シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

ぼど

ぼどきてめぐせ

 

 

ぼど

 

ぼろぼろの布

 

着て

 

 

めぐせ

めぐさい

 

恥ずかしい

という意味

方言

 

いま

もう

使われていない方言

 

すべて

ひとと

消えてゆくのかなあ…

シーちゃん

 

旧暦では

今日が

お釈迦さま

おさとりになった日と

 

おしえてもらっていた

 

心待ちにして

祈り

つなげていた

 

きっと

ともに

祈っていてくださるなあ…

 

こころ

あたたかくなった

 

お祈りしていた

 

ありがとう

 

 

 

どうしてか?

 

ぼど

うかんできた

 

ずっと

 

ずっと

まえに

誰か

 

誰が

言ってた?

 

 

いま

つがるの

ぼど

東北のぼど

収集家いて

 

どこかでは

たいせつに

管理されて

展示されている

 

 

着て

ぼろぼろになっても

着て

とけるほど

着て

 

古布

どんな

ちいさな裂れも

 

ぜんぶ

ぜんぶ

最後には

つぎあわせ

 

かさねて

かさねて

 

かさねて

ついで

ちくちく

 

ちくちく

縫いつないで

 

敷物にして

 

敷物の用にも

足らない

となれば

 

それを

敷いて

 

ひとり

小屋に

こもり

子を

うむ

 

生死

かけて

子をうんだ

という

 

つがるの

ひと

 

おもった…

 

 

子を

みごもっていても

不浄

けがれ

みなされたのか

 

生死かけて

のゆえに

 

貧しさの

ゆえに

 

そんなにも

過酷な出産

なったのか

 

わからないけど

 

ここに

ある

 

たしかに

その

いのちがけの子うみ

そのおかげで

 

つないでもらった…

 

 

被災地

すこし

あたたかくなって

 

雨が

わるさ

しないように

祈って

 

 

ここに

つながってくれていた

お釈迦さま

 

ありがとう

お祈りした

 

 

そのうち

 

もっと

すごい方言

ぼど

まつわる

 

つがるの言葉

 

うかんできた…

 

 

ぼどばりきてむじゅげでば

 

 

ぼど

 

ばり

ばかり

 

きて

 

むじゅげ

あわれ?

せつない?

かわいそう…か

 

でば

であることだなあ

 

 

これ

言われたのは

 

わたしだ

 

ちいさな

ちいさな

わたしだ

って

 

ママが

おしえてくれたか?

ちがう…

 

先日

夢にみた女性だ…

 

むねに

つかえて

のこっていたんだ…

 

 

あの

女性

あわれ

おもった

 

それを

言ってた

男性をも

 

 

ちいさな

ちいさなわたしは

 

恐怖していた

おもう

 

夢に

あらわれた

あわれな女性のことも…

 

けっして

ぼど

着てはいない

 

ただ

姉上さまの

お下がり

だったというだけ…

 

すきだった

お下がりも…

うれしかった!

 

ママが

つくって

 

おばさんが

編んで

つくってくれていたもの

 

たいせつに

着ていたもの

だったのだから…

 

 

 

 

くわしく

言うこと

するべきでないなあ

 

すべて

すべての

ひと

 

やすらかに

祈る

 

 

 

 

生きる

って

 

なんなのか…

 

くるしみに

かなしみに

 

お釈迦さま

 

もとめて

 

おさとりしてくださったのだなあ

 

ただ

 

ただ

祈る

 

 

神も

仏も

 

祈り

 

無い

そうでは

なかった

この国

 

ひとの

おもい

 

祈り

 

ありかたい

祈る

 

くるしみに

かなしみに

もとめて

 

もとめて…

 

いのち

つながって…

 

 

 

ただ

 

 

ありがとう

祈る

 

 

祈るばかり…

 

世界の

祈り

 

ひとの

あたたかな

おもい

つながってくれますように…

 

 

 

生きていてください

 

おまもりください

 

 

 

今日

いま

 

無事に

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい