シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

せつなさは

いきぐるしい…

 

うごいてもないのに

 

つまる

 

 

 

陽気

 

隠れたもの

ひきだすのかなあ…

 

救急車

サイレン

 

きこえて

 

せつない

 

せつない

シーちゃん

 

 

 

助けてもらって…

 

助けてあげて…

 

 

助けてあげて…

 

 

祈ってた

 

 

古屋は

黴のお家

でもある

 

パパのお部屋を

お片付け

いちにち

できると

 

いちにち

たおれる…

 

 

胞子

 

目に

みえない胞子

 

吸って

 

生きてる

 

下等植物

なんて…

 

こんなに

果てしなく

 

永遠みたい

つよいのに

 

 

 

冷蔵庫

ずっと

ママの冷蔵庫

つかいつづけてるけど

 

すごい

 

吸って

 

 

食べて…

 

飲んで

 

 

浴びて

 

生きてるのかあ

 

 

いちにち

 

黴部屋

そして

雨漏りもした仏間

座って

祈る

 

 

天井裏は?

 

どうなった

 

なんて

 

けっして

おもったらいけないのだ…

 

 

すててゆく

というのに

 

たいへんに

ふさわしい

おもう

 

 

草庵

 

古寺

 

 

雨漏りしたのならば

しておらぬところで

眠ればよいではないか

 

なにで

読んだかなあ?

 

 

 

ここは

 

パパと

ママと

 

わたしたち

きょうだい三人の

お家

 

もとは

 

おじいちゃんが

おばあちゃんと

夢いだいて

 

うつりきた

新天地

 

 

もっと

 

もっと

たくさん

昔の話を

きいていたらなあ…

 

 

ありがとう

 

ごめんなさい

 

仏間に

祈り

つなぐ

 

 

 

せつな

より

 

せつない

という

言葉は

うまれ

 

いま

しか

たしかなもの

無い

 

そう

わかる

ひとが

 

せつな

 

せつなさ

 

そこへと

かえる

 

すてる

ということ

 

 

そうして

 

 

 

 

電気代の

おおくを占める

ひとりには

大きな冷蔵庫

黴の棲家の冷蔵庫

 

くりかえし

消毒して使う

 

 

ガスコンロは

もっと

ものすごかったっけなあ

 

ちまちま

数日かけ

焼きついた汚れを削って

 

いまだに

使ってる

 

グリルは

こわくて

使えない

 

 

 

ネズミが

こわくて

 

お肉

お魚

まったく

買えなくなって…

 

お魚缶詰めさえ

開けたら

どきどき…

 

ほぼ

食べなくなった

 

よいことだなあ

きっと

 

これも

 

すててゆく

ということだなあ

 

そう

おもった

 

 

 

せつなさは

 

いま

あること

 

いま

あること

 

ありがとうだなあ…

 

 

ありがとう

祈る

 

 

倒れていませんように…

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい