山眠るは
冬の季語という
眠れない山だ…熊も
十一月というのに
猛烈に荒れ狂う風雨祈ってる夜
おっかないおっかない雨が降る
雷轟く夜
世界中が喘いでいるんだなあ
無事に…どこも
里迷う熊たちも
どこもだれも
しずかに…
毎年全国でほぼ一万頭
殺処分されるという熊
熊を鹿を野生に守って
山で生きてもらえないものにしてしまったわたしたち
わたしもまだ
にんげん…って
ごめんなさい…って
祈ってた
手を合わせている夜
ただお線香たいている夜
がたがた震えきて寒くて寒くて
ごめん…ごめんなさいって起きられず
お布団まだ冬仕度が終えられてなくて…
暖取って着込むお下がりのものたちは
みんなプラスチックだなあ…ごめんなさい
自然が壊されるのも
にんげんが生きた果て
生きているいまのゆえ
ごめんなさい
衰退の一途の地方
それぞれの地域だけでは
どうにもしようの無い熊
どうにもしようないいま
熊はすぐそこで…おっかなくて
ごめん…ごめん…って
かなしくて
熊痩せてしまって飢えているのに
眠れないだろうなあ…ごめんなさい
おねえちゃんのおかげで
のうのうと食べ過ぎてて
ふとっているわたしは悪だなあ…ごめんなさい
飢えて
眠れ…と
いうことが
無理なんだ…
シーちゃんに独り言
これ
独り言じゃないんだなあ…っておもう
ママとふたりここにいさせてもらって
ありがとうって泣けてきたら
ほんとうそうおもわれた
まだお仏壇は納められずにここにある
それを決めるのはおねえちゃん弟だ…
お仏壇は
お浄土への扉
でもどこもみんな
どこももうぜんぶ
お浄土との扉となってくれたんだ…って
ありがとうって泣いた
わたしが佛に
佛がわたしに
そのようにしていただくお念仏だ
パパママ
ごめんなさいしか無くなったよ
おねえちゃん
ごめんなさい…ただ食べて生きてるよ
ごめんごめんばかりの
お祈りだよ…ばかだ
祈らせてもらってる
ありがとう伝えているよ…
独り言は
見えないものと語ること
見えないものと
生きているなあ
そうか…
歴代ぬいぐるみも猫も
みんなそうだったのか
いつからか
わたしの話し相手ならば
わたしの言葉の向かう先は
死んだものたちだ…
生きていないものたちに伝えてたんだ
そうして
生きてこられたんだ
ずっと
ずうっと…
ありがとう
うまく生きられなくて…ごめん
おねえちゃん
ごめんなさい
南無釈迦牟尼佛
南無阿弥陀佛
すべて佛に祈る
お念仏がやってきてくれたのは
お浄土にはゆけないわたしと
いよいよむなしく
いよいよ無力無能
それきりの
いまきりのわたしに
きてくれた
生きていないようなわたしと
生きてならないわたしなのかと
闇
無明
いよいよ暗くなった
そのときだ
昨日より
今日
もっと暗い闇きたとしても
生きてこられた
いま
生きて
ある
いま
ある
ありがとう
生きていますと
お仏壇のまえに
ただ座った
とても寒くて
眼も開かない日がつなげられている
ごめんなさいと座っている夜
有り難いいま
こころにすむひとと
語る
ともに祈る
いま
たのしみ
いっさい消えてしまった…?
ママの古着物をちょっぴり解いた
ありがとうってそろりそろりと解いた
明日
無いとしても
ママといるよ…ありがとうって解いた
泣いても
いっしょ…
こわいよ…こわいよ…ってなって
震えて
布団の中でただお念仏しているいまも…
無縁
孤独
生きていてくれるものたちとは
無縁のようにおもわれてくる
絶望と
終わらない恐怖きても
愚か悪の闇に眠れないまま
夜通し祈っていても…
いっしょだ
ありがとう
ただ
我が悪
我独り悪わびている
震えてわびるばかり
それでも
死んだものたちは
ずっといっしょなんだ
わたしにいて
わたしになって
生きていてくれるんだ…
生きてこられたんだ…
ありがとう
ごめんなさい
昨日は短歌も
なんのために?ってむなしくなった
一首おもいついてあったのに…
今夜は二首
明日無いかもは
いつだってそうなんだった
ために
であふれるいま
なにかのために
だれかのために
世のため人のために
ために…ために…ために…
ためにが
先ならば
そのすべてためには
悪
ただ
自分のためなんだ
御恩と言って
そんなためにで
むなしさやかなしみ埋めよう
なんて
むなしいのはあたりまえだなあ…
パパママ
ごめんなさい
おねえちゃん
ごめんなさい
なんにもかなえられない
ひきこもりのがんじがらめ…
ごめんなさい
なんにもならないわたし
生きていてごめんなさいは
あたりまえだ
わたしの祈り
その
向かう先
願うならば
わたしに生きてくれる死んだものたちの
祈りと
そのまことと
つなげられるように
愚かわたしを
かなしんでくださる
あわれんでくださるすべて祈りと
つなげられるように
明日は檜
いにしえより残る言葉
夢ならば
かなわないから夢って
そう言っていた奈良美智さん
いつかの詩に
この世が終わるときに
僕が祈るとするならば
君の願いがかなうように…
っていうような詩
あったとおもうんだけれど…
平和
祈るひと
祈りは
つなげられている
つなげられてゆく
闇
どこまでも
闇
むなしい
無智無明
かなしいわたしだ
なんにもかなえられ無いわたし
迷惑かけるばかりの
無意味なわたしにも
祈らせてください
祈らせてください
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
寄くべき闇明くる闇点す香
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
あづくべきやみあくるやみともすかう
なむあみだぶつ
なむあみだぶつ
闇に身をあづけたとしても
闇が明けるもまた闇だとしても
お香を点してくださるひとならば
このわたしのうちにいてくださるのだなあ
なむあみだぶつ なむあみだぶつ
闇眠れ明日は檜と山眠れ
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
やみねむれあすはひのきとやまねむれ
なむあみだぶつ
なむあみだぶつ
闇のままで眠ってしまおう
明日は檜となれと朽ちてゆく山の木も夢見るように
山がいのちが眠れるように祈って眠ってしまおう
なむあみだぶつ なむあみだぶつ
無事に
無事に
祈ります
夜こえて
かならず無事にこえられて
明日かならず無事に
いちにちつなげられるように
いのち
生きていないものも生きてくれている
このわたしたちのいのち
生きているすべてのいのち
平和に
無事に
つなげられるように
祈らせてください
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい