シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

本心なのか

いま

だけの

 

生きる

 

そういう

いま

 

 

よく

ふかく

なんにも

考えられなくなっているいま

 

また

見せつけられる

 

 

寿命

知らされた

ママが使っていた冷蔵庫

 

ママが

倒れて

 

パパが

冷蔵庫のなかを

管理してたとき

腐敗寸前のもの

乾燥酸化したもの

 

つぎつぎ

捨てたら…

 

かんかんに

怒られた…

 

あの

きもち

 

いまなら

なんだか

わかる…

 

もう

ママが

二度とは冷蔵庫に

ママが選んだ食材

ママが作ったもの

もう

けっして

 

二度とは

入れてくれること

ない

 

そう

パパには

わかっていて

 

たとえ

そうであっても

 

しばらく

もうしばらくは

ママが

ここに

いたときのようにして

 

三食

てづくりご飯の

ママの名残

とどめ

 

気配

のこしておきたかったのだ…

 

 

カビや

汚れや

使い込んだあとに

かなり手間取って

苦戦したけれども…

 

パパ

わたしも

ママの冷蔵庫

しっかり冷えなくなってしまったんだけど…

 

別れがたい…

 

 

遠く

都会に

貧しく生息してたときに

てづくりご飯の冷凍したのや

こちらの名産の冷凍したのや

 

貧乏

いちばん

買えないものは

 

くだもの

って

初物の野菜

って

 

こまごまと

仕度して

 

箱に詰めるのは

もっぱら

パパで

 

とても上手で…

 

 

うれしかった

 

いそいそと

仕込みしている

ママの姿

おもった

 

 

消えてく

いのちの

ともしび

燃やし尽くしてるみたいに

 

冷蔵庫

まったく冷えなくはならず…

 

 

冷凍庫は

この古い冷蔵庫よりは

いくぶん新しいけど

猛烈に電力かかると

わかってしまって

 

稼働させると

周囲に熱をもって

台所が

灼熱になりそうで

 

使えるんだけど

 

贅沢品と

わかった

 

 

 

明日

おもえない自分に…

 

未来のための

冷蔵庫

食べる

未来

 

考えられなくて…

 

万一

まったく冷えない

そのとき

冷凍庫を…

 

電源を切って

お掃除しておいた

 

 

生きられる

生きてゆける

そういうきもち

 

見失ってるなあ

シーちゃん

 

 

なにがよい

 

なにがわるい

 

 

愛や

憎しみ

 

好き嫌い

 

とびかう…

 

見ない

遠ざけてる

 

 

おっかないこと

言ってるひとは

 

発した

おっかない言葉

おっかなくないのかなあ…

 

それは

 

本心なのか…

 

 

仁者

しか

 

おのれの

ほんとう

 

本心

 

わかること

かなわないという…

 

 

そうであるならば

 

愚者

おろかなわたしは

 

うっかり

おろかしい

言葉

 

発してならないばかりか

 

自分の

きもち

どんなに

ささいな

きもちも

 

それは

本心?

って

 

問うて

 

問うて

 

 

素直へ

 

純粋へ

 

むかってゆけるように…

 

 

 

台所

あちこち

お掃除お片付けしながら

 

ママと

 

パパと

 

いるきもちして…

 

 

ありがとう

いちにち

ずっと

冷蔵庫

ながめた

 

ありがとう…

 

 

ごめんなさい…

 

 

 

ありがとう

 

 

 

今日が

無事

終わってくれていること

祈ります

 

 

食べられて

やすめて

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい