シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

閉じる

こころが

閉じる

 

疲れた…

とても

 

とても疲れた

昨日の雪との死闘

だけど

 

こころ…

一日の無理

 

一日の

絶望

 

 

閉じて

 

閉じたまま

いつものように

 

普段どおりに

 

動悸と

ため息と

耳鳴りと

 

ときおり

 

不意に溢れる

涙と

 

 

生きている

今日は

 

 

朝の目覚め

 

ありがとう

ありがとう

起き出して

 

いちばん最初

パパママに

ありがとう

 

それから

 

仏間を覗き

 

 ありがとう

 お茶をいれようねえ

 

 

そこに

何の変わりも

ないかのようで

 

すっかり

変わった

あれから…

 

 

供養が

 

法要というお寺の行事だけで

日常から

離れ

切り取られ

区切られているものならば

 

またたくまに

このくるしみ

この

 

閉じたこころ

いや…

 

こころも

閉じずに

 

わたしはわたしの

ひとりぽっちに

ふたたび

もどれば

 

それで終わったのだろうか…?

 

 

知らずにいたかったなあ…

あんな世界

やっぱり

 

どうしたって

知らせて欲しくなかった

 

一事が万事

批判されて

睥睨されて

それも

 

二対一

 

わたしは

ひとりぽっち

 

 

もう

すべて

閉じてしまいたくなる…

むなしい

 

 

供養

お寺での行事として

それだけが

亡き人へと

捧げられているものではないから

 

わたしの日々は

供養と祈りだから

 

これから

お寺での法要は

わたしは

行かない

 

行けない

 

いらない

と言われてまでも

行けるものでもない

 

行く意味がない

 

ママの一周忌で

あれが

最後だ

 

 

一日は

人生は

 

一瞬

 

気づくと

 

この時代のような

おもいもしない困難

果てしなく

押し寄せて

 

それぞれが

それぞれの人生

生き抜こうと

 

よくありたい

よりよくあろう

あがく

 

 

困難に

さらに

追い込まれ

 

非力に

もうわかっている

自分の無力に

追い討ちされ

 

閉じたこころを

眠らせては

 

 

目覚めの

一瞬を

 

かけがえなく

 

ありがたく

おもう

 

 

人の

よわさ

わたしの

よわさ…

 

生まれてきたこと

ありがたくおもえば

おもうほどに

 

生まれて

すみません

生きていて

すみません

とも

おもう

 

 

太宰治

そうした矛盾と生きてたけれど

 

彼の

溢れる才能は

閉じることはなく

 

書かないでおれない

その自らの才にさえ

追い込まれて

 

 

認めて欲しかったのは

 

おそらく

ただひとり

そして

父が亡くなってからは

親代わりの長兄

 

そうして

名誉を求め

かなわなくて…

 

 

 

誰かに

認められなければ

 

自分の

生きている意味を

見出だせなくなる

それは

 

誰にも

起こること…

 

そこいらで

さんざん

起きる

ましてや

コロナの中だ

 

それだけ

 

なのに…

かなしみ

消えてくれない

 

自分を

いま

生きてある自分を

 

認めてやるのは

自分なのだなあ…

どんなに

 

傷ついても…

閉じても

生きて

 

それから…

 

 

閉じてる

貝みたいに…

シーちゃん

 

 

出かけるの

こわい…

という

 

『ストレスが脳をだめにする』

読んでいた頃と

似通った精神…

ふたたびきた

 

あれは

 

パパママの苦しみ

傷つき

そして

 

何の役にも立ってやれない

ただ

 

そばに

いてやるしかなかった

わたしの

絶望

 

これからも

つづくしかない

見守るしかない

それらに

 

わたしたちが

堪えることできるのか…

ふと手に取り

買った本だった

 

 

明らかになること

認めること

こわくて

一度は

 

手放して

 

 

また

買った

 

 

片付けに疲れたら

すこしずつ

 

すこしずつ

読もう

 

パパとママの苦しみは

その

死によって

閉じられた

 

 

おだやかに

安らかにいてほしい

そう祈る

 

ただ

それだけ…

 

 

フランクルの『夜と霧』

読んで

どうして

おそろしかったのか

 

救いがない

人間の業を

見せつけられるだけ

というおもいがあったから

 

読み終わって

理解したこと

 

巻き込まれてゆく

悲惨な現実に

 

人は

人であろうと

必死に抗う

生きる意味を

信じて希望を捨てない

 

人は

どんな時にも

 

自分であろうと

 

生きるか

死ぬか

にも

 

よりよく

祈る…

 

人に

手を

さしのべる…

 

そういう

いつもと

平時と

変わらぬ人のあることは

救いなのだ

それが

 

人を人たらしめ

人を

生かしている

 

 

戦争も

内紛も

 

争いは

いらないけれど

起きてほしくは

ないけれど

 

アウシュヴィッツ

いつまでも

過去のものとは

ならないけれど

 

その

かすかな希望を

『夜と霧』は

フランクル

いまも

 

おしえてくれている

 

ありがとう…

 

 

 

できること

閉じたこころで

いま

できること

 

生きること

 

死なないこと

 

いつもと変わらず

つくって

食べること

 

無駄をしないこと

 

 

それから

 

この

大量に積まれたものたち

一点でも

手放して

始末して

 

残されるものは

大切に

 

最後まで

使い切ってやること

それは

 

いつもどおりのこと

わたしが

ずっと

つづけてきたこと…

 

 

ママのコートをリメイクしたもの

わたしが死んで

残ったなら

 

姉上さま弟は

 

ママが

してきたこと

わたしたちに

 

一日として休まずに

してきてくれたこと

困難にも

人をおもう

こころを

何とか

つなげながら

 

 

苦しみを

秘めて

 

生き抜いてくれたこと

 

コートに

見てくれること

できるだろうか?

 

 

 

新しいコートは

もういらない

 

 

リメイクしたもの

姉上さまのお下がり

それを

わたしのつくったものと

組み合わせ

大好きなストールして

 

パパが

使わず

大切にしまってた

謎の?帽子をかぶって

 

 

また

外に

駆け出せるように…

 

 

よわいものは

よわいなりの

生き様があり

 

祈りと

近くある…

 

 

 

ありがとう

 

 

永遠なんて

ないんだよ

真実なんて

 

もう

どこにも…

 

 

そして

今日にも

壊れてしまうことは

ごくごく

 

ありふれているんだ

 

知らないだけ

知らなかっただけ

 

知っても

何も変わらない

わたしの

ほかは

 

ずっと

つづいていたこと

起きてしまっていたこと

 

それだけ…

 

 

徒労

つづく

 

そろそろ

お買い物に行かなくちゃ…

行けるかなあ

でも

 

行かなくちゃ

死ぬ…

 

 

生きている

 

ここは

戦争もなく

けれど

まったく

 

平和でもない

 

愛せるはずがないから

隣人を愛せよ

宗教は説く

 

どんな時も変わらず

愛する時のようにしなさい

という

 

 

世界中のパンデミック

世界中の困難にあって

大きく

 

小さく

 

人が

自分に

負けるのに

 

その憎しみに

巻き込まれてゆく

 

 

傷つきに

堪えられるように…

 

 

生きて

ここを

越えられるように…

 

 

 

おだやかな

やさしい人間であろう

おもいつづけてゆけるように…

 

祈ろう

 

祈っています

 

 

今日も

無事にいてください

かならず

そうして

 

生きていること

それだけになって

ゆっくり

 

ゆっくり

眠れますように…

 

祈っています

 

 

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

おやすみなさい