シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

冷えてはいるものの

やはり

季節は移る

 

冬から

春へと

一日

 

一日ごと

向かっている

 

ママのために

桜泥棒になって

 

しだれた枝先から

ほんの

いくつかの

 

子猫の頭ほどの

桜の花

 

小さな手鞠に見える

ひとかたまりを

いただいて…

 

ママと

いっしょに眺めた

 

 わー…

 

目を

くるくるさせていたママ

 

 きれいだねーー

 

と言うと

 

 うん…うん…

 

うなずいてくれた

 

あの桜は

その後も

病気にもなっていない様子

もう

 

かたく

ちいさく

つぼんでいる

 

 

ありがとう

ごめんね…

 

 

今夜は

満天の星

 

月を真ん中に

星ぼしは瞬いて

空は

深い群青

 

あ…!

ママの棺に納めた

ママのお着物の色だねえ…☺️

 

何度も

 

何度も

見上げていた

 

女子学生が

すれ違いざま

なに?

というようにして

 

急いで

歩き去った

 

 

いつも

わたしは

のんびりしてるんだよね…

シーちゃん

 

 

みんな

みんな

急いでいる

みんな

 

忙しい

 

おもえば…

 

 

同居のときも

姉上さまとは

まともに

会話らしい会話

一度も

していなかったなあ…

 

しみじみと

おもいかえした

 

いつも

 

 忙しい!!

 

と言われてたなあ…

 

 

性格って

変わらないなあ

いつまでたっても

 

もしも

わたしが男で

 

仏道をめざしたなら

 

漂泊の旅へと

師を求めて

 

あてもなく

歩きつづけていたかも…

星を見上げながらおもう

 

ここで

こうしているだけで

そんな

あてどない旅の気持ちになって

 

星を見上げていた

 

月と

 

誰にも

等しく

その輝きは

ふりそそぐ

 

 

そうか…

ここにいて

やるべきこと

やり遂げたら

 

ひとつ

道をすすむことになるんだ

 

ざらめ雪を

踏みしめて

お家に帰ってきた

 

 

片付けは

やり遂げよう

 

 

古いお家の

昭和のアンテナ

グロテスクにも見える

太い黒いコードを引っ張って

 

つないであったテレビ

コードを外し

 

物置部屋になっている

パパの部屋へと

テレビを運び

 

すでに列を成している

もう使わないテレビの

 

最前列に

並べた

 

お疲れさま

ありがとう…

 

家電リサイクルしたら?

数万円の費用がかかる

 

姉上さま

 

 わたしが買ったものは

 捨てないで!

 

って言ってたし…

 

このまま保管しよう

 

ごめんよ

パパ

 

物置部屋は

永遠だ…

 

 

こころは

わたしのこころで

 

かなしみに

傷つきに

 

右往左往する夜も

あるのだけれど

やっぱり

 

主のところ

わたしのところへと

もどってきてくれる

 

 

ありがとう…☺️

 

泣かないで

歩いて

 

満天の星に出会えて

 

月に見守られて

 

桜の

無事も見届けた

 

 

明日は

コードを丸めて縛ったのを

 

邪魔にならないよう

天井の近くに?

何とかして

始末しよう

 

できるかな??

足場

ないから

 

無理かも…

 

 

群青の空は

鏡のようで…

 

 

かがみ

わたしの

 

鑑は…?

 

信じたこと

つなげてゆくことしか

できなかった

できない

不器用…

 

お花を買った

ビーズ細工みたいな

丸い小菊

今日は

 

少し…

 

ほかの子たちは

しおれていたの…😿

 

 

白い

というだけで

なぜだか

可愛らしく

けなげな様子の

白いスターチスも足した

 

ありがとう…☺️

お花は

いつも

いつでも

 

ときめく…

 

 

月も

星も

雲に隠れて

 

今夜も

無事に終わってくれること

祈ります

 

一日

一日

春に近づき

 

一日

一日

平和に向かっていること

信じて

 

祈っています

 

かならず

 

かならず

無事に!☺️

 

 

ありがとう

 

また

明日

 

おやすみなさい