シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

美少年の分身と出会った

眩しそうに

目をほそめて

 

こちらを

臆することなく

まっすぐに見つめる

 

その目は

虹彩が輝き

星のようで

いたずらっぼい茶目をしている

 

唇に

力を入れて

少し横に引いて

 

目で

微笑み

 

左に

わずかに

首を傾げる

 

わたしに

輪郭も眉の形も

表情の癖も

 

首の細さも尖った肩も

みんな

 

みんな

そっくりな

 

少年

と言っていいのだろう

 

きれいな男子

美少年

 

まるで

 

わたしの分身

 

 

気味悪いけど

 

気持ち悪いんだけど…

 

若き日の

パパ

 

 

全捨て!しようとした

古い写真

やっぱり

一枚一枚見ては

選り分けるという

 

トラップに

はまった…

 

 

わたしはずっと

ママに似ていると言われたけど

 

似てないなあ…って

自分では思っていた

頬骨とか顎とか

おでことか

 

意地悪な後妻のおばあちゃんは

おじさん!

つまり

ママの姉の夫!!

に似ているとか

 

おどろおどろしいこと言っては

ママいじめに余念なく…

 

たしかに

 

姉上様と同い年の

いとこお兄さんはハーフのような

洋顔してて

どこかわたしと似ている

 

先日会ったときも

まだ

とても素敵だった

きれいだった

 

でも

わたしは

やっぱりパパ似だったんだ…

 

体型も筋肉質なのも

似ている

 

ため息…

 

いつから

あんなに汚く

別人のようになったのだ?

 

 

納骨で

お化粧と造顔??終了して

現れたパパに

みんな言葉を失った

 

美し過ぎて!

別の人間??

って

 

だけど

あれが本来の姿だったのだ

 

飲酒喫煙

暴飲暴食

恐るべし

 

性格の歪み…

 

 

パパの青春時代は

太陽の下で

光輝いている

笑って

青春を友と

謳歌している

 

野球と馬術

 

一点の曇りもなく

仲間から信頼され

まん中にいて

笑っている

 

 

そのまんまで

いけなかったの?

パパ

 

 

だけど

 

みんな

笑っていた

 

わたしを

お腹に宿しているだろう

ふっくらした和装のママが

笑っていた

 

まだ弟は生まれてなくて

ちびのわたしと

小さいお姉ちゃんの姉上様と

後妻のおばあちゃんといっしょに

ママが

笑っている

 

遺影を探すとき

ママは笑わないという話になり

 

笑わない人だった

などと言っていたけれど

 

笑っていた

ママは

いつも笑っていた

 

 

わたし

おじいちゃんが亡くなって

おじいちゃんを思うと

 

いまでも

涙目になるんだ…

これからは

 

ママを思っては

うるうると

涙こらえて生きてゆくのか…

 

パパのときのような

晴れやかな気持ちには

たどりつけないのかなあ

 

 

ママ

天国で

みんなと仲良くしていますか?

それとも

やっぱり

ここにいてくれる?

 

いるよね…

ここに

 

どこにでも

瞬間に

自由にゆけるんだから

 

 

弟が

ママの死に顔

写真に撮った…

悪趣味な罰当たり

甥っ子クンに見せるんだろう

 

食べ歩いたラーメンの写真や

得意の厚焼き玉子のお弁当の写真に紛れて

 

ママの死に顔か…

 

わたし

写真が

嫌い

自分の写真

ぜんぜんない

 

いらない

 

写真なんて

 

 

だけど

美少年よ

出会えてよかったよ

 

わたしは

あなたの子

ママの子

 

 

体育会系でもなく

女子高でモテたのは

あなたのおかげだったんだね…

 

おもしろいやつだったパパ

仲良しだった

 

ピンクが嫌いなわたしが

冬に

黒いアノラックがいい!

と言ったら

 

ママは怒った

女の子はピンクか赤だって

でも

パパは黒いアノラックを買ってくれた

 

そういうやつだった…

ねえママ

 

 

 

造顔といえば…

 

納棺のとき

ママの顔に綿を詰めるあたりで

葬儀社の担当者さんに

異変が起きた

 

アレルギー症状が出て

くしゃみと咳が止まらなくなって

 

 

手術の

終わったら回収する綿みたいに

細く裂いて

きれいに並べられ

 

次から次へと

ピンセットでぎゅんぎゅん詰めてゆく

副鼻腔から

上顎洞までも埋め込む勢いで

 

紙のように薄い骨の

砕ける音…

 

アレルギーも

起きて当然だろうって

感触が

厳しいだろうなあ

って

同情した

 

意外にも

 

姉上様は

 

わー

いっぱい入るー

 

とか言いながら

笑って見ていた

 

 

美少年と

美少女は

 

ふたたび出会い

また

恋に落ちたかなあ…

 

 

美しいまま

年を重ねるのは

とても難しいようだ

 

そして

泣かずに

天国の

愛する人を思うのも…

 

 

泣いたね今日も

シーちゃん…

 

疲れた

 

ごちそうの食べ過ぎで

体がむくむく

重たくて

 

とても

疲れました

いつものご飯にしたけど

腸内細菌が

へこたれてて

 

コロナウイルスに負けないように

 

今日こそは…

仏間でうたた寝

いけません

 

週末…

 

時間が

動いていません…

しっかり生きようと

 

頑張っています

 

 

 

お元気でいてください

よい週末を…

 

ありがとう

 

また

明日

 

おやすみなさい