シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

世の中

中村哲さんの伯父様

火野葦平

プロパガンダのために

書いて

 

敗戦後に

自決した

 

書くしか無かったか

書かず

抵抗する道は無かったか

 

どちらとも

わからない

戦争を知らないということ

 

いったい

これまで

なにをおもい

なにを信ずる自分であったのかさえ

わからなくなって

無力ただ悪となって

 

孤独

きた

 

孤絶に

隔絶され

どこにもゆけなくなった

 

肉体の病にも

なにひとつにも

向き合うことも

かなえられない

無力になったけれども…無力は

ずっと無力だったんだなあ

わたしとは

まったく無力

ここまで

あちらから

やってきてくれたものだ

ひとつひとつ

ただ

つなげていただくわたしであったんだ…

 

それだけは

わかったんだ

 

折口信夫

童話や詩や短歌にも

戦争に否を込めて書いた

幼きちいさいものたちへのものならば

検閲も

すこし

ゆるい?

 

しずかに

すり抜けては

書きつづけたという

すり抜けられたのは?

 

幼く

ちいさいひとたちは

戦争しないから?

ただ

殺されるきりだから?

 

むごいけれども

時代の

世の中の

現実は

いつも

そうだ

 

自決

という

その言葉は

中村哲さんがつかっていた言葉だ

 

 

先人たちの

のこしたもの

文学も絵画も

いまや

AIの時代になって

AIはもう

文学にもつかわれていて

その是非はわからないけど

自己申告は必要とかいういまで…

 

もう生きていないひとたちの言葉

なにか宝石みたい…いや宝か

宝といえど

石くれのままだ

それでも

光るものだ

 

これからの

わたしたちは

けっして持ちえないだろう

たとえ

またこの国が

戦争したとしても

 

そうならば

なおのこと

 

二度とは

あってならないのだと

おしえてくれるんだなあ

 

 

ちいさい古い本

歌人たちの短歌

戦争の短歌も

今日は

手を合わせ

有り難いと

すこし読んだ

 

あの戦争…わたしは

知らない戦争

アジア太平洋戦争

それ以前の戦争も

知らないけれども

ただひとつわかる

 

戦争とはなにか

 

にんげん

殺すんだ…それはわかった

 

肉体も

精神も

一切

殺すんだ…

 

 

いま

無力

ほんとうに無力

ごめんなさい…

生きてるきり

ごめんなさい…

 

地震恐怖は

31年まえの今日からだなあ…と

ごめんなさいと申し訳無く

黙祷した

しばらく

じっと

手を合わせていた

 

南無阿弥陀

南無阿弥陀

南無阿弥陀

 

お念仏と生きていよう

 

いちにち

ただ食べて

ただ生きるも

生きるということ

 

自分に

言った

 

お念仏と

また野菜と豆の仕度した

 

いま

無力

生きるのほかに

なにかなえられるかなあ

 

灯油の臭いで

きもちわるくなるばかりか

地震の恐怖が積み重なってゆくばかり

古い灯油

古くしてしまったのは

わたしじゃないか…と

ごめんなさいと手を合わせた

 

ウクライナでは

ロシアの執拗な攻撃に

インフラ施設が破壊されて

零下の真冬に

暖房もないと…

自分の愚か悪に

泣けた

 

なんという贅沢な

ただ愚かな恐怖だろう

 

暖房無しに

たえていたのも

恐怖のゆえ

 

ごめんなさい…ごめんなさい…

 

処分を

ひとに

業者に依頼したならば

かかる費用だけでなく

ひとに会わなくてならないばかりか

またおっかないおもいするかもしれない

なによりまた環境も汚染するんだ

寒さはこらえられるんだけれども…

オイルヒーターつけてるじゃないかと

灯油ヒーターに点火した

どきどき

恐怖きた

 

ひっついていた

 

くらくらきても

すぐに消せるようにしていた

 

無くしてやるのも

わたしの為すべきことだねえ…パパ

この大きなヒーターは

とっくに耐用年数過ぎてしまって

自分でクリーニングしてオイルさして

おねえちゃんに

叱られたヒーターだ…

また泣けた

ばかだ

 

阪神淡路の

あの日

戦火のごとくの

あの日

ただ

手を合わせた

 

能登半島地震

痛ましいニュースは

まったく画像映像は見ていなかったけど

幼子のストーブの火傷のニュース…

すべて

みんな

積み重なってしまって

 

ただ

こわくて…

 

孤独

 

恐怖

 

愚か悪わたし

この孤独は

わたしの報い

 

因果応報

そのまま

いま

 

先人たちの短歌に

うたわれている多くは

おのれの

孤独と

悪と

こらえて

 

こらえて

生きていたにんげんたちの

独り言や

叫びや…

 

平和への

ねがいで

祈りで

 

恥じた

 

いままで

時代を

その背景を

こんなにもおもわずにいた自分

恥じた

 

ただ恐怖と

愚か悪と

わたしは生きてしまったんだ…

恥じて

わびた

 

 

この国の

いま

世界の

いま

悪わたしも

にんげんで

 

わたしの

つなげたいまだ…

 

 

お仏壇のまえには

坐れないよ…パパママごめんなさい

灯油が古いまま

寒さをこらえてきたよ

ほんとうにばかだよ…

 

灯油ヒーターのまえ

坐って

手を合わせていた

 

合わせた十指ぜんぶ

あかく

あかく…血が溜まっていた

あかい水玉みたいに

あちこち破れていて

生きてる

生きてるな…わたし

ありがとうと

真っ赤な手を指を

見てやって

手を合わせた

 

生きている

ここで

いま

生きて

有り難い

いま

 

生きているんだ…

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

 世の中が急に自分のまはりから

 離れたやうに思はれるとき

           西村陽吉 

 

 靴下の破れ目かがる事務机

 独り言きけばトカトントン

 トカトントン

           大野誠

 

 

ふたつ

孤独の

短歌

 

戦争を

知らずには

うたわれないだろう

 

 

平和

祈る夜

 

 

かならず

かならず

にんげんは

かならず

平和

かなえられる

 

信ずる

 

祈る

 

 

 

今夜

しずかに

 

おだやかに

 

生きて

無事に

 

倒れていないこと

食べられて

やすめて

生きて

 

転ばないように

火も気をつけて

 

かならず

かならず

無事にいてください

 

祈るきり

いまきり

無力

ゆるしてください

 

ごめんなさい

 

ごめんなさい

 

 

ごめんなさい

 

 

生きています

 

有り難いいま

祈るいまです

 

ありがとう

 

ありがとう

 

 

ありがとう

 

 

おやすみなさい