捨てられなくなって
ひとつも
おもうように
すすめなくなって
かなしい
ごめんなさい
ありがとう
かなしくても…
ありがとう
お家に
ひとつひとつの
のこされてあるものに
ひとりひとりの
お浄土のひとに
おねえちゃんに
弟に
ふたりをまもって
ささえてくれているひとたちに
ありがとう
ありがとう
言う
南無阿弥陀佛
と
ありがとう
と
いのち
つなげてもらってる
ありがとう…
身動きとれなくなって
いっそう
ありがたい…
世の中のひと
みな立派なひととおもわれる
すべての
ひと
すべての
もの
すべての
いのち
ありがとう
言う
自分にも
言う
カビ部屋で
こもって冬の越冬のもの始末して
くるしくなって
そのあとの
紙の始末も
たえきれず
もう
ごめんなさいしかないなあ…シーちゃん
って
すわった
なにかはできた
そうも
おもえなくなった
どうしよう…ばかり
追っかけてくるなあ
冬の
こわさ
大雪にも
雪下ろしの相談うっかりしてしまった
業者のひとにも知らされてしまった…
おっかないおもいした
なにやら
おかしなこと
つづいてる…
もめたり
争ったり
なかったよ…
よきひと
よきひと
と
祈ろう…って
そうしてるうち
ようやく
こえられた冬なのに
ありがたい
春なのに
こわさ
恐怖
刻まれてる
って
気づいた
よわい
って
かなしい…
ごめんなさいってなる
なにもかもに
ごめんなさいってなるなあ
かなしいこと
かなしいよ
かなしかった
と
言えたり
つたえられたり…
いや…
ひとりぽっちなんだよ
いま
ある
生きて
いちにち
あたえられて
食べられて
お祈りと
すわって
また
夜
ありがとう
ただ
お仏壇のまえ
すわった
南無阿弥陀佛
捨てられないって
かなしい…
ごちゃごちゃなのに…!
かなしくなるのに
かなしかったねえ…パパママ
何軒分もの?大量のものたち
収集のひとに何度となく
叱られるほど…
捨てて捨てて
捨てるしかなかった
その分の
かなしみ
始末してこられたかなあ…
かなしみ
捨ててこられたのかなあ…
ごめんなさいしか
なくなった
捨てられなくなって
捨てられなかったきもち
わかった
でも…
ふらふらの
へとへとの
かなしいだけのわたしになってしまったよ…
パパママみたいに
病
あたえられても
どうしてか
どうにもしようなく
身動きとれなくて
向かえない…
おんなじ道
ゆくのかなあ
ごめんなさい…
ママの旅立ちのあと
やさしきひとの
たおってくれた
ふじむらさき
一枝
まだ
ある…
いろ褪せて
かわいそうだ…
でも
捨てられない
いちばん
捨てられないひとって
わたしだったんだよ…
パパ
ママ
ただ
限界こえても
買わなかっただけ
ただ買わないだけ
パパママに
言ってた
ごめんなさい…
ママの
おねえちゃんのわたしの
お針のもの集めて使ってきた
使いきれない糸のうち
木綿糸だけは
無くなったよ…
パパ…
ごめんなさい…
おねえちゃん
ごめんなさい
ありがとうって
お仏壇のまえすわった
猫みたいに
痛い背中まるめてた
つかれたよ…って
つかれて
ごめんなさい
わたし
かなしくなれば
みんな
きっと
かなしい
かなしくなるのに
ごめんなさい…って
お経
おとなえできなくなってしまって
なんにも役にもたたないのに
つかれたなんて言って
ごめんなさい…って
ただ
ありがとうと
南無阿弥陀佛申し
お祈りした
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
死をわたす雲かくや
ふじむらさきの
褪せてものこり
南無阿弥陀佛
ただ
無事
祈ります
夜
無事に
しずかに
終わって
かならず
夜こえられて
明日
めざめられて
あたえていただけるように
祈っています
倒れていませんように
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい