シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

奪われるもの与えられるもの

物には

それぞれの記憶や

背景があって

 

ひとつひとつにまつわる

ストーリーがついてくる

 

それだから

 

物の始末

処分は

 

時に楽しく

ほとんどは切なくて

 

突然

 

つらくなる

 

 

心ない人の

心ない言葉が

息をふきかえすと

途端に

手は止まってしまう…

 

自分のことならば

こんなにもつらくはない

ママが

母親が

 

もう傷つくことすら

奪われつつあり

例えわかって理解できたとして

 

傷つけられたことを

そう言葉に

態度に

表せなくなってから

 

ママに対して

繰り返し発せられた

侮蔑の言葉

それらをわたしに

 

繰り返し繰り返し

何度も吐き出した人間の

歪んだ顔

不自然に太った体

その記憶が

 

 

ぶり返してしまった

 

 

夜になり…

 

 

とても眠いのに

眠れない…

 

 

ママが病を得てから

こんな夜を

 

どれだけ

過ごしてきたかなあ…

 

 

思いやりって

ひとことに言うけれど

それ以前に

 

言ってはならないこと

何度となく繰り返す人

いた…

 

介護の仕事は

本当に大変ってわかるんだけれど

 

仕事とはいえ

犠牲を払い危険や緊張のなか

頑張ってもらっているってわかる

けれど

 

ただひとりの人の

一言が

 

突き刺さり

 

反論することも

できず…

立ちすくみ

 

じっと耐えて

 

聞いてしまった

 

それから

何度も

 

何度も…

繰り返された

 

 

あれから

ママが施設にいる姿が

あまりにあわれになって

 

かなしくなって

 

生きること

年を重ねて

生きて

 

病を与えられても

一生懸命生きてゆく

 

そんな

当たり前の

通り道が

 

どうして

こんなにもあわれなものに

ならなくちゃいけないんだろう…

って

 

ママのいた施設から

何度となく

 

泣きながら歩いて

帰ってきた記憶

 

ぶり返した…

 

 

自分のことなら

自分のことなら…と

悔しくて

まるで

ママが人質みたいで

 

我慢したのは

間違いだった

 

今さら

遅い

 

けれど

間違いに気づいた

 

施設からの荷物を整理して

捨てるために

ひらいて

 

埃まみれで

 

洗われもしないで

詰め込まれた

 

物…物

 

もう

いらない物たち

 

ごめんね

ママ

 

 

頑張ってくれたんだよね

ママ

 

ありがとう

 

 

 

 

人は

信じた道を

自分の生き方で

行かなくてはいけない

 

人を

傷つけないように

 

自分を

むなしく

卑しくしないために

 

 

わたしは

わたしの道をつくり

 

信じて進んでゆけるように

 

いつか

これでよかった

思えるように

 

 

ママが

天国で安心していられるように

 

しっかり

生きていかなくちゃ…

 

 

つらくなるもの

捨てるよ

シーちゃん😼

 

 

眠れない夜です

頑張って

 

眠ろう

 

今日のために

 

 

 

 

救急車の音だ…

 

ママから

与えられたもの

いつか

 

わたしという人間を

つよくしてくれること

信じる

 

 

今日は

今日のできるだけをしよう!

 

ありがとう

 

しっかり!

 

 

おやすみなさい