シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

洗う

朝は

 

目覚めたら

 

パパ

ママ

ありがとう

おじいちゃん

おばあちゃん…おばあちゃん

ありがとう

起きてる

 

仏間に

まずは

ご挨拶して

 

神さま

仏さまへ

 

お水

お茶

お供えして

 

お花の水かえをして

 

 

神さま

仏さま

おまいりし

 

それから

いっしょに淹れたお茶や

パパのためのコーヒーなどを

 

お茶をいただきます

いっしょに飲んでね

言って

 

遺影の

パパママの

笑顔

眺め

 

わたしも

笑顔になって

 

ゆっくり

お茶をいただいて

 

そうして

お祈り

 

お経を唱える

 

毎日

ずっと

そうしている

 

大雪の早朝には

白湯だけ飲んで

 

雪片付け終わったらね…

ごめんね…

ことわりをして

 

終わったら

着替えて

お祈りして

 

 

毎日は

祈りとあって

 

生活は

そのまま

祈りとなったなあ…

 

すべてに

 

ありがとう

 

ありがとう

 

言っている

 

 

お彼岸

 

 

ママの

納骨は

 

逃げ帰った…

 

コロナで

お葬式のあと

すぐに

納骨という

 

まもなく

お墓が

雪に閉ざされるので…

という

 

 

あの日…

 

あの日から

すでに

お寺

お墓

なにやら

 

かなしくなってしまったかなあ…

 

 

いつからか…

なんて

 

もう

過ぎたこと

 

仕方ないなあ

シーちゃん

 

 

お骨

あんなにも

きれいな

白くて

 

まっしろな

 

心臓あたりには

さくらいろの

貝殻のような…

 

 

お墓の

下に…

おもうと

 

あわれに

おもえるけれど

 

みんな

いっしょに

納めてもらったんだな

 

 

お彼岸の

まえの日の

今日

そう

おもった…

 

 

こころない住職で…

 

どっかのお家の御遺骨を

まちがえて

 

うちのお墓に

納めたりしてて…

 

 

なんか

 

空々しく…

 

どんどん

むなしくなっていた

 

 

洗おう…

って

おもった

 

ママのお部屋の整理して

古着物を

一枚

一枚

洗ってる

 

ママを

おもって

おもって…

洗ってる

 

こころ

洗って

 

 

洗って

ゆこう

 

洗ってあげよう…

って

おもった

 

 

人は

おんなじ

人間

おんなじ

いのち

 

すべての人は

平等

だけど…

 

みんな

みんな

ちがう…

 

おんなじ

無い…

 

そうして

こころも

見えない

 

わからない

 

くるしみも

かなしみも…

 

 

だから

お互いに

おもいやらなくては

生きてゆけないんだなあ…

 

 

こころ

洗おう

洗って…

 

 

洗って

ゆこう

 

祈りと…

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

お花を

かえて…

 

祈った

 

ありがとう…

 

 

星が

瞬いて

 

やさしく

合図するみたいな

夜だ

 

おだやかに

終わり…

 

かならず

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい