もやかかったような
頭のなか
霧かなあ…
このまま…?
このまま…シーちゃん
と
そのつぎの
言葉
恐怖
こわさにわく言葉に
決まってる
独り言やめた
ぼんやり
霧のなかの恐怖
言葉になるな…と
ながれるように
と
待つ
夜
まったく眠れなかった
そのまま
起きた
真夜中
気温が
朝夕も10℃近くなってきて
蚕みたいにお布団くるまってなくても
生きてられそうな気温になってくれて
みんな破れてた指のしもやけ
最後の穴が閉じてくれそうだ
お水も
手が切れるほど
痛いほど冷たかったのに
すこし温んできてくれてる
ありがとう
ほんとう
ありがとう…
ありがたく
お掃除しているのに
つい
夏は…
生きてられるかなあ…などと
でも
ただ
いま
しかない
いまだけど
いま
ある
さいわい
真夜中
神仏のお仕度して
お線香ずっとたいた
手づくり和菓子もどき
小豆混ぜたきな粉飴みたいにして
おそなえした
坐った
お祈りしていたら
意識
なくなりそう…
なんにも考えられないんだ
って
ただ眠らないため
ただ立っていた
うろうろして
そうして
ちょっと
あたたかくなって
お台所のことして…
ずっと
立って
ずっと…ずっと
お念仏
ふらふらで…
南無阿弥陀佛
ラジオ
つけた
アインシュタインの言葉
悪魔にさらわれてしまえ…?
亡くなって70年という
その言葉は
いま
の
わたしに
いまの
わたしたち
にんげんに
すべてのひとに
向けられたもの…
争っているならば
戦争しているのならば
悪魔にさらわれてしまえ
と
そうだ…
そこからだった
と
いま
このいまの
ただ生きる無為無能の悪
それらに
つながる
はじめ
わが悪の業
その恐怖と
絶望
それらと
おしまいへと
ゆくわたしなのだ
と
そう
はっきりと
自分の悪に知らされたわたしなんだ
手をあわせて聞いた…
その生涯を
後悔と
絶望と
かなしみと
懺悔と
ずっといた…
言葉がおそいこどもだったという
音楽を
バイオリンを愛していたという
風変わりなまで質素で無欲で素朴で
ひととはうまく生きてられない自分だけの
ささやかともいわれぬことがらの
よろこび
さいわい
こころに
いっぱいにして
後悔と絶望と
かなしみとも
懺悔と
生きて
生きのびていた…
邪見のともがら
わたしだ
独りの
ひとりぽっちのわたし
独りでも
悪
独りの
邪見のもの
はっきり
わかった
悪
ほんとう悪
と
そう
わかったのは…
悪
為したあと
だった
世界わたしの
ちっぽけすぎる
無いような世界すべて
すべて
荒れて
怒って
争ってた
それは…
たとえ
自分ではわかっていなくても
わたしが荒れて
わたしが怒り
わたしが争う
そこから…
わたしという悪から
つなげられたんだ
と
おのれの悪に
わからせられた
もしも
という
むなしいおもい
ずっと
ある
言うな
聞くな
と
そう
わたし
おねえちゃんにも
弟にも
ずっと
そう諭されていたのに…
言ってしまった
聞いてしまった
わたしの
このよわい
おろかとも
言い訳してならない悪
つなげてしまった…
毒や槍や
弾のような…
それよりさらに
ゆるされない
言葉
という
大事なもの
にんげんの
おしまいまで
まもらなくてならない
こころを
つたえる
言葉
よきこと
つたえる
大事な
言葉を
悪に
つなげてしまったんだ
そうして
大事な
おねえちゃんや
弟に
向けた
ごめんなさい
ごめんなさい
にんげん
のようでなくなってしまった…
報いとはいえ
身動きできなくなってしまった
ごめんなさい…
ごめんなさい…
それでも
あたえられた
いちにち
幸福に
と
祈っている
祈らせてください
ただ
祈り
ねがって
ただ
うごいていた
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
よきひととをれば
よきひととなるなり
悪われ独り
南無阿弥陀佛
ごめんなさい…
壊れてくわたしだ
病
ある
と
わかっていても
病院ゆけない
ただ
こわい
ごめんなさい…
お家も
古びて壊れてゆく
壊れかけの冷蔵庫や
壊れかけのものたち
壊れかけのわたし
お片付け
ひとつも
触れられない今日
どうしたらよいのか
まったく
わからなくなって
ごめんなさい…と
ずっと
うごいた
うごけなくなれば
ただ
立っていた
こわくて
ただ
こわくて
申し訳ない
ただ
申し訳なくて
眠らないためだけに
檻の獣みたいにでも
ただ
うろうろ
うごいた
ごめんなさい
ありがとう
と
食べられた
ありがとう
ごめんなさい
生きています…
ありがとう
パパママ
ご先祖さま
ほとけさま
いてくれる
おねえちゃん
弟
こころに
いてくれる…
ありがとう
いちにち
ずっと
お念仏
こころに
声にも
響かせていた
南無阿弥陀佛
ごめんなさい…
ありがとう
今日
無事に…
しずかに
終わってくれるように
夜
無事に
こえられて
かならず
こえてゆけるように
かならず
明日
無事に
あたえていただけるように
祈ります
祈っています
無事に…
無事に…
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい