夜
おそくても
お茶おそなえした
お仏壇のまえに
すわった
真夜中
泣いた
馬鹿…
ラジオに
知らない歌
聴こえて
その言葉
すっかりと
あれ?
ママのこと?となってた
うん…
ほんとうそうだ
ただ
なにもかも
育ててもらったんだ…
って
なにがなんだかわからぬ赤子
望んでいた男ではなくて女の
なにからなにまでよわい子が
生まれてしまったのになあ
ほんとう
育ててもらった
ただ
まもられて
ただ
あたえられて
育ててもらったんだなあ
ありがとう…
と
泣いた
ほとけさま
さながらの
悲願
悲壮なほど
願ってくれたろうに…
祈ってくれたろうに…
ごめんなさいだよ…
ごめんなさいばっかりだ
シーちゃん
泣きたいだけ
泣いていた
ママが
抱っこしてくれてたシーちゃんに
掛けもの
しっかりと掛けてやって
ありがとうだよお…
いっしょに眠ろう
と
ママに
お祈りした
ママも
パパも
みんな
お浄土に
修行しててくれてる
と
おもう
安心する
それでも
やっぱり
ここにも
いてくれて
この自分の
内に
パパ
ママ
いる
と
そうして
ずうっと
つながって
お顔も知らないご先祖さま
いる
と
なにひとつ
するにしても
そのようにおもわれている
そのこと
つくづく
おもわされて
ありがとう
と
お祈りした
よわかった…
いまだ
よわい…
そうだ
ありがとうと
つたえたくて
つたえたくて…
泣けてくるんだなあ
だから
お仏壇のまえに
すわっていたいんだなあ
修行の
真似事したいのでもなく
そうすることが
よいとも
おもわず
いつも
いつも
ありがとう
と
そう
なっているなあ…
まだ
心配かけるばかり
ごめんなさい…
姉上さまに
親のように
養ってもらって
ただ申し訳ないおもい
いっぱいになって
追い立てられるような
どうしようもない
おろか
なにやら
まともに
生きられなくなっている
自分の
よわさ
申し訳ない…
いちにち
いちにち
なにもかも
しめつけるようにして
なにもかも捨てねば
となって
自分
という
ここまでの
ここに
育ててもらった
自分というもの
そうであっては
生きていてならぬ
と
おもわれてきたり
しめつけて
なにになるんだろう
馬鹿だ
ほんとう…
すべてを
くるしみだけにしていたのだなあ
ちっぽけな
わたしには
たのしみとして
為せることさえ
もはや
なにひとつ
たのしみとして
つなげてはならない
どうしてだろう…
おろか
悪
ありがとう
しか
なかったのになあ
いまも
ありがとうなのに…
姉上さまに
おいしいと
言ってもらえたご飯
ひとつも
つくらなくなってしまった
あのとき
ほんとう
うれしかった…
うわ
って
ママのご飯のおかげ
って
そして
ずっと
ずっと
姉上さまに
ご飯つくって
食べてもらって
生きてかなくちゃ
って…
ただ
無事に
と
祈る
平和
祈る…
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
祈り
つたなくとも
つながってくれる
ありがとう
と
ただ
ありがとう
と
祈ろう
無事に…
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい