シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

まなざし

道元さま

お釈迦さまを

追った

ひたすら

 

追いかけた

 

生涯かけて

 

いのちかけて

 

立派な

勝れた

ありがたい

お祖師さまがたのなかにあって

独自

 

唯一無二

 

そう慕い恋い焦がれるような

学者先生や

研究者や

僧が

 

いっぱい

いっぱい

いるなあ

シーちゃん

って

 

ありがとう

って

起きた

 

ぶっ倒れる?

 

とうとう犬死に…

いよいよ

のたれ死に

なんて

おもってた真夜中

 

ぐあいわるいよお…

ママ

って…

ママも

ぐあいわるくなると

名前

わたしの名前よんでると言ってたのは

 

離れてたとき

電話でそう言ってたから…

あわてて

姉上さま

パパにも

 

ママ

ちょっとぐあいわるいみたいだよ?

って

ほんとうは…

 

ちょっと

おかしい?

なんか様子がちがうよ…と

おもってた

 

よもや

 

認知機能が問題かかえてる

とは

おもいたくなかったかなあ…

 

ひと

いっときも

とどまらず

かわりゆくものだから

 

なんにも

みれない

なんにも

きけない

なんにも

できなくなってても

 

 

仏法

 

もとめてるなあ

って

きっと

正気を

たもつため…

 

真夜中

修証義を

おもった

そして

お顔を…

 

道元さま

きっと

癇癪?

 

発作的に

おこりんぼ

だったろうなあ

って

そう

ずっと

おもってる

 

お顔

まなざし

こころにあって

みるたび

いつも

おもう

 

逸話に

裏づけのように

激しさの片鱗があって…

 

お弟子さまがた

大勢いたろうに

道元さまが

お育てになった僧は

ひとりも無いのだなあ

って…

 

弟子は

師よりも

勝れるひとでなくてならぬ

秀でたひとでなくてならぬ

そうして

勝友でなくてならぬのだ…

 

そうでなくては

やがては

滅びへと

ゆくのみ

 

道元さま

おしまいは

女房みたいな僧が

ひとりついていた

って

ちょっぴり

ほっとした

でも

 

きっと女房は

あたってない

きっときっと

 

おかあさま

みたいな…

 

やさしい

やさしい

まなざししたお坊さんだったことだろう

って

想像する

 

想像して

修証義を

おとなえしてた

 

 

V・E・フランクル

お顔

強制収容所

生き延びたのちの顔貌

戦争以前とは

まったく別人

 

ああ

くるしみのお顔だ…

って

 

やっぱり

ときには

どうしようもなく

 

爆発?

 

癇癪

みたいな

感情の昂りが

きちゃうんだろうなあ

って

すぐおもった

 

戦争に

まきこまれて

いのちからがら

生き延びたひとびとが

なぜ

死にちかくに

ようやく語りはじめるのか

なぜ

ずっと

戦争を

語れなかったのか

 

この夏

はじめて

知った…

 

おろか…

 

 

自害

その

幇助

 

脅迫

 

母親が家族が

追い込まれて

子やきょうだいや

家族を

みずから殺めてしまったから

 

それを

みてしまい

 

生き延びてしまい

 

言うに

言えない

 

そういう

想像もつかない世界

 

 

ふたたび

世界が

ぞめく…

 

騒々しい

とも

言えないなあ

 

きな臭いとも…

 

 

目を

つりあげて

ただ

ともがらの

数をあつめ

 

なに

はじまるかなあ…

 

おっかないなあ…

って

 

 

 

死なず

ある

いま

 

捨てなくては…

おもってた

 

冷蔵庫は

こちらに来て

はじめからカビの温床で

 

言うならば…

カビ製造機で

お掃除くりかえして

つかってきたけれど

 

とうとう

温度制御機能が

経年劣化により

不能

もしくは

日和見となって

 

とうとう

食べ物を捨てなくてはならないはめに…

 

泣いた…

へんてこご飯を

つなげてゆけないなあ

食べ物すてては

ひと

まっとうでない

 

けっして

しあわせに

ならないなあ…

って

 

青カビが生えたのは

ごど

もう

ごどは

やめよう

って

 

捨てて

 

もっと

 

もっと

ものを

見えるもの

だけでも

捨てねば…

 

こわい

ひとが

こわい

こわくて

おこもり

 

ずうっと…

 

いっさい

すべてが争ってた

このちいさな世界

 

もめていて

わるぐちきいて

それから診察?

失敗されたり…

病院

どっこも

ゆけなくなった

 

死ねとか…

 

犬猫のように

しっ!しっ!

という手つき

されたりした

 

その女性

としかさの女性

癇癪おこすかなあ?っていう

そんな予感してたんだけど…

 

たのしみにする

って

いきなり

会えるのをたのしみにするなどと

 

不可思議な言葉を

おしまいに

そのつぎは

 

しっ!しっ!

 

 

たのしみにして

よいもの

無常

では

ない

 

会えるなどという

不確実は

たのしみ

ではないなあ

 

明日は

ないかもしれなくて…

 

会えないうちに

すっかりさめて

それどころか

 

おこりんぼさんに?

 

もともとのお顔が

そうだったけれど

 

いっときでも

にこにこと

お話できた

 

だれかには

あの

にこにこ顔で…

 

ありがとう

おもってた

 

 

もう

会えなくなった

やっぱり

としかさの女性にも

 

お迎えには

阿弥陀さま

かならず

かならず

きてくださる

 

お寺お墓

ゆけないと

罰当たりと

嘆いていたから

 

おもって

おもって

ありがとう

おもって生きてください

 

わきまえない

過ぎたこととは知りつつ

 

阿弥陀来迎

おつたえした

 

 

まなざし

ママの

 

おしまいの…

 

重い

おしまいの

病にあって

高熱とあって

 

あれ?

って

いっとう

はじめに

診てくれたお医者さま

 

認知症?なんだっけか?

ちょっとそうは見えないねえ…

 

って…

 

 

ぜんぶ

ぜんぶ

消えちゃうんじゃないよ

おしまいの

おしまいまで

 

ひと

 

ひとだよ…

って

おもってた

 

 

施設に

しっかり

ご挨拶してくれた

ママ

 

お世話になりました…

って…

 

おもってた

 

わたしは

といえば…

 

ご挨拶さえも

ありがとうさえも

つたえられないまんま

 

 

和尚さまにも…

 

 

ありがとう

かえて

 

捨ててゆかねば

 

ママ

虫不潔

おそれ

ネズミ

おそれ

 

一所懸命きれいに

きれいに生きてくれたなあ…

 

なにより

世間

おそれる

 

そう

田舎の

おじいちゃん

おばあちゃんに

そのようにきびしく

 

きびしく

躾られたおかげで

わたしたちきょうだい

ここに

あったのだ…

 

 

明日は

ないかも

なんだけど

 

明日

あたえられたならば…

 

死なねばならない

いのちなんだから

 

 

祈って

捨てて

 

捨てて

 

祈りと

ゆこう

 

しょうじ

生死

 

即ち

涅槃

 

生死として厭うべきもなく

涅槃として欣うべきもなし

是時初めて生死を離るる分あり

唯一大事因縁と究尽すべし

 

ひとと

うまれたのだ

 

せめて

ひとのように

犬猫のようにでなく…

 

ひと

として

 

死のう

 

 

ありがとう…

 

ごめんなさい…

 

 

いちにち

いちにち

無事に

こえて

 

生きて

生きていて

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい