ママがお家で眠っています
慟哭して
落ちつき
また慟哭
お線香あげ
慟哭…
お部屋を片付けなくてはなりません
ママの眠る枕元に正座して
お顔を見ながら書いている
もっと
もっと
いっしょにいたかった
いつもの二人ぽっち
ママは
もうどこも痛くない
どこも苦しくない
きれいなお顔…
苦しくないこと願って
天国へゆけるようにと
願って
ママと二人
一生懸命暮らして
でも
本当は
ただ
いっしょにいたかった
生きててほしかった
いつもの桜のお線香
いつもの香り
ママー
と
呼んだら
はーい
と
起きそうな
よいお顔
やらなくてはいけないこと
たくさんあります
でも
今夜はずっと
ママといよう
待っていてくれたママに
ごめんねしか言えなくて
ごめんねごめんねしか言えなくて
号泣して
ありがとう
は…
ごめんね
ごめんね
ママごめん…
ありがとう
ありがとう
頑張ってくれて
わたしを助けてくれて
わたしを支えてくれて
ありがとう
待っていてくれて
ありがとう
後悔はしないこと
と
先生にも
姉上様にも言われた
後悔しない人生を送ってきたけれど
どうして
こんなに胸が苦しいんだろう
きっと
ママと一日中いっしょに生きてた時間が
楽しかったんだ…
離れたくないんだ…
今夜だけ
ずっと…
いっしょにいるよ
いつもとおんなじ
二人ぽっちの夜
泣きすぎて
ヘリオトロープ疹みたいな…
目があかない
死は
曖昧な線引きで
死後しばらくは
耳が聴こえているという
もう
聴こえないかもしれないけど
カチューシャの唄を歌って…
ありがとう
ママが
ゆっくり
眠っています