シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

こわい?

これも

ひとつの覚悟なんだろう

 

ママの検査入院のあいだ

面会はできない

 

コロナウイルス

この先は

考えても

わからない

 

会えないままに…

考えると

 

思考は一気に

わるい

わるいほうへと…

 

 

「こわい?」

 

うとうとしていたら

ふと

思い出した

この問いかけ

 

聞こえた気がした

 

「こわい?」

 

これは

かつて病で入院していた病院の

主治医の言葉

北海道出身で

 

疲れた?

つらい?

というような意味

 

「こわい?」

 

わたしの顔を覗きこんで

いつも笑顔でたずねる

朝いちばんに

日中の回診に

夕方のご飯のあと

 

体調のわるい真夜中

 

わたしはその入院中

いつも「こわい」状態で

数メートル先のトイレへ行くのに

軽い登山のような息で往復していた

 

横になっていても

「こわい」のだ

 

 

答えず

笑顔を返していた

いつも

 

(こわくない…って言えたらなあ…)

 

あの先生の言葉がけ

「こわい?」

「怖い?」

でもあったのかもなあ…

真夜中の体位変換に起きて

 

すぐにまた

往生際のわるい

しつこい負の思考回路に

自ら!

落ちようとしていた時に

そう思った

 

怖い?

 

怖くないです…

 

怖くないです…

 

 

先生は

 

もう亡くなられた

いっしょに入院していて

友だちになった同い年の人が教えてくれた

 

その友だちとも

いつしか疎遠になった

 

怖くないよ

先生…

 

 

生きること

死ぬこと

 

生まれてくること

死ぬこと

 

望んでいないまま

生まれて死ぬ

生きること

 

怖くないです

 

 

疲れただけ

先生

眠ってもいい?

 

 

お忙しいのに

いつも笑顔だった先生

いつもよいことだけ伝えてくれた先生

 

先生

こわくないですか?もう

 

ちょっと眠って…

 

また笑顔になって

根拠のない自信満々の

初めの自分になって

 

準備しよう

 

 

ありがとう

 

 

こわい?

こわかったら

 

少し休もう

 

悩むのも

考えるのも

決めるのも

休もう…

 

今日は

生きている

 

今日を

 

生きているから

一生懸命

 

 

ちょっと

眠って…

 

 

また

わたしになろう…

シーちゃん

 

風がつよいなあ…

窓がカタカタ🌀

 

朝の

お昼寝??

 

ちょっと

こわいので…

 

あとで

また…

 

ありがとう