明日は
お釈迦さま
おさとりされた日
暦
旧暦が
ちかいらしい
今日は
暦のうえでの
大雪
だいせつ
そのとおりの
雪だった
爪
色が
まだ
真っ白には
なってないのだから
おそらく
古灯油入り古ストーブ
焚いたとしても
酸欠?貧血?
倒れそう…
には
ならないだろう
そう
おもっては
自分に
何度も
平気だよ
きっと
ねえシーちゃん
とか
何度も
何度も
言い聞かせてた
けれども…
ストーブつけれなくて
病んでるんだ
逃げ
とは
こういうこと
と
おもい知る
身動きとれなくたって
病んでいても
生きているよ
と
また
言ってた
病
肉体の病
精神の病
どちらが
先?
どちらも
で
どっちからも
逃げてるんだろう
寒い寒い朝
逃げていたって
生きている今日は
ありがとうしかないよ
って
ありがとう
と
お祈りしよう
伝えよう
お釈迦さまに
お祖師さまがたに
ご先祖さまに
と
なって
でも
朝の
めざめ
かならず
がたがた
寒気きて…
とにかく
お布団のなかで
ごめんなさい…
ごめんなさい…
と
開経偈
から
声にだして
おとなえした
無上
このうえなく
すぐれ
それより
うえがないこと
冒険
と
いうほかに
ぴったりの言葉
みつからないような
お釈迦さまや
お祖師さまがたの
求道
修行
おさとりまでの
道のり
おもっていた…
冒険家と
言ったほうが
しっくりくる
険しい山に挑み
山に
いのち
落としたひとの
本
また
ゆっくり
もう一度
しっかり
読みたいなあ
と
その本を
取り出してあるけれど
やっぱり
読めない…
新聞だけは
読まねばならない
と
言い聞かせて
読んでいて
深呼吸して読むんだけど
胸痛む
胸つまる
山へゆく
って
ママ
おしまいの病に倒れ
そう
言っていたなあ
何度も
何度も
くりかえし
わたしは山にゆく
なんか…
青山
おもわされて
あわれな
きもちで
胸いっぱいになってた
弟は
いつか
そんな言葉に対して
温泉だ!
温泉に行くぞ!
と
ママに
言ってくれたとおもう
記憶
その
時系列
ぐちゃぐちゃになってるんだなあ
ずっと
わたしの
生きるは
あれから
パパママの
病と
死
から
ずっとずっと
非常事態なんだろう…
どこにも
ゆけない
そうして
どこにも
ひきかえせないのだ…
頂上まで
生きて
たどりつけたならば
証拠の写真を
撮らねばならないらしい登山
その登山家は
山登りを
こころから喜べたならば
頂上を踏もうが踏むまいが
どっちでもいい
と言っていて
人間社会のなかでは
頂上に登ったか登らなかったか
ということが
非常に重要な位置を占めていて
登ったのだと示したいときには
やはり登ったことの証を見せなければならない
とも言っていた
そうして
それらを
人間くささ
と
そう
言っていた…
あらゆる
人間くささ
より
はなれ
すてて
すてて
放たれて
ゆきつく
おさとり
なのだろうなあ…
死のお片付け
寒さに
病み
逃げ
に
ゆきづまってしまった
お釈迦さまの
お祖師さまがたの
発無上意
おもった…
いちにち
いま
お祈りしよう
お片付け
はじめは
やっぱり寒いお部屋で
外套重ねて着込んで
一所懸命にはじめた
そうだ…
あのときも
弟がいたり…
あのときは
笑ってたなあ
弟と
弟の奥さんと
わたしと…
そういえば
登山家は
こうも
言ってた
ものにも命が宿っているような気がする
たとえば
ザイルを
切って
捨てゆかねばならないとき
自分の
判断のうえに
さらなる困難がやってくれば…
死
なのだから…
荒れる山に
自分に
はじめは
怒りがきて
そののち
ごめんなさい…
と
山に
自然に
きっと
天にも
ごめんなさい…
ごめんなさい…
と
ただ
ごめんなさい
となってゆく
って…
ほんとう
ごめんなさいしか
なくなってゆく
ごめんなさい
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
祈る
祈るばかり
ごめんなさい…
無事
ただ
無事を
祈っています
事故なく大事なく
しずかな夜になってくれて
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい