シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

ひとりぽっちにしてごめんね

病院の帰り道

泣いた

向かうときも

 

もう

泣きそうになりながら

歩いていた

 

CTの結果を聞き

 

眠ってない

ぼーっとした頭が

 

ゆっくり

涙腺をゆるめた

 

 

ママを

病院に連れて行ったのはわたしだ…

 

もう一度

お家に連れて帰る

はやく…

まにあううちに

 

まにあうんだろうか?

 

ママ

ひとりぽっちにして

ごめん

 

空っぽのベッド

ベビーピンクのシーツ

ママが

いない

 

子どもみたいに

泣きじゃくった

声をあげて

泣いた

 

ママがいたら

泣けなかったんだ

こっそり

ポタンと

涙が落ちるくらいしか

 

 

なにもかも

かなしい

なにもかも

むなしい

もしも

 

病院で亡くなってしまったら

 

ママは

ひとりぽっち

わたしも

ひとりぽっち

 

結果は

大腸がん

肺にパラパラと転移していて

明日は脳のCT

おそらく

 

脳にも転移しているだろう

って

 

脳は

司令塔だから

これからはとても苦しくなる

 

栄養を止めて

お水と痛みを和らげる麻薬と

 

苦しくないように

痛くないように

 

 

先生の前でも

泣いてしまって

申し訳ないから

号泣はこらえて

 

笑い泣きになった

 

 

ママのいないお家に

ひとり

 

さっきから

ずっと

泣いている

 

やること

いっぱいなのに

 

ママのもの

たくさん洗って

きれいにして待っているんだから

 

 

代わってあげたい

何にも苦しくない体になってもらい

何でも考えられる頭になってもらい

 

人生の最後に

ママのしたいことを

させてあげたいよ

ママ

 

ひとりぽっちにして

ごめんね

 

 

ひとりぽっちだ

 

これから

本当に

ひとりぽっちになるんだ

 

ママ

さみしいね

 

明日の朝

早起きして

いろいろやろう

 

どうか

まだママを連れていかないで

 

神さま

 

神さま

 

 

代わってあげたい…

 

 

ベッドに敷いている

ひつじさんだけ洗います

 

ママが

 

眠っていますように…

 

ありがとう

 

また

明日