山には雪
里には霜が降りてくる
冬
突然のようにくる
熊はまだ飢えてて…この辺りにも…?
起きられない…パパママ…シーちゃん
おねえちゃん
ごめんなさい
ありがとう
ありがとう
生きている…生きている
生きているいま…ありがとう
南無阿弥陀佛
ご飯は神仏のお下がりだねえ…パパママ
お下がりの鍋ふたつ
それでみんなつくる
ここの平和のために
自然のためにと祈ってつくる
ひとつは友からのお下がりで
もうひとつはママのお下がり
どちらも
ぼろぼろ
わたしも
ぼろぼろ
たとえわたしはぼろぼろになっても
仏陀お釈迦さまのようにはならない…
ひと
すべてのひとの
そのこころの苦悩へと近づくため
どこまでも歩いて歩いて歩いて…
その御姿は
ぼろぼろで
金色こんじきに輝いてみえたと…
眠っても
ごめんなさいってなるんだなあ
どっかの禅僧の言葉や
だれかの
どうして?っていう言葉や
みんなわたしに与えていただいた言葉だ…
できるできない
勝ち負けならば
できない
負けてる
いまだけじゃないなあ…わたしの生きるは
ずっと負け
なんにもできない
そのまえに
たたかえもしてこられなくて…
ごめんなさい…
いまきりのいのち
無能にもつなげていただくいのち
ごめんなさい…ありがとう
神仏のお祈りのため
水まわりお掃除お清め
ご飯お鍋で炊いて祈る
お下がりは
その持ち主が使ってくれているなあ
パパ
ママ
友ら
おねえちゃん…
こころ
いっぱい
いっぱいに
あったかくなる
まだ10℃すこしあっても
凍えている…まだ冬仕度?いつもの
もこもこもこもこ着込む冬まかない
その仕度さえまだ…お布団もまだだ
負ける覚悟…
柔道家の言葉がきた
死ぬ覚悟か…って
ありがとう
祈っていた
死のお片付けって
死者と
ひとつ
ってわかること
ものひとつひとつにおしえてもらうんだ
十年つなげてもらって
十年ずっと死者と
愛するお浄土のひとと生きてこられた
そうして
ほとけさまとなっても
けっして
離れていないんだ…って
遠い涅槃に極楽浄土にいるんじゃないって
いまわたしとある
わたしにいる…わたしにすっかりとけている
わたしになってくれたんだなあ…って
生きるいま
このいまも
ずっと
ずっとずっと…わたしになってくんだ
ただ慈悲にすがるばかりで
迷惑ばかりかけて生きてて
おねえちゃん
ごめんなさいばかりになって
もたもたびくびく
ゆっくり手間かけるしかなかった
おねえちゃんのものたちは
たとえ
朽ちて壊れても
ただ申し訳無く泣けた
しのびなくて
何度も何度も
修復や手当てしたんだけれど
危険とわかって捨てるしか無くなれば
しばらく
そこに近づくことも
かなしくなってただ泣けてきたんだ
ごめんなさい…ごめんなさい…って
重量があれば
こつこつ何十日もかかって持てるよう
ちいさい部分部分にして何度も運んで
だれも怪我しないように祈って
丈夫にくるんで始末してあげた
お洋服はわたしずっと
おねえちゃんのお下がりだったから
まだ着られそうなものは修理したり
虫食いや傷みのものでしようの無いものならば
かなしくて…ごめんなさい…って
泣きながら捨ててきた
ごめん…ごめんなさい
捨てるにも
きれいに切って
布ならば使えるところはみんな使ってあげた
捨てるときには見えないようにしてあげた
きれいにきれいに隠して詰めて捨てないと
どうしてか持ってってしまうひといて…
おっかなくてやりきれないのだった
おっかなくて
そっか…ひと
いまひとはこうか…って
そういういまなのかと
どんな業者にも相談だけでも
おっかないおもいするいまだ
おっかないこと
積み重ねられてゆくわたしの生きる
とうとう
ぼろぼろ
こもって
ぎりぎりの
ぼろぼろのわたしの生きるになった
お念仏
向こうから来てくれていた
もっと学びたいおもいもかなえられなくなって
病にも向かえないぼろぼろのわたしに
あたえられていたお念仏
お片付けもの始末の
おねえちゃんの
パパママご先祖さまのおかげとおもわれる
生きてこられた
ありがとう
ママのお洋服は
施設のひとたちに選んでもらえていたら
少しもお役に立てたんだろうなあ…
身寄りの無いひとたちはみんな
職員さんやご近所さんのお下がりで
わたしみんなと仲良くさせてもらったのになあ…
ごめんなさい
おねえちゃん声楽も学んで歌が上手
うつくしい声だったねえ…
ママもわたしも聴きたいねえ…って
お片付けはそんなお話がつなげられるんだなあ…
やっぱり泣くんだけれど
泣いて
泣いて
泣くんだけれど
あったかくなって
わたしになってくれるんだ…
また
かなえられるように
祈っていた
ただ
祈り
ただ
食べて
ただ
眠ってた今日
ごめんなさい
パパ
ママ
友らは
ほとけとなって
わたしとなった
わたしのまことのこころと
ひとつとなってくれたんだ…
もう二度とは悪を為さぬわたしと…
ごめんなさいと
祈る
ありがとう
祈らせてください
祈らせてください
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
吾がほとけ辺りばみたる吾にも成り
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
あがほとけほとりばみたるあにもなり
なむあみだぶつ
なむあみだぶつ
川のほとり
辺りと書くなあっておもってたら
熊の来る道は川の辺りって
ほとりばむって言葉いにしえの言葉
うつくしい言葉
すぐ近くでも
遠いみたいな…
かなしくなって
祈っていた
そしたら…
わたし愚か悪わたしは
佛
近づくことかなえられなくても
あわれまれている
かなしまれている
そうして
ほとけさまはわたしとなってくださるんだなあ…
そう祈って
短歌…
かなしくて
ひと
さみしくて
ひと
いま
いま
ありがとう
ただ
生きていて
ごめんなさい
こわくて
ごめんなさい
ありがとう
ありがとう
無事
祈らせてください
倒れていないように
食べられているように
お水もいっぱい飲んで
転んでいないように…
無事に
無事にいてください
夜
こえて
かならず無事にこえられて
かならず無事に目覚められるように
かならず
かならず
無事にいてください
無事
祈らせてください
ありがとう
おやすみなさい