十一日
月命日
と
お名前もお顔も知らないひとびと
祈る
南無阿弥陀佛
また
事件が…
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
浄土
もとは
清浄の国土
つづめられて
浄土
世界が
平和になるには
世界が
ぜんぶ
ぜんたい平和に
と
それから
ひとりひとりの幸福があると
宮澤賢治は
言っていた
平和の国は
清浄の国土
生きて
死んで
お浄土に
いなくては
かなえられなくて
そこから
お片付け
死のお片付け
ともなったのに…
ごめんなさい…ごめんなさい…
って
シーちゃん…どうしよう…って
また起きられない朝
ほとんど眠れない夜
ごめんなさい…と
目をつむっていた
背中の痛みと
ふらふらと
気をつけて
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
お念仏と
起きた
ありがとうと起きられて
十一日だよパパママ
また大豆と小豆ご飯
お供えした
お経
おとなえは
くるしくて
かなしくて
すわっていた
都会は
さらに
水に弱い…って
無事祈っていた
生きて浄土
死んで浄土
くりかえし
自分に言って
すわっていた
祈らせてください
祈らせてください
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
わらじ
こころに
ずっとある
いにしえのお坊様
修行は
命懸け
雪が降る山道さえ
わらじで…
あの
戦争
この国の兵士の
ほとんどは
戦死と言っても
飢えと
感染に
死んだ
学者の先生たちが
もう伝えてくれるひと
いなくなってしまったこと
たいへん危惧してくれて
資料に残そうとしている
ラジオ番組にも
伝えてくれていた
わらじ
戦地で
わらじを編んで履いていた
革靴は不足して食糧も不足して
飢えと感染で
ばたばたと死んでゆくしかなかったと
少尉以上の将校らには
食糧も衣料も豊かにあり
荷も軽く
馬もあって…
真夜中
ラジオ
手を合わせて聞いた
南無阿弥陀佛
お念仏きり
ごめんなさい
ごめんなさいと
お念仏していた
この気象
もはや
異常と
言われないようだ
真冬
までには…
また
までには…
やってきたけど
食べて
生きて
ふらふらと
気をつけてと
南無阿弥陀佛
お念仏と
ありがとう
ありがとう
生きているよ…ありがとう
おねえちゃんわたし生きているよ…
ありがとうと
お念仏
つなげ
なににもならない
役にも立たない
ひとつ
つなぐ
つなげていただいた
ありがとう
ありがとう
ごめんなさい…
またきっと
極寒豪雪
そのまえに…
ここ
パパママのお家
いまは
おねえちゃんのお家
わたしたち生まれたお家
いまわたし
住まわせてもらっているお家
家族
ここで
幸福と
笑って
泣いて
生きていたお家
まだわたし生きているよ…
おねえちゃんのおかげで
パパママおじいちゃんたちのおかげで
ご先祖さまのおかげで
お念仏と
生きてる
お仏壇のまえ
ありがとうと
伝えていた
ここ
浄土に
清浄の国土に
かなえていただくほどには
ちから
あたえていただくこと
平和
ただいまきりのわたしだけれど
安心
あんじん
つなげられて
波立たないこころ
つなげられるほどの
ちから
あたえられること
ここ
清浄の国土と
なってくれるように
かすかにも
役立つものに
生きて
死んで
お浄土の
清浄の国土に生きるものと
そういうわたしに
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
お祈りしていた
祈らせてください
祈らせてください
倒れないように
倒れていないように
無事
ただ
無事
祈ります
夜
かならず
しずかに
無事に終わって
夜
こえられて
かならず無事にこえられて
明日
かならず
かならず
無事にめざめられるように
いちにち
あたえていただくように
祈っています
かならず
かならず
無事にいてください
祈らせてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい