整理整頓
掃除
挨拶も…姿勢も…
パパがママが
飽きず
まいにち…まいにち…
くりかえし言いつづけてくれたこと
おはよう!って
姿勢!って
パパはほんとうに飽きずに…しつこく?
欠かさずつなげてくれたことだ
ありがとう
いま
無力のわたしの
ただひとつの役
お片付けなのに
パパにも
ママにも
おねえちゃんにも頼まれた
お家のもの始末とお片付けなのに…って
まいにちごめんなさいしてるんだ…
ごめんなさい
わたしは暇人で無力無能というきりで
まったく適していないんだ…パパ
それだけはわかった
もの始末のわたしだ
おばあちゃんがしてたみたいなこと
ばっかりしてきたんだ
もの
ひとつも
きっちり
使い尽くすようになったばかりか…
ママのものならば靴下さえ繕って
ずっと履きつづけてるんだ…
おねえちゃんのものたちは
かなしいことに
ねずみや虫や
気温や芳香や
朽ちるが早く…それらも
すぐには始末できなくて
いったい何度洗ったり磨いたりしたか
ばかだ…ばかだけど…
捨てなくては…となるにかかった
途方もない時間も
そんな工程にも
きっと
救われてきたんだろう
ありがとう
ごめんなさい
ゆっくり
しずかに
ここに家族が
平和に幸福に
ときにはみんなでぎくしゃくしたりして
よわいわたしは迷惑心配いっぱいかけて
そうして
ひとり
ひとり
みんな一所懸命に生きていた
大量のものたちは
その道の果てで
ここには
みんなの
夢
希望
たしかに
あった証で…
それら
途中の道にも
困難は
それぞれに
突然に
降りかかってきたんだ…
お片付けをするのも
おねえちゃんのおかげ
パパママのおかげ
他力
一切他力
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
ただ
お念仏して
懺悔している
かなえられなくなって…ごめんなさい
生きていること申し訳無くなった
うつくしく
すべて終えられたよ…という
たより
よいたより…それを
よすがに
そうして
生きてたんだな…わたし
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
よわって
よわいわたし
ますます
よわって
ごめんなさい
生きています…生きて
いま
ありがとうと
こころにきりごめん…って
精一杯
ありがとうを
伝えている…
ごめんなさいする
ありがとうする
夜
わたしの
いしずえ
ここ
ここに
生まれたこと
ここに生まれて
わたしになった
生きてきた
生きてこられた…
罰当たりは
お寺もゆけなくなって
それでも
阿弥陀さまに
つなげていただくこと
かなえられた
ありがとう…
ごめんなさい
パパが
死の近くにも
平和を語ってくれたのに
そんな初めて聞くことの多くは
惨たらしくて
その語り口は
迫真していた
ええっ…?
と
なった
パパは
戦争には行っていないのに…と
知らないようにして生きていたのに?
そうは
言えなかったけれども…
話ぜんぶ必死になって聞いたけど
くるしかったんだよパパ
どうして
パパはいま
わたしにだけ?戦争を語るんだ…って
こわかったんだ
いま
おもえば
わたししか
忙しくないひといなくて
わたししか
パパの話は
聞いてやれなかったんだなあ…ごめん
でも話してもらって
また本が読めたんだった
パパから
知らない戦争を聞いてから
持っていて
何度となく読んだはずの本
なんにも
しっかり
とらえられていなかった自分
恥じて
また
読み返し始めたあの時
まだ本が読み進められるわたしだった
ありがとうしてた
いま
ごめんなさいしてた
夜と霧
黒い雨
憲法の本も
戦争の本も
先人たちの短歌の本
それから陸羯南も
中村哲さんの本も…たくさん読み返した
ママといっしょにいさせてもらいながら
ずっと
平和祈って
読み返していられた
ありがとうしている夜だ
歴史抜きには
書かれること無い書物たち
歴史認識と
ひとくちに言っても
学校で勉強したきりでは
戦争は
自分事とは
伝わること
無いんだろうなあ
これからは
ますます戦争が
どこか
遠くのものとなるだろうなあ…
現に
世界中
こんなにも紛争があったとしてもだ…
語るひと
いなくても
知らないではおれないこと
あるなあ…パパ
パパに
お仏壇のまえ坐って
ありがとうしたけど
祈るしか無いわたし
ごめんなさいと
うなだれた
ごめんなさい…
いま
世界中が争い
ひとと
ひとは
傷つけ合って…いのち奪い合ういま
戦争に殺されるとは
国に
殺されること
自分の国に
殺されること
パパが
教えてくれたことだ…
いのち
ひとつ
平和
祈る
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
夜
しずかに
無事に
生きていて
生きてさえいれば
自分の
おもい
しずかに
たどれる
見つめてやれる
しずかに
ゆっくり
平和
おもうこと
かなえられる
ありがとう
平和
幸福の
いしずえ
平和
祈る夜です
無事
祈ります
倒れないで
眠れて
やすめますように
転ばないように
怪我も気をつけて
火の元にも
気をつけて
無事に
かならず
かならず
無事にいてください
祈らせてください
祈るきり
ごめんなさい
ごめんなさい
よわって
ごめんなさい
ありがとう
ありがとう
ありがとう
おやすみなさい