フジコ
天国のフジコおもう
天国の
神さまのピアノは
きっと
まっしろ
まっしろのピアノだ
フジコ・ヘミング聴く
聴くことできた…
ありがとう
いつから聴けなくなってたかなあ?
シーちゃん
ぶっ壊れた鐘があったっていいじゃない
とか
威勢よいフジコ
おもった
猫が天国へゆくと
かなしみに
止めていた煙草をまた吸って
猫が死んじゃった…
って
肩をすくめてみせてるフジコ
会ったことないのに…
どこかで出会ってて
いまは
ずっと遠くだけど
いつもおもっていて
おもってくれてるひとみたいで
また
いつか
会えたみたいに聴く
ありがとう
奇蹟
みたいに
できたこと
おもってた
偶然
なんて
自力
なんて
なんにも
いっこもないなあとおもえた
自分だけで
得たものも…
すべて
そなえていただいたもの
ありがたく
つながってくれたんだなあ
って
それにしても…
判断くるってた自分がおっかなかった
まだ生きている幸運おもってた
あの
階下にひとり降ろした巨大ブラウン管テレビ…
あれって
テレビの下敷きになって落下して…
という結末が当然のことで
そんななってしまってたら
警察が介入してたなあって…
あまりの無謀
判断力の欠如
いまに
はじまってなかった…
とっくに壊れてた…
って
深呼吸した
ありがとうって
パパにお祈りしてた
パパが助けてくれたんだなあ…
ありがとう
昨夜
やっぱり真夜中めざめて
ありがとう…
って祈ってから
本
すこし
フジコの本を読んだ
茹でた白いパスタだけで
ほかには野菜も肉もなんにもないのに
アパートの隣人が
フジコの窮状をみかねて
食事に誘ってくれたこと
砂糖水だけで一週間しのいだこと
役所が貧しいひとにお金をくれるらしいと
電話をかけたけど
恥ずかしくなって
話もできず電話切ったこと…
自分は強くない
って
弱いからって
だから
弱いものに手をさしのべるの
って…
わたし
なんて
さもしい
さもしいこころなんだ…
と
恥じた
泣けてしまったけど
おもいきり
泣いた
お肉もお魚も食べないフジコ
じゃがいものお味噌汁を毎日
って知ってたけど
あとは
おせんべい大好きって…
あとなにを食べていたの?
ふらふらもやもや頭
なんにもできそうにないこころ
でも
昨日のごま和えの残りを食べたら
ちからあたえてもらった気がした
そうだ…
すり鉢愛ある…って
ママからのさずかりものだ
と
残ってた大豆の煮たのをよくすって
そこにオイルときな粉とオートミール混ぜて
南部の郷土菓子?
名前も知らないんだけど…
ずんだを小判形にかためた?みたいなお菓子
おもって
へんてこ想像実験
ちょっぴり作って
ちょっぴり食べた
料理男子の弟にも
ママのすり鉢愛は
さずけられていたなあ…
って
弟の鰯のつみれ鍋
ご馳走になったこと
あのときの
笑顔のわたしたち
こころに
消えず
いてくれてるなあ…
って
また
泣けた
フジコ
こちらを
Parisみたいって…
アップルパイおいしいって…
どこの食べたの?
食べたいなあ…っておもった
アップルパイ
大好き
なのに
もう食べない
わたしさえいなかったら…
わたしさえいなかったら
こんなことおきなかった
という
わたしさえ
などというのは
精神まったく尋常ではなく
flatな状態でない精神の仕業
ただ
さもしい
さもしい
我
に
そこに襲う
魔
に
とらわれているのだなあ…
とらわれていたのだなあ
と
わかった
ごめんなさい…
祈り
むなしくしたのは自分
自分で
恥じていたのだろう
お経が
おそろしくなったんだ…
われひとり悪
邪に祈り
なにか得ようとは
つなげられなかったことだけは
救い
やはり
そなえていただいて
いま
ある
と祈る
ありがとう
と
フジコ・ヘミング聴いた
祈りと
聴いた
ありがとう…
悪である自分ならば
それでも
そなえていただいているならば
善
よく
わかっている…
善
つなげていただいて
いま
ある
ありがとうって
フジコと
祈った
ありがとう
得た
と
おもいちがいしてしまったら
ひとのこころは
精神は
高揚してしまう
波立ってしまう
そのようなときに
魔
悪魔
もっとも
おそろしい魔
やってきてしまうという…
修行
仕事
すべて
あまりに荷重に過酷に
自分を追い込んでしまったら
尋常でない精神
魔
に
のまれてしまうんだろうなあ…
と
籠山行の途中の病死の記載を
おもいかえしていた
ひとは
そのような魔にでも
陥らなかったら
自ら…
とは
なれぬ
ならない
いのちだ…
そのように
そなえていただいているのだ
と
フジコが
パパママが
お祖師さまがた
お釈迦さま
おしえてくれてるなあ
って
ごめんなさい
ありがとう
と
お仏壇のまえに座って
泣いた
事故のような
わかっていない
おしまいに
天国へお浄土へと迎えられ
旅立った
友
友…
おもう…
もう数えきれないほど
いつも
そこを
ゆきつもどりつ
おもっているなあ
フジコ聴いていたら
あの
友の
笑顔
浮かんで…
おしまいの笑顔
浮かんでくれた
あの
やさしさ
つよさだ…
っておもえた
ごめんなさい
ありがとう
さけられぬ
あまりにも
かなしいけれど
そう
そなえられた
道
あるとするならば
ママが言ってくれたような
天国に
お浄土に
迎えられるべき
よきひと
あちらに
よき仕事
うまれながらに
そなわったひとなんだ…
と
おもえた
お祈りした
わたし
いつまで
さもしい
いつまで
おろか
恥じる
ごめんなさい…
なんにも
ひとつも
無駄したらいけないなあ
って
お野菜どんどん
大好きな漬物にしてゆく
塩は
貴重なものとおもって使う
ぜんぜん高価なお塩じゃないけど…
レシピも調べなくてすぐに実験する
しょっぱいごっつお??
どっかでみた…
忘れられなくて
塩鮭の代わりに
びりびりしょっぱい塩ますひと切れ
刻んで酢に麹と漬け込んでおいた
いちょうに切ったかわいい大根と
ちっちゃく切った真っ赤なパプリカ
麹と塩で漬けて
水が上がったら
大好きな切り干し大根を切って混ぜて
塩ますの酢漬けと
赤パプリカ散る白いいちょう大根と
あわせて混ぜてまた重ししておいた
仕上げには
りんご酢すこし
しょっぱくない
けど
ごっつお漬け?になった
道元さま
権力をきらって
山へこもり寺をひらいたとき
越後のひと
越後のお米で
ずうっとささえてくれたって
ちからのあるおひとだろうに…
友のように
家族のように
慕いつつ
つながっていたって…
よわくて
つよくて
ひと
いま
お釈迦さまのみおしえ
わたしに
ここにも
あるのは
たくさんの
たくさんの
お名前も知らないお坊様がた
そうして
その死
尊く
ありがたく
つながってくれたおかげ
なんにもできないわたしで
ごめんなさい
ぐにゃぐにゃ
よわっちくて
さもしいこころにも
おしえてくださって
いつも
いつまでも
おしえてくださって…
ありがとう
と
祈る
ありもの
つかって
わたしの文机にしようと
ママのお部屋の物入れをお掃除してた
悪
われひとり悪
さもしいこころ
しっかり…
しっかり…と念じていた
どこまでも
恥じて
懺悔してゆくんだよ
祈るんだよ…
ちゃんと
ごめんなさい
ありがとう
つたえてゆくんだよ…
ありがとう
ごめんなさい…
ゆっくり
自分と
いられる空白
余白
あるとよいなあ…と
祈っています
音楽
しみてきてくれた午後
お掃除とお料理と
フジコと
祈りと…
夜
祈る夜に
なりますように…
ありがとう
無事
いちにち終わりますように
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい