きらきら光るもの
石
硝子
そのへんにある
値打ちないもの
ちいさなとき
夜店の指輪を
ながめるのが好きだった…
夏
きまって切なくなるなあ…
孤絶
からは
切なさ
こえてしまってるなあ
シーちゃん
って
こんな
わたしなのだ
こういう
おしまいなのだ
と
ほつれ
あって
捨てる仕分けされてた洋服の
一枚が
捨てられないで残っていたの見つけた
心情的に捨てられなかった
のではない
何しろ
ほつれ
首回りで目立つ
そして
かなり大きくて
修理できるには
できるけれども…
おばさんの服なのか?
おばあさんの服なのか?
とにかく
好まない
誰の??
な
服
フェミニン?
わかんないなあ…
って…
って
前衛
うわ…
って
そんな発想わいてくるのは
そうだ前衛
前を衛る
だ…
これ
たぶん
いや
たしかに
迷彩
その
一種
そちら
めざしてるんだ…
と
気づいた
首回りが
ほつれてて
きらきら光ってて
おもわず
修理はじめてしまってた
ほつれ
切って
テープはずして
ちぢめて縫って
詰めては縫って…
ばっかだなあ…
って
死のお片付けの
終点は
自分が
勝手に
おもい描く先
だというのに
そこまでたどり着けなかったならば
なにひとつも
希望も
勇気も
あたえられないような
いつしか
おもいつめてるんだなあ…
ほんとう
ばかなんだけど
ますます
どんどん
いよいよ…
ばかになってく
って…
賢い人間
じゃない
もとから
それなのにもっと
もっと
ばかに…
きらきら光る服
女しか
着ない
着れない服で
好むのは
着たいのは
男も女も
ちいさいひとも年老いたひとも
誰でも着られるような服だなあ
と
残してある洋服を見てた
ほとんどは
ほんとうは好まない服だったんだなあ
って
ばか…
って
もとめて
もとめていたもの
もとめて
もとめてきたもの
目には見えない
光
きらきらと
光るところ
きよらかなところ
こころに
あるところ
この
内に
なのに…
お片付け
死のお片付けなのに
よわって
とうとうこの夏は
暑さに動けなくなってて
命懸け
ここまで
無理でも
なぜだかかなって
かなえてもらってきたのになあ…
と
泣きたくなったんだけど
無理
無茶苦茶
いっぱいしてきたのに
事故なく過ぎたのは
きっと
パパや
おじいちゃんおばあちゃんたち…
仏さま
みんな
ばかめ…
と
あわれんでくれてたからだろう
って
ありがとう
言ってた
ばかは
いつも
ぬけてるんだけど
すでに
つきぬけてるんだ…
気をつけて
気をつけて
いま
つなごう
先は
無いもおなじ
見えもしない
見ているのは
いまあるもの
それらを
取り除かなくては
えられないもの
たとえ
希望であっても
勇気であっても
無いも
おなじ
きよらかに…
まずは
たった
畳一枚
でも
きよらかに
だったっけなあ
って
でも
暑さ猛烈なお部屋は
1分いただけでも倒れそうに…
おまけに
修理し終わったはずの服
洗ったら
まだほつれてた
志
と
大切なのは
切なる志
と
鈍根と
言われるも
その志
あまりの
切なる志であったので
お悟り
はやくに
かなえられたという…
お釈迦さまの
お弟子さま
周利盤特
というひと
おもってた…
ただ
いま
一瞬
でも…
と
祈っていた
お仏壇のまえ
すわったけれども…
すまぬ…
となって
ごめんなさい
となって
ごめんなさい
ありがとう
って
すわった
すわっていた
明日から
もっともっと暑くなる…
大物
無理でも
きよらかなところ
一畳
だけでも…
と
切なる
おもいを…
と
すわっていた
なぜだか
へとへと…
顔手足が
ぴりぴり
ぴりぴりしてて
きもちがわるい…
いま
ある
が
すべて
明日
なんて
どこにも
ないなあ
って
また
ありがとう
と
なっていた
ありがとう…
ごめんなさい…
夜
やすめていて
ゆっくりと
やすめていて…
倒れていませんように
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい