シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

おもうだけでも

誰かは

わからなくなってしまったけど

いつか

真夜中

きこえてきたラジオの声

 

離れた場所にいる介護の必要な親に

なにもしてやれなくて毎日がつらい

というひとに

 

その声のひと

たしか

どこかの

お医者さんだったけど

 

 

離れていても

おもうだけでもいいんですよ

おもっていてあげるだけでも

かならず伝わっていますよ

 

ゆっくり

ていねいに

そう言っていて…

 

 

 

はらはらして

どきどきして

眠れていない不安のとき

 

ふっと

あの声が

きこえてくるような…

 

 

 

お経

朝のお経

 

なんだか

泣きそうになった

 

早朝

めざめたときには

眠れていないけど

生きてるねえ…

 

起きられたねえ…

シーちゃん

って

 

起こしてくれて

ありがとう

パパママありがとう

おじいちゃんおばあちゃんおばあちゃん

ありがとう…

 

もう

天国のひとたちへ

 

ありがとう

 

ありがとう

 

伝えながら

お祈りのお仕度していたのに

おしまいは

生きているひと

姉上さま

弟たち…

 

そこで

 

また

申し訳なさ

 

いたたまれない

おもいに

とりこまれて

 

それでも

お経

おとなえした

 

 

あの

真夜中の声は

 

すくいとなった

 

いまも

まだ

すくわれてるんだなあ

おもった

 

 

おもい

つなぐ

 

ありがとう

つなぐ

 

 

すくい

 

度い

 

渡る

渡していただくんだなあ…

祈っていた

 

 

どこへ

ゆきつくのか

 

おそれて

逃げているだろう

おろか

おもった

 

 

ふらふら

危なくて…

 

おもうしかないじゃないよ

祈るしかないじゃないよ

 

おもうだけでも…

 

祈るだけでも…

 

 

いま

 

祈る

いま

 

泣きたくなるくらい

ありがたいことだなあ…って

 

そう

おもえて

こんなに

胸が

つまったんだよ…って

 

 

どっかでは

かならず眠らないことには

壊れてしまうんだろうけれど

 

昼夜逆転しないように起きて

昨日

整理しきれなかったものたち

しまおうとしたんだけど…

 

 

未来

 

まったく

おもい描けていないんだ

って

 

だから

ものの

多さに

多すぎることに

絶望してしまうんだ

って

 

のこされたものたち

そのひとの生きた証

って

お片付け生業とするひと

言ってたこと

 

どっかで読んでしまった

清潔で分別も完全にされた大量のゴミ

家中に積まれていた…という記事のこと

うかんでは

消えて…

 

なにを

どうすれば?

わからなくなってた

 

 

明日はないかも

なのに

 

いつも

こんな

ふらふらの

 

はらはらして

どきどきして

 

ただ

不安にのまれてしまう自分

みつめていた

 

生きる

から

 

から

 

逃げたりできないのに

逃げているから

 

なんにも

考えられないようになるんだ

 

 

それでも

祈る

 

おもう

 

 

ありがとう

祈る

 

 

捨てても

のこしても

罪悪感くる…

 

のみこまれる

 

ただ

祈って

 

ただ

おもい

つなげてた

 

 

 

すてる

つなぐこと

 

誰しも

ゆく道

おもった

 

 

眠れたら

 

明日

あたえていただいたならば

 

また

つながって

 

つなげていただけるように

 

祈る

 

 

 

今日が

無事に

終わりますように

 

やすめていますように

 

おもい

つながって

 

すくわれて

 

かなえられるように

祈ります

 

 

平和であるように

祈ります

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい