傷んでゆくお家
住んでゆけないだろう
住んでいてならないだろうお家
怯えているなあ…ずっと
絶望するな…
お家踏ん張ってくれてて
ここで生きてこられたよ…
ありがとう
お家にも
ごめんなさいしている
パパママの病に
こちらへ帰りついてから
ずっと怯えて
お片付けお掃除もの捨て
途中
ここ直したら?
の
おねえちゃんの
ほんとうありがたい申し出さえ
そのときの
混乱した状態では…となって
手をかけてもらえなかった…ところ
いっぱいなんだ
ごめんなさい
なんか
わたし
よわい
と
日に日に知らされる
冷蔵庫は
壊れたまんま
よわさに
つなげてしまう悪
知らされてゆくばかりだなあ…
捨てるもの始末が
判断つかず
すすまない
捨てるしか
ないものたち
何段階にもくりかえし手をかけてたなあ…
捨てるためにも
何段階も何日も
一所懸命に
手をかけて
なにしてるんだろう…
わたし
パパ
ママ
おねえちゃん…
ごめんなさい
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
お念仏に
結局捨てるをかなえられたもの
ただ
心底
有り難いとなってた
もう
解けない?
こころ…
よわったこころだ
ぐちゃぐちゃの頭だ
おねえちゃん…
ごめん
ごめんね…って
泣きたくなるなあ
ずっと
ずっと
ひとの
こころ
自分の
こころ
身口意
と
お念仏と…
ひとつになるように
解けぬように…
お祈りする
祈りと
お念仏と
いま
昨夜
シーちゃんに
独り言も言えなくなって
くるしい夜
ただ
ただ
お念仏
南無阿弥陀佛
わがもの
であるもの
なんにも
ひとつも
なんにもないのになあ…
ひとに
完全完璧
ない
とっくに知ってる
無力
だから
つくる
が
つづけられたんだなあ
手縫いで
きちんとした
洋裁仕立てに見えるお洋服
つくってたひといた
洋裁ができるのだったら
それを手縫いですればできます
と
あっさりと言っていて…
お直し
ぜんぶ
手縫いでしてみようと
ちくちく縫ってみたら
見た目ではわからない仕上がりになった
それから
たくさん
そうやってお直ししたりした
そのひとつ
手放した…ママのお洋服だ
これが
手放せるのならば…となってた
手をかけられた手縫いで直されたお洋服たち
いっぱい…ぜんぶ…って
ぼんやりと
おもってた
ぜんぶ
捨てる
も
かなう
きっと…
古着物
解くと
まるで
こころ
解かれてゆくような心地する
解いても
節電でアイロンかけたりしなくなったけど
解かれた絹地
なんだか
らくちんそう…
がんじがらめ…
ひきこもり
いのち
ごめんなさい
こころ
ごめんなさい…
パパ
ママ
おねえちゃん
ごめんなさい
ニュース
まるでおっかなくても
やがて
正確につたえられてるんだ…聞こう…
と聞く
あとは
なんにも
みれない
テレビも
だいすきな絵本も
だいすきな奈良美智さんの本も…
ただ
ただ
平和祈るこころになる
ひと
すべて
幸福に
祈る
解かれて
解かれて…
平和への道
向かってゆける
ほんの
きざしも…
聞こえてくれたなら…
ニュースを聞いてた
祈る
祈らせてください
と
祈ってる…
祈る夜
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
天つ袖ただ白し母よ出でませ
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
あまつそでただしろしははよいでませ
なむあみだぶつ
なむあみだぶつ
婚礼の…?
とても古いから
田舎のおばあちゃんのかも…
染みや変色や…捨てるも
あわれ
解いて
そのままにしてて
ごめんなさい
ありがとう…
ふと
おねえちゃんの声するきもちする…いまも
お家のなかに家族がいてくれる気配
あるというだけで
どんなにか安心で
しあわせだったか…!って
あのおねえちゃんの言葉
パパの病での不在に
しみじみと言ってくれた言葉
おねえちゃん…
ごめんなさい…
身動きとれないわたし
ごめんなさい…
家族
って
気配だけで
しあわせなもの
おんなじ空気すって
ただ
ひとつ屋根の下にいて
ともに
ともに
生きる
生きてゆける…
たとえ
なにかは
こんぐらかってても…
素直に
言葉では
つたえきらなくても
ただ
ともにいて
おんなじ空気をすう
南無阿弥陀佛
お念仏
渇いたわたしに
しみてくれるなあ…
愚か悪のわたしにさえ
みんな
お浄土へと迎えられて
いっしょ
と
おもわれる
有り難い…
お念仏へと
たどりつけたのは
きっと
ここのおかげ
それから
道元さまへの
憧れみたいな学び
果てしなくて
無力
知らされつづけたことも
もの捨てもの始末
ただ馬鹿みたいに
つづけてこられたことも
パパママと
いっしょに
いさせてもらえたこと
おねえちゃんのおかげ
おねえちゃんの他力に
生きてこられたこと…
よわくて
ずっと
生死と
病と
生きてこられたこと…
いま
ただいましかなくても
いま
ある
ぜんぶ…
すべて
有り難いんだ
ごめんなさいしかないわたしだ…
いま
ある
そのこときり
たしかなもの
無い
愚か
不安
恐怖
いちにち
果てしない
いま
いましかない
いま
つなげていただいて
夜
南無阿弥陀佛
こころ
よわる
迷い
惑う
だれしも
ひと
よわい
よわさに
しみてくる
解かれて
つながってくれるもの
よわさの
おかげ
なんだけど…
よわさ
愚か悪に
二度とは
つなげてならない
南無阿弥陀佛
ただ
ひとつ
ありがとうと
ありがたく
ただ
ありがたく
ありがとうとお祈りして
手放すこと
かなえていただいたよ…ママ
ありがとう
ごめんなさいだけど…
有り難い
ありがとう
ありがとう…
ごめんなさい
ありがとう…
夜
雨も風も
しずかに
こころ
おだやかに
平和に
無事に…
夜こえて
かならず
こえられて
明日
かならず
かならず無事に
つなげていただけるように
祈っています
お水も飲んで
いっぱいなんでも食べて
やすめていますように…
倒れていませんように…
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい