シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

なんにもいらない

おしまいには

誰も

 

なんにも

いらなくなる

って

 

知ってる

 

パパも

ママ

さえも…

 

はっきりと

 

なんにもいらなくなった

 

そう

わたしに

言った

そうして

 

 

片付けて…

 

すまなそうに

すがるように

言った

 

 

生きてるひと

天国のひと…

 

人間の

お片付けは

 

すべて

死の

お片付け

なのだなあ…

 

 

永遠

ないんだなあ…

シーちゃん

 

少なくとも

もの

には…

 

 

すごく

 

すごく

もう

ものすごく

つらくなったら

 

ひらこう

 

読もう

見よう

 

そう

おもっては

 

ひらかず

読まず

 

たいせつに

しっかりと

きれいな風呂敷に

つつんでおいた本

 

いつのまにか

 

ああ…

きれいになった

よかった

って

 

きもちが

 

こころが

すっきりとして

 

きよらかになった

 

そう

おもえたら

 

勇気!

あたえられて

 

ありがとう

って

 

あかるいところへ

歩きだせる

そんな

こころもち

したときには…

 

見よう…

 

読もう

 

 

変わった

 

 

自己同一性?

なんてものも

ないなあ…

 

少なくとも

 

わたしには…

 

 

夜は

雨になった

 

手で

洗って

いつもみたいに

お洗濯したんだけど…

 

手で

しぼってたら

 

へろへろになって…

 

いつにもまして

ぐずぐず…

なんだけど

 

洗い終わったら

 

 

雨になって…

 

 

ちょっぴり

しんみりした

 

 

捨てる?

迷っていた

ひとつ

 

もう一度

石鹸水に

浸けた

 

ママが

使っていたバスタオルだ…

 

姉上さまの字で

名前が書いてある

 

 

きれいにして

 

たっぷり芳香の

洗剤を

その

残り香を

 

石鹸の

匂いにしてあげよう

って

 

そして

ちくちく縫って

 

お仏壇の

まわりで

使ってあげよう…

 

 

ありがとう

 

 

 

泣いてるみたいな

夜の

雨だ…

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

祈ろう…

 

 

祈ってね…

 

 

 

ありがとう

 

 

 

遠くで

雷鳴…

 

 

無事に

 

無事に

 

 

かならず

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい