シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

手負い

もうすぐ

使えなくなるガラケー

姉上さまが持たせてくれたもの

 

持たせてくれた理由

 

パパの介護

 

パパは末期の胃がんだった

 

見つかってから

しばらく

お家にいて

 

それから

入院して

 

大きな病院から個人病院にうつり

そこで亡くなった

 

 

そのあたりは…

 

この季節から

終わりへと

向かっていったので

 

もうすぐ

七回忌法要が控えているというのに

 

いまだに

あの緊張がぶり返してくる

胸苦しい

 

そうだ…

パパは

経験してもいない

戦時中の

 

あの『夜と霧』フランクル

さながらの

 

陰惨な歴史

事件

などを

流暢に

たいへんな臨場感で

 

わたしに語っていたんだっけ…

 

どんな心理からか…

 

どういう気持ちで語ったかは

わかるようで

 

わかってあげられなかった…

だから

 

心残りとなって

 

あの

遮光カーテンを閉めきった

真っ暗な病室での

パパとわたしとは

 

異次元?

どっかには

まだいて…

 

消えないんだろう

 

気持ち

沈むと

暗いところ

安心するのは…

どうして?

 

お母さんの

お腹のなかは

暗いのかなあ?

シーちゃん

 

 

 

何故か

国会中継聞いた

ラジオ

 

暗いし…

 

伝わらない

なにやら

 

しどろもどろ

 

聴き上手なんだって…

 

 

傾聴

とか

介入

っていう

医療用語が

 

すごく

かなしかったなあ

 

もうすぐオシャカのガラケー

画像

残ってるのは

 

退院して

お家にもどってすぐのママの写真と

 

ママの

足の傷の写真

だけ…

 

褥瘡という

おそれてたもの

とうとう来たのか?

見つけた時

訪問看護の看護師さんに

急いで連絡して来てもらった

写真も撮った

 

わたしには

引っ掻き傷のように見えた

何度か

繰り返し

擦った傷みたい…

 

気づいてあげられなかったこと

悔いた

 

虐待の疑惑?

訪看さんの態度

変わった

 

こわかった…

 

そこから

傾聴とか

 

介入とか…

 

報告書みたい紙に

言葉が

増えた

 

なんにも

変わってないのに??

 

 

不穏な空気のなか

わたしは

 

いつものように

笑っていた

 

ママに

笑って

でも

 

ごめん

って

気づいてあげられなくて

ごめんね

って

 

 

どれほど

泣いたろう

 

隠れて

 

ママには

見えないところで…

寒い廊下で

 

お風呂で…

 

 

その後

ママの入浴の時

洗ってもらう時は

わたしも

いっしょに洗った

わたしは

 

片時も

目を離さなかった

 

ケアも着替えも

看護も

ぜんぶ

自分ひとりでやった

 

それからは

 

亡くなるまで

ママの

足にも

体にも

どこにも

 

褥瘡なんてものも

あんな傷も

ひとつも

できなかった

 

ママを

守ってあげられた

 

 

孤独の介護

 

ママと

ふたりぽっち

 

笑って

歌った

 

 

手負い

わたしも

だったけれど

 

わたしの傷は

ママに

癒されていった

 

守ってもらった…

 

しあわせだった

 

 

 

わたしがわるいのか?

誰がわるいのか?

 

どうして

そんなことになるのだろう…

 

 

介護をする

という希望のもと

病院で研修みたいに

指導してもらってた時に

専門看護師という看護師さんに

 

あなたは虐待するよ!

 

初対面で!!

キレられたっけなあ…

 

暴言

いわれのない

こころのない

 

驚いた

泣いてしまったけど…

 

こらえた

わたし

 

こらえて

 

飲み込んだんだ

 

ママを

お家に帰すためだ…

 

 

ママの足の傷は

ケアして

必死に見張って!

 

ママは

きれいな

 

まっしろな

うつくしい

雪のような体で

 

天国へと旅立った

 

ママ

ありがとう…

 

 

信じるもの

なかったら

 

いっしょに

死にたくなるよ…

 

 

もはや

日本は先進国じゃない

って

誰かの言葉

聞いてた…ラジオで

 

 

孤独

孤立

悪の

すべての根のように

繰り返し報道してるの

聞いていた

 

震災や

災害には

人と人との

つながりがなくては

命は守られないという

 

この時期に

繰り返される言葉

遠く

聞いて

 

安らかに

生きのびてくれた

すべての人のしあわせ

祈る

 

久しぶりの

大相撲…も

聞いた

 

たったひとり

大好きな稀勢の里☺️

今は引退して二所ノ関親方

 

もしも過去にもどれるなら?

という問いに

 

あの

大怪我の直後!!

って答えてた

 

やっぱり

わたし

この人が好きだなあ

好きでよかったなあ…

おもった

大きな人はこわいんだけどね…

 

 

少年のまんまの

素直なこころ

いいなあ

くじけない

こころ

 

 

信じる道をゆくんだ

わたしも

って

おもった…

 

 

迷子…

なんだけどね

いまは

まだ

 

楽しいことは?

 

 

生きてること☺️

今日

 

ちょっぴりでも

今日できた

すべてが

楽しいこと

 

なんにもなくて

 

みんなおんぼろで

もうすぐ

オシャカに近づいてて

 

ものは

壊れる

けれど

 

人間は

壊れない☺️

 

わたしも

もどれるなら

傷ついたあの直後がいい

 

けどね…

 

二度はないから

 

だから

人生は

きびしくて

 

楽しいんだろうなあ

今日が

 

生きてることが…

 

 

まだ

真っ暗の朝に

雪片付けできる

しあわせ

お祈りできるしあわせ

 

ご飯

みんな

自分でつくれるしあわせ

 

お腹空く

しあわせ…

食べ過ぎるしあわせ

だってある

 

ありがとう

 

 

  もどるなら手負いの時だ

  この傷と

  からがら生きる

  今日を自分を

 

 

今日の短歌です…☺️

ありがとう

 

 

迷子

のくせに…

 

だからこそ

だいじょうぶ!って言うよ

こんな

 

わたしも

生きてるよ

って

 

ありがとう

 

 

いろいろ

溶ける

いまに

 

雪が

やがて

かならず

溶けるみたいに

 

 

平和な夜を

祈ります

今夜も

 

無事に

 

生きていて☺️

 

かならず…

かならず

無事に!

 

 

ありがとう

 

また

明日

 

おやすみなさい