あの方法だ…

 

餌の捕れない

栄養の足りない渡り鳥が

短時間に熟睡するための…

 

ママ…

 

いいよ

眠って

眠ろうね

 

好きな

いちばん安心するかたちになって

 

いいよ…

眠ろう

 

 

祈ろう、わたし

わたしは何にも出来ないんだから

わたしには

何にもないんだから

祈って

 

 

みなさんが

病を与えられることがなく

 

お元気にいますように

 

 

衆生無辺誓願

煩悩無尽誓願

法門無量誓願

仏道無上誓願

 

 

みんな

救われますように…

 

みんな

穏やかでありますように…

 

みんな

豊かにありますように…

 

みんな

平和でありますように…

 

ありがとう

 

あなたの夜が

平和でありますように…

 

明日

また…

 

ありがとう

 

お元気にいてください

 

 

シーちゃんと眠ろう…

とにかく

ちょっと眠ろう…

 

 

おやすみなさい