こころ
死んだ
壊れたなあ…
って
絶望してから
十日が過ぎた
いや…
壊れながら
まるで
死んだようになっても
十日
生き延びた
息をつないだ
食事をつくり
食べて
祈り
カビ臭いものの始末して
いつものようにして
朝は
ありがとう
と
起きては
祈って…
見えないところでは
細胞が
着々と
破壊されたようだ
婦人科か消化器か
の
あの腹部の痛み
だけでなく
足は
右親指を除き
残りの9指は
赤く腫れて
手の指も
関節の間が
急に
肉付きよくなったかのように
腫れ上がってしまった
アレルギーかなあ
免疫
暴走してるな
こんなこと
どれほど
くりかえしたろう
放置されたものの
片付けは
アレルギー体質
自己免疫暴走体質にとっては
少しずつ
健康を損ないながらの
挑戦や
冒険みたいなもの
そして
片付けは
終わってしまえば
みんな
忘れられてしまうんだ…
弟が
ママを
壊れた
壊れた
と
何度となく言った
脳の働きを
コンピューターに
なぞらえたりしながら
さかんに
壊れたものなら
なおせるよなあ…
人は
餓鬼
に
なるのかなあ
生きながら
まるで
死んだもののように
死者のいるところ
へと
じわりじわりと
追いやられてゆくのかなあ…
線引きできる
つよい人間の側には
いないわたしは
そうおもう
わたしも
おんなじように
いらないものになって
面倒をかけるだけの
厄介なものになって
この存在
そのものが
見たくない
考えたくないもの
遠ざけたいもの
となっただけ
そんな世界
すでに
あったことだった
たまたま
わたしが
覗いただけだった
わたしのほかには
誰も
なにも
変わってはいないんだろう…
音楽も
ラジオも
聴けなくなった
だけど…
今日は
泣いていないよ
シーちゃん
節分という
季節の
節目
ママの生まれ日の
3日という
誕生日の
3日に
起きたこと
わたしは
餓鬼になった
泣きながら
ひたすら
食べて
泣きながら
ひたすら
祈り
泣きながら
カビや埃にまみれて
そのまま
疲れて
眠った
救急車がゆく
この季節の変化は
人間に
厳しい
なにも伝わらなかった
迷惑かけてただけの
メールも
ケータイも
おしまい…
わたしは
いらない
っていう
法要は
これかららしい
もう
法要へは
行かないことを
パパママに伝えて
ゆるしてもらうよ
ゆるしてね…
それでも
姉上さまのために
片付けをしよう
節約をしよう
いままでどおり
姉上さま家族
弟家族
なにも
知らせてはもらえぬ
大変なこと
という
そのことを
祈った
いまを
祈ろう
いま
生きていること
これが
しあわせでなくて
なにを
しあわせというの?
徒食は
つらい
かなしい
行き場を
得ることが
かなわぬらしい
コロナの時代に
ただ
生きて
あることを
ありがたいこととおもう
ひたすら
祈る
食うだけの
逆境
わたしは
餓鬼となったけれど…
生きているんだ
ありがとう
バレンタインデーなんだって…
TIFFANYのお皿を
浅漬けの重しにして
この
お皿を
姉上さまにくれた人を
祈る
こころが
ついていかない
って
言葉
きっと
話し合いたかったんだろう…
やっと
その
一言を
吐き出したんだろう
その
よわいけれど
やさしい人が
しあわせでいてくれるように
姉上さまたちが
しあわせでいてくれるように
生きている
すべての人に
等しく
照らされる
光が
絶えぬように
今日が
かならず
無事に終わって
食べられているように…
今夜
ゆっくり
眠れるように
祈ります
平和を
祈っています
ありがとう
また
明日
おやすみなさい