シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

おもい

 

みえず

 

 

こころにある

 

その

内に

ある

 

 

言葉は

いつも

足らないまま

 

いつも

無用に

 

過ぎてしまう

 

 

なんて

おろか

シーちゃん

 

ごめんなさい

しか

ない

 

 

パパ

 

ママ

 

ごめん…

 

ごめんなさい…

 

姉上さまも

 

弟も

 

 

 

真夜中

 

ひとり

 

 

お仏壇の

まえに

座る

 

だけど

 

いつも

こうも

おもう

 

 

もう

お仏壇

いらなくない?

 

パパ

ママに

言ってみる

 

きっと

 

もう

なんにも

いらなくなった

と言う

 

あちらの

みんなは

 

笑う

 

もう

なんにも

いらない

って

言う

 

それだけ

わかる

 

 

パパ

ママ

旅立ちの

 

あのとき

わかったこと

 

 

もし

わたし

きょうだいのうち

はじめに

死んだら

 

わたし

お葬式

いらない

 

お家の

お墓に

入れないで

 

おもう

 

ねがってる

 

けど

 

 

死んだら

 

もう

わたしには

 

わかんなくて

 

どうしようも

できないのだ

 

 

葬儀とは

 

のこされたものたちのため

 

 

 

その

裏には

 

たとえば

 

見栄や

 

負い目や

 

自己慰安

自己満足のため

という

 

そういうおもいも

あるかもしれない

 

 

パパ

ママ

ときには

 

真の

おもい

 

真の

供養

からは

 

どんどん

こわいくらい

かけ離れてゆくような

 

薄っぺらに

引き離されるような

 

うまく言うこともできない

例えようない

不思議な経験

させてもらった

といっても

 

わたし

単なる

傍観者

だったけど

 

 

葬儀屋さんと

相談しながら

 

その

とても神妙で

とても流暢な

 

セールストーク

聞いて

 

価格ごと格付けされた

オプションから

選んでゆくうち

 

なにかが

むなしく

 

ぜんぶが

 

ちがう…

 

わたしは

おもった

 

 

わたしに

あんなの

必要??

姉上さま

 

いらない

 

それよりは

 

ここの

もの始末

取り壊しが

先で

 

たいせつ…

 

甥っ子くんの

ためで

 

それが

同時に

 

ご先祖さまの

ためになるだろう

 

重荷

ある

よりは…

 

 

ママ

よく

 

ばちがあたる

ばちがあたった

言っていたなあ

口癖

みたいに

 

ひとにも

 

ばちがあたらないか?

って

たいへんに

心配してたなあ…

 

ママ

 

わたし

ばちがあたる?

 

もう

ばちがあたったの??

って

 

きいてた

 

 

ほんとうは

 

ママの

ものは

 

古着物や

お洋服や

あれら

すべて

 

もう

全捨て

でも

よいのに

 

わかってるのに

 

捨てずに

 

洗っては

ひとつ

救ってる

 

けれども

 

残りの

のこされた

ものは?

 

わたし

しか

いらないものなのだ

 

明日をも知れぬ

孤独の

ただ

いま

 

ただ

生きてるだけの

わたしには

 

ほんとうは

 

もう

 

なんにも

 

なんにも

いらないのだ…

 

ほんとうに

 

 

 

わたしは

 

わたしたち

きょうだいは

 

すべて

 

すでに

 

パパ

ママ

ご先祖さまから

すべて

 

 

もらっているのだ

 

 

こころに

 

この

内に

もう

 

すべて

 

もらっている

 

こころ

ある

 

その

おもい

ゆく

 

それが

供養だ

 

 

 

姉上さま

わたしの

供養では

 

不安で

 

神さまの

お祀りも

 

不安で

 

 

稲荷大神さまには

いなり寿司

お供えしないと

ばちがあたると

 

不安で

 

わかってるけど

だから

おいなりさん

手作りしてたけど

 

どうしても

お腹こわしてしまうので

 

わたしは

わたしの

小豆ご飯や

 

わたしの

おもいで

お祈りお祀りしてる

 

ごめんなさい…

 

雨漏り

からは

 

神さま

下に

おりていただいてるし

 

どうしたら?

 

わたしの

おもいが

とどく?

 

こころ

くだく

 

お榊を

お供えしてる

 

もとは造花で

かなしかった

 

自分の

おもい

 

それぞれの

おもい

 

 

 

ばちがあたる

おもって

心配してるより

 

ここは

姉上さまと弟の

お家だから

 

わたし

住まわせてもらっていること

申し訳ない

わたしの

供養で

申し訳ない…

 

みんな

みんな

 

おさめてしまう

よい

とおもう

 

 

 

包囲網?

 

めぼしい親族

その

ほとんどが

 

悪性腫瘍で

 

どうやら

 

パパ

ママ

その

どちらも

家族性で

 

まだ

お寺

ゆけてたときに

帰り際に寄った

おじいちゃんの

親戚のおじさんまでもが

悪性リンパ腫で旅立っていた

 

 

明日

 

おもわない

 

ねがわない

 

 

できる

あまりにも

ささやかで

 

できない

 

とうてい

まとも

 

自分でも

おもえないくらいで

 

増殖する

わるい

細胞

わるい

考え

みたいに

 

日に

日に

ひろがってゆくけれど

 

これが

 

いま

 

これが

 

わたし

 

おもう

 

ありがとう

いまを

生きる

 

生きてる!

 

ありがとう…

 

 

雨が

また

降りだした

 

雨音が

その

さいしょの

 

やさしい音が…

それさえ

 

ネズミ??

 

って

 

びくびく

 

怯えてた

 

 

生きてることが

しあわせ

 

すべては

 

こころに

ある

 

 

ママ

 

もう

なんにもいらなくなった

 

そう

入院中に

わたしに

はっきり

言ったのに

 

言えた

のに…

 

たくさん

食べてもらって…

 

 

ごめん

 

ごめんなさい

ありがとう

 

お仏壇の

遺影の

パパ

ママ

 

いや…

 

わたしの

内に

 

すっかりと

 

しっかりと

いてくれてる

パパ

ママに

 

言った

 

 

ありがとう…

 

 

 

平和

かなうように…

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

弟に

遺影に使う写真ないと

のこされたものが困る

 

怒られたんだけど…

 

やっぱり

撮らない

 

やっぱり

いらないもん

 

 

眠れていない

眠れない

 

それでも

生きてる今日

いま

 

ありがとう

祈る

 

 

ありがとう…

 

 

みんな

 

みんな

 

無事に…

 

 

平和が

かなえられますように

 

 

 

こころに

ちいさな

平和

ありますように

 

 

かならず

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

おやすみなさい