シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

脱落

空は青いだろうなあ

草は生い茂っているのになあ

 

一歩

さえも

こわくて

 

恐怖って

なんだろうなあ…

シーちゃんって

 

朝また虫のつづき

 

 

南無阿弥陀

 

南無阿弥陀

 

こころに

声に

 

南無阿弥陀

 

 

法然さまは

いちにち

何万遍も…

 

妄念と

ともに

わたしの

愚かお念仏だ

 

 

かなしみって

かなしいなあって

かなしいときにかなしいって

たとえ

自分のこころのなかだけでも

 

かなしいなあ…かなしいよ…って

 

かなしいまんまでおれないと

ほんとうつらいんだな

 

 

短歌

うたも

お念仏になったよ…パパ

 

パパ

かなしいよ…

パパ

かなしかったねえ…

 

パパ

つよがりだ

野球少年で

高校では捕手

 

走るの速くて…

 

 

やっぱり

泣いてた

 

ごめんなさいって

何度も何度も泣いた

 

ここにいてよいわたしでないのに

ここにいて

ここにいるための仕度?

冷蔵庫を買いにゆかねば?

 

してよいのかなあ…パパ

 

どっかに

ゆけるかなあ…

 

馬鹿だよ

ほんとう

ここにしか

いるとこない

ゆくところなどないのに…

 

壊れた冷蔵庫とは

明日もこせない

わかってる

 

わかってて

 

一歩

 

日の光さえ

おそれてた朝

 

パパ

真冬わたし

おっかないおもいしてたんだけど

いっしょにいてくれてたもんねえ…

ありがとう

 

ごめんなさい

 

南無阿弥陀

 

すわった

 

 

パパ

おしまいまで

ママに

 

愛してるよ

とか言ってないらしい

 

ママに伝言は?って

愛してるよと言っとく?って

何度もきいた

 

言わない!

俺はそういうことは言わない!

って

何度も

こたえた

 

笑ってた

 

 

泣いた

 

ごめんなさいと

泣いた

いつまで

泣くんだ…

 

生きるちから?

 

無力

恐怖

ただ

かなしいなあ

 

 

真夜中の虫退治した

殺生した

 

ごめんなさい

 

予感はあたっていた

何度も羽虫でてた?

壁の

謎の穴?その訳わかって…

でも

 

殺虫剤も買いにゆけない…

 

ごめんなさい

 

 

身心脱落

 

ぬけおちる

 

すべて

すべてぬけおちる

 

そのようなところ

たどりつけるはずないのだけれど…

 

妄想の

執着の

まっさきに

すてるべき

 

わたし

 

われ

 

 

あなたらしくないよ

って

 

パパママ介護のはじめに

おねえちゃん

言ってたなあ

 

どの

どんなわたしが

わたしらしいのか

 

その

ぜんぶのわたしは

 

いまにも

なくなる

 

くずれる

 

 

わたし

すっかり

ぬけおちるため

歩く

走る

だったかなあ…って

 

ほど遠いけれども

 

そういうところの

すこしでも近くに

せめて

そのようなことはある

そうおもわれるほどに

近づけてもらえるように…

 

ひたすら

歩いて

ひたすら

走って

 

 

いま

 

うごけず

 

ひたすら祈る

祈っている

 

くるしみと

かなしみと

あって

うごけて

そうしたとしても

かなえられたとして

 

そうしたい

でなくて

 

そうするよりなくて

 

かなえられても

さっぱりしたり

すっきりしたり

ない

 

わかってるのに…

 

うごくしかない

 

そうするよりしようないわたしがいた

もう

どこにもいないんだ

 

うごけなくなって…

 

ごめんなさい

 

お日さまさえ

こわくて

 

ごめんなさい

 

 

虫にも

追われてるようなきもちする

 

なにひとつにも…

すべてに

追われてるような

 

 

まったく

うごけなくなってしまうまえに

お片付け

 

死のお片付け

 

命懸けになれ…

 

むなしく

自分に言った

でも

うごけなくて

 

どこにもゆけない

 

南無阿弥陀

 

南無阿弥陀

 

ただ

 

いま

 

ありがとう

 

ごめんなさいと

 

祈る

 

ほとけさま

お祖師さまがた

 

パパママ

ご先祖さま

 

おねえちゃん

 

ごめんなさい

 

平和

祈らせてください

 

どこまでも

平和な世界

 

かなえられること

 

信じて

 

祈る

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

 まざまざと見し白鳥や

 ひとすじの

 ほとけのみちや

 南無阿弥陀

 

 

ママ

おもう

 

 

わがこと

のように…は

 

むつかしくて

 

ひと

それぞれ

おもい

ちがう

 

 

 

おもう

 

おねえちゃん

おもう…

 

祈る

 

 

 

迷惑かけるばかり

 

おねえちゃん

ごめんなさい…

 

ただ

生きて

 

慈悲に

生きてこられた

 

ありがとう

 

 

つたえたい

おねえちゃんに

 

つたえられないわたしだ

こわくて

 

かなしくて

 

ごめんなさい

 

 

ひと

ひとの

あたりまえのひとの

いるところ

 

そこから

 

脱落

 

ぬけおちてしまったとしても…

 

いま

ある

 

ありがとうと

祈る

 

懺悔している

 

懺悔してゆく…

 

 

生きる

もと

 

親きょうだいを敬うこと

 

パパママ

お浄土に

修行していてくれるのに

 

このようなわたしになってて

きっと

かなしんでいるなあ…

 

ごめんなさい…

 

 

おねえちゃん

 

ごめんなさい

 

ありがとう

 

 

ありがとう

 

 

 

無事

祈ります

 

無事に…

 

かならず

かならず無事にいてください

 

 

こえられて

しずかな夜となって

かならずこえられて

 

明日

かならず

めざめて

 

いのち

つなげていただけるように

 

倒れていませんように…

 

 

祈ります

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

おやすみなさい