ひとには
だれにも
備えられてある
というもの
わたしには?
あるかなあ…
パパ
ママ
と
寒いよお…
かなしいよお…
シーちゃん
って
生きていたい
あらわれは
食べたい
だとおもう
お肉お魚
卵も
食べなくなったけれども
お買い物は重労働だ
こんなにも
たくさん?
食べなくては生きられない?
って
毎度
毎度
ごめんなさい
となるほどに
大量に食べて
生きてるこのわたしが
仏教徒?
などとは
とうてい
いわれるはずもないなあ…
ごめんなさい
生きる
は
いつからか
生きていてごめんなさい
に
なってしまった
たどりついた
死のお片付け
は
朽ちてゆくものたちの
おかげ
それらに
みちびかれてきたネズミやらの
おかげ
いちばんは
養ってくれてた
養いつづけてくれてる
姉上さまのおかげ
でしかなくて…
それは
すべて
すべてに
そうだなあ
パパママの
そばにいさせてもらったのも
今日
いま
の
わたし
とは
友もなく
ただ
死や
その
かなしみに
うちひしがれるばかりの
ただ
ただ
おろかな
よわいこころのわたしが
わたしを
わたしとして生きられて
かろうじて
息つないで
生きてこられたのは
パパ
ママ
姉上さま
弟…
家族がいてくれた
おかげだ
ありがとう
ごめんなさい…
姉上さまが選んでくれて
買ってくれた傘が
壊れてた…
男の子みたいな格好してても
なぜか
不思議に似合う傘
この傘と
どこへでも
どこまでも
どこまでも
歩いて
歩いていってたなあ…
って
まだ
つかえなくはないだろう
と
ながめてた
ごめんなさい
って
涙
こらえて
ながめた
なんにもできそうもなくても
ふらふら
お掃除
だけは
と
拭き掃除した
鼻水が
ぽたぽた
こぼれた…
死のお片付け
生きていてならぬ
いのち
なんて
ないというのに…
けれども
そう
おもう
波に
おちいる自分も
自分
たとひたどりわずらふとも
明珠にあらぬにあらず
明珠にあらぬがありて
おこさせける行にも念にもにてはあらざれば
ただまさに黒山鬼窟の進歩退歩
これ一顆明珠なるのみなり
思案にくれたり
心をわずらわせたりするのも
明珠でないのではありません
明珠でないものがあっておこさせた行でも念でもないのですから
ただまさに黒山の鬼のすみかでのさまざまな生活のありかた
これが一顆明珠なのです
道元さま
その
あって
ここに
その
かけら
あって
かなしみに
身動きできずにいるものに
あしもと
ばかりみて
泣くものに
ひかり
みえて
たどりつかせていただいた
そこから
つなげられて
たどりついた
阿弥陀さま
それは
きょうだいの
縁
すすんでも
しりぞいてゆくも
行
念
と
祈り
と
あろう…
かなえられない
ちいさな
ちいさな
平和
そのような
悪のわたしであるのだから…
祈って
祈って
さんげ
と
ゆこう
ごめんなさい…
ごめんなさい…
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
寒くても
生きのびていた昨年の冬
あって
古灯油が入った古ストーブ一台
まだ
あって…
具合わるくなるんだけど
あれを焚いて
空っぽしなくちゃ…
って
なのに
火も
おっかないんだなあ…
って
途方にくれていた
湯たんぽ
ほんとう
あったかい
猫
おもってた
昨日
夢に
烈火のごとく
怒られた
パパ
おもってた…
ただ
きょうだい
なかよくと
いちばん
のぞんでた
パパ
あの
みんな
ひとつ屋根の下
眠っていた
あの夜を
いちばん
よろこんでくれてた
パパ…
ごめんなさい…
ごめんなさい…
お祈りしていた
ただ
生きていた…
ごめんなさい…
ごめんなさい…
ありがとう
夜
しずかな
平和な夜となりますように
無事に
ゆっくり
やすめていますように…
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい