シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

帰する

この気象

もはや異常とは言われないようだ

そう書いてしまっていたけれども…

 

常とは異なるも常態化する可能性がある

 

と表現するならば

 

より正確さに近づくのか…

とおもいながら

ごめんなさいしていた

 

はらはら

どきどき

お仏壇のまえ坐った

 

坐するを

お祈りとさせてください

わびる

 

お念仏

つなぐ

 

声にも

念じた…

 

南無阿弥陀

 

祈っていた

 

南無阿弥陀

 

南無阿弥陀

 

 

パパ

ごめんなさい…

 

おねえちゃん…ごめんなさい

 

ママおじいちゃん…

 

あたりまえ

かなえられなくなって

昼夜逆転だけも避けられるようにと

眠れなくても

睡魔こらえて

起きていたんだけど

 

起きた状態をつなぐため

立ちっきりに立ってたり

寒い冬には家中歩いたり

そうして

ここまで

生きてこられたんだけど

 

恐怖

つのり

よわり

かなえられないこと

ばかりになった

 

ただ生きている

 

そのこと

それきり

となった

 

有り難いいま

いま

ある

 

生きているよ

 

生きているよ

 

こころに

伝えている

 

生きて

ある

いま

 

さいわいと

ほんとう

まことの

さいわいと

そうおもうようになった

 

お念仏

きてくれていた

 

南無阿弥陀

 

 

やがて

こころ

まことのこころ

そのまま

とさせていただいて

ゆくところ

 

帰するところ

 

こころには

ずっと

あった

そう

おもわれた今日

 

八木重吉の詩集は

ママも読んだ

買ってくれたのはママ

 

わたしが十代の病の内科の入院中

ずっと枕元に置いていた本だ

 

どうしてもまた読みたい…

 

祈ってた

文字を追えない

紙類も始末もかなえられなくなって

 

なんにもかなえられない

ただ

こわいんだけど

 

パパごめんなさいとすわっても

正座は常のはずが

たちまち痺れきた

 

ごめんなさい…

ごめんなさい…

ほんとうごめんなさい…パパママって

あぐらにして

背中丸くして

詩集

ぱらり

開いて…

そこに

 

ああ…あった…!

 

ありがとう!

となった

 

南無阿弥陀

 

 

 

  死と珠

 

 死と 珠と

 また おもうべき 今日がきた

 

 

  ひびくたましい

 

 ことさら

 かつぜんとして 秋がゆうぐれをひろげるころ

 たましいは 街をひたはしりにはしりぬいて

 西へ 西へ うちひびいてゆく

 

                八木重吉

 

 

 

あった

見つけた…いや

 

ずっとあった

 

ずっとずっと

こころには

あった

 

 

南無阿弥陀

 

 

恐れに

ただ

祈る

 

ただ

食べて

生きる

 

生きるの

帰する

無くては

 

生きるは

無い

 

成就

無い

 

 

ママ

ありがとう

 

パパ

ありがとう

 

 

おねえちゃん

ありがとう

 

 

風も

 

雷も

 

地震も…

 

世界中

どこも

無事にあるように…

 

世界中

その

いま

 

ただ生きてあるきりのわたしの

ただ

いま

このいまも…

 

帰するところへ

 

まったき道へ

 

 

まことのこころに

つなげられてある

いまと

させてくださいますように

 

祈らせてください

 

祈らせてください

 

 

 

戦争が終わりますように

 

戦争が終わりますように

 

 

世界が平和になりますように

 

世界が

平和の道へと向かう

いまでありますように

 

 

 

八木重吉

キリスト者

 

けれども

教会は

離れた

 

こころ

うつす詩

その世界

まったく

 

佛ある

念ある

十代のわたしにも

おもわれた

 

クリスチャンになりなさいと

正統な

正しき信徒多き

プロテスタント教会の先生が

何度も言ってくれたけれども

 

お寺

お墓

ほとけさま

こころにずっとある…って

泣けてしまったなあ…

 

病みぬけて

ママ

いちばんに連れて行ってくれたのは

お寺

 

それから

甘味処…

お汁粉を食べて

笑って食べて…

 

南無阿弥陀

 

南無阿弥陀

 

 

今日も

小豆も大豆も

お供えして

 

パパ

ごめんなさい

ママ

ごめんなさい

おねえちゃん

ごめんなさい

 

ごめんなさいと

すわっていた

 

 

お念仏

 

こころに

ひびく

 

ひびかせてください…

 

 

南無阿弥陀

 

 

恐れに

ごめんなさいと

お念仏つなげ

恐怖の

ただ

祈る

祈っている

 

 

平和

祈る

 

 

無事

祈る

 

祈らせてください

 

 

 

 

しずかに

しずかに

かならず

無事に終わってくれますように

 

かならず

かならず

無事にこえられて

 

明日

無事に

かならず無事にめざめられて

 

いちにち

かならず

あたえていただけますように

 

 

ただ

祈る夜です

 

 

 

倒れていませんように…

 

祈らせてください

 

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい