警察官が?
探してくれてる?
お骨か
遺品か
なんらかの手がかりか
まだ見つけてもらえていないひとたちの
生きていた記憶につながれているなにか
あらゆるもの目をこらして
探しつづけてくれている…
東日本大震災
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
罰当たりとは
こうだなあ…と
手を合わせた
悪の極みは
まだ
いまからか…と
生きている有り難いおもいにも
動けないわたしのよわさにも
また
あたえられたいちにちに
ありがとうと
生きていますとなる
生きてるのがわたしでごめんなさい…
くりかえしくるおもいと
手を合わせているきりになった朝
お経のおとなえさえ
してならないわたしと
懺悔していた朝
手を合わせていた
手を合わせていた
南無阿弥陀佛
ただ手を合わせていた
風邪とわかっていても
寝ておれないんだなあ
生きて起きられたありがとうきてくれて
横になっている恐怖も
わきあがるから…
起きて
食べて
生きて
お念仏と
ありがとうつなぐ
いま
だれひとりとも
語ることさえかなわない
伝えることもかなわない独り孤絶のいま
絶望と同等の
有り難いおもいなら
いつだってあるんだな…シーちゃん
独り言に
自分を励まして
お念仏に守られて
生きているいまだ
さあ!起きようねえ…パパママ
ありがとうと食べて
ただ生きていよう
ありがとう…おねえちゃん…生きてるよ
今日も生きて起きられたよ
発されるわたしの言葉
すべて
独り言
孤絶とは
悪の極み
南無阿弥陀佛
お念仏
こころの内に祈りとつなぐ
まいにちのお清めは
水まわり
それから
掃き清め
朝はまだ氷点下
冷え切ったお家の空気
ほんの少しもと紙やら整理しても
かなしみか
さみしさか
くるしくてならなくなった
有り難いおもいとあるわたしであるのに
それら息詰まる息止まるおもいとも
ずっといっしょにいるんだ
ごめんなさい
すべてひと
救うと
ひとり残らず救うと
誓われて
成就して
かなえられた誓願
信ずる
祈る
阿弥陀さま
誓願成就は
つよさのゆえですか…
阿弥陀さま
だれよりも
よわいひとらのことを
おもってくださった
よわいわたしも
救われてゆくいま
ただ生きているきりも有り難いいま
ちょっぴりでよいから…つよく…
勇気か
つよさか
一歩を動きだせるもの
また
あたえていただけますか…
阿弥陀さまに
独り言した
だれかに
阿弥陀さまに
聞いてみたいなあ…ママ
手を合わせていたら…
泣いた
阿弥陀さまに
つなげてくださったのは
道元さまだと
心底そうおもわれるんだ
パパママおねえちゃんのおかげであるし
ご先祖さまあってのことであり
そうして
もうゆけなくなった菩提寺の
和尚さまたちのおかげでもあるなあ
あのとき
わたしが紛れ込んでなかったならば
平和な大般若会であったんだろうに
ごめんなさい
道元さまにも
ごめんなさいしているけど
道元さまの遺偈のおかげで
罰当たりは地獄へゆくけど
地獄には…
道元さまおられる?
祈り足らなくて
わたしは地獄へ落ちるだろう
まいにち
まいにち
ほんとう罰当たりなことおもうんだ
道元さま
阿弥陀さまにも
祈って死んでいっただろうな…と
それは
法然さまに学んでくれたおにいさまの
おかげだと
有り難い佛の縁で
有り難い生死だと
地獄へとゆけば…俺ならば
ひとり残らず救ってやろうと?
想像してるのも愚か悪だ
罰当たりだ
佛の縁に
生きている
ただ生きているきりも
有り難いいま
佛の縁あると
手を合わせた
こんなに
よわって
死なず生きてこられた
こんな罰当たりとなって
自分に死ねと言わず
だれかを死ねとおもわず
無事にいて…生きていて…と祈って
生きてこられた
どこにもゆけなくなって
ひきこもりの恐怖つのり
ぼろぼろになって
一歩も
ただ一歩もこわくても
生きてこられた
阿弥陀さまは
こんな
罰当たりのひとり
徳無き愚か悪のひとり
そのすべて
ひとり残らず
お救いくださる
南無阿弥陀佛
菩提寺の和尚さまたち
救われてあるようにと祈る
お寺ゆけなくなったことわびる
わびるお念仏ともなってくれた
有り難いお念仏
お坊様になるのはたいへんだろうに
お坊様になってくれた有り難いひとたち
わたしなんかが祈って
ごめんなさい
お墓にだけでもゆけたらな…と
泣けてしまう
わたしが死んだら
動物たちの隣の共同のところに…って
きっといまからおねえちゃんに弟に
お願いしとかなくちゃいけないんだろう
こわくて字も書けなくて
なんにも読めない
こわくて…
ごめんなさい
生きていてください
いましあわせに
平和に
祈る
東日本大震災
手を合わせていて
ああ…みんなお浄土
みんないっしょ
みんないっしょにいてくれるとなった
みんなわたしとなってくれている
いま
有り難い
いま
手を合わせた
平和
祈るいちにち
祈らせてください
祈るを
ゆるしてください
戦争が終わりますように
世界が平和になりますように
祈るきり
ゆるしてください
寒い寒い三月
冷えたお家にいて
古灯油も焚いてやらなくちゃ…なのに
こわくて
始末おもうも
身動きできない
なにもかも行き詰まる悪
いっぱい食べてしまう悪
ごめんなさい
生きていること
ゆるしてください
いま
無事に
祈るきり
ゆるしてください
無事
祈らせてください
倒れていませんように
転んだりしませんように
怪我していませんように
火の用心して
かならず気をつけて
かならず
かならず
無事にいてください
いまきりの悪
生きています
生きていてください
祈るきり
ごめんなさい
ごめんなさい
ごめんなさい
ありがとう
ありがとう
ありがとう
おやすみなさい