シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

みんなみんな

こころ

おだやかならざる

くもる

かきみだされそうになるもの

 

見ずに

 

しばらく経った

 

見ないことにした

 

 

これからも

見ることないだろう…

 

 

誰かの

誰かへの

執着

にすら

 

翻弄されるのは?

 

わたしが

よわいから…

そして

 

その

執着の

矛先が

 

現実に

生きてる

人間で…

 

その人の

胸の内を

おもうから…

 

勝手に

はらはら…

どきどき…

してしまうから

 

けれども

 

それすら

執着の

ひとつ

知る…

 

手放そう

 

かるくなろう

祈ろう

 

 

みんな

みんな

ひとり残らず

 

無事に…

 

自ら

自らの道

ゆけるように…

 

 

みんな

わたしには

無い

 

あったことない…

 

ひとり

ひとりぽっち…

 

なのに

 

 

みんな

みんな

無事に

 

祈る

 

みんな

ちがうのに

 

人は

みんな

たったひとりの人なのに

 

みんな

と祈っては

いけないのかなあ…

 

 

仏さまに

きいてた

 

 

 

春の

きざしさえ

お家のなかに射し込む

わずかな光で

感じとるだけで

 

どこへも

どこへも

ゆけない…

 

薄暗い仏間に

ちいさな灯り

ひとつ点けて

 

繕い物をしてたら

 

手もと

にじむ…

 

にじんで

 

針目

みえなくなった

 

かなしいんじゃないのに

シーちゃん

 

 

世の中の人びとは

コロナを越えてくれたのだろう…

 

コロナ禍

言われていた頃

どこかで言われた

非国民

という

言葉…

 

ワクチン未接種のこと

らしかったけれど

その言葉で

 

世の中の人びとは

たたかっているんだ…

おもった

 

 

人類が越えねばならない試練だ

という言葉は

 

ワクチン未接種のわたしへ

接種の勇気を与えるための

おじさんからの

精一杯の

エール

 

応えられなくて…

 

断絶してしまって…

 

ごめんなさい…

 

 

社会に対応できない

姉上さま弟からの

評価…

 

みんな

ごめん

生きていて

ごめん

って

 

一年

生き延びた…

 

毎日

毎日

誰かに

感染させたら

生きてけないなあ…

そもそも

生きていてよいのかなあ?

おもった

 

 

 

息を殺して…

 

落ちてった

 

だけど

 

 

パパママに

介護が必要になる以前に

コロナ禍の

以前に

 

わたしは

すでに

 

みんな

という集団

 

なかったから

 

とっくに

非国民?で

 

非人間?で

 

社会不適合者は

まちがいなくて

 

それでも

なんとか

どうにか

生きていて…

 

姉上さまに

迷惑かけて

生きていて

 

 

一度も

この世の中に

対応できてたためしは

なかったんだろうなあ

いまさらのように

おもった

 

もう

ずっと

以前から

祈って生きるしかない

そういうわたしになってたな…

って

 

 

そうして

一日

一日

息を

つなぐしかない

そういうわたしになってたな…

 

すでに

十年ちかいのか…

 

 

祈って

祈って…

 

そして

いまも

 

ただ

平和

祈る

 

みんな

みんな

無事に

祈る

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

信心

足らず

 

仏教徒

とも

いわれぬ

無用の

 

無能なわたしの

祈り

 

届かぬ

祈り

 

恥じるけれども…

 

祈る

 

 

与えられていた祈りだから…

 

いつのまにか

 

気がつけば

祈りとあったのだから…

 

 

あの

泣いていた

幼いわたしは

まだ

ここにいるなあ

 

進歩ないなあ

 

愚か…

 

ただ

泣いて

 

祈ってる…

 

 

ありがとう

 

 

ごめんなさい…

 

 

 

修証義は

よいお経

しみじみとおもう

 

パパに

讃美歌だけじゃなく

修証義も

となえてあげられたらよかったなあ…

 

一日

仏間に

座って

繕い物して

 

 

与えられたこと

 

みんな…

与えられたもの

ありがとう

祈った

 

 

生きてる

今日

 

ありがとう

 

 

みんなみんな…

 

無事に

無事に…

 

 

ありがとう

 

 

ママが

たくさん残してくれてた木綿糸

白は

とうとう

あとひとつ…

 

ちくちく

布巾や雑巾

繕い物して

残り

ひとつ…

 

たくさん

たくさんあったのに

 

ありがとう…

 

ママの

お気に入りの糸屋さん

まだ

あるんだよ

わたしはボタン買いに行ったなあ…

 

 

春なのに

 

春なのに…

 

 

アレルギーが怖くて

ちょっと

腰がひけてたこと

カーペットの消毒

 

覚悟して…

 

ネズミ

やってこないうちに

今年も

きれいにしなくちゃ…

 

 

カラスが屋根で騒いでるから!

いるにはいるんだな…ネズミ

カラス

巣づくりに

ごみ!撒き散らしてる…

 

春か…

 

 

もう

ぼろぼろの

へんてこスニーカー

姉上さまのお下がりのスニーカー

 

ちんちくりんの

飾りを外して

靴底の泥

落として

 

草取りに

また

使えるようにした

大きいので

靴下の重ね履きできる

 

 

生きていてよいのかなあ

 

何様

 

おごりだ…

 

自分という

いのちは

 

自分

であって

 

自分ではなくて…

 

 

こころから

恥じた

 

 

生きてる…

 

与えられた

いのち

今日を

 

いまを

 

 

ただ

それだけ

 

ありがとう…

 

 

そろそろ

りんごも

褐変起こしてきて

味は

変わっていないけれど

 

それを理由に!

たくさん食べた

 

レーズンも

クルミ

 

パパママ

仏さま

みんな

と…

 

 

願わくは

如来真実の義を解せん…

 

貧しい

わたしの

こころに

 

祈りを

与えていただいたこと

 

ありがたいこと

 

一日

仏間に

お仏壇のまえにいた

 

 

ありがとう…

 

 

今日が

無事に終わってくれてたらよいなあ…

 

 

たたかえないで

 

動けないで…

 

 

ごめん…

 

 

明日

よろこびと

目覚めて…

 

かならず

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい