シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

古着物

傷んで

布が

とけそうなもの

 

とうに

始末したのだけれども

 

ママが

それらふくめ

のこしていた

おもい

 

見ると

 

伝わる

 

すでに

無用のもの

わかるんだけど…

 

ママだって

わかっていて

それでも

のこしたのは

 

それを

ながめたり

触れたりして

 

そのたびに

 

 

おもい

 

きっと

よみがえってたんだなあ…

って

 

 

ママの場合

処分できていたものは

きちんと

時代ごと処分していた

 

お洋服は

最後のほうは

パパが選んで

パパが大量に買っていて…

 

ママが倒れてのちは

介護でも着られるもの

分けて

それ以外

段階的に

減らして

捨てて

 

ほぼ

捨て終わったのだけど

 

最初に

ぜんたい見て

わかったのは

 

これはママ好みじゃないなあ…

全部

のこされてる

ということで

 

ママとわたし

似たようなところ

ある

としたならば

 

自分の好き

好き

ってところで…

 

好みじゃない

似合わなそうな

お洋服も全部が

きれいに取り置かれていた

 

パパへの

愛か…

って

 

見ていると

そう

おもえた

 

 

無用のわたし

 

無用のものと

生きてる古屋だなあ

シーちゃん

って

 

手洗いのお洗濯したり

また

捨てるもの始末してた

 

 

ひとが

ひと

裁き

 

よい

わるい

ばかり

言っていたような

コロナのときには

 

ほとんど

見知らぬ

ともいえるひとにも

それも

 

初対面で

ばっさり

裁かれていたりした

 

こわかった…

 

 

わるいのはわたしなんだな

 

今度は

自分で

 

自分を

裁くかのようになってゆき

 

どんどん

自分

追い込んでいった

 

ママと

いっしょに

いさせてもらえたのは

 

社会的立場も

家庭もなくて

 

無用の自分が

ただ

姉上さまに支えられて

 

ゆるされて

できたこと

って

 

ありがとう

お片付けしてた

 

 

ネズミが

きたのは

さいわい

とも

おもえる

お片付け

 

そうでもなかったら

 

開かずのところ

そのままだったんだなあ

って…

 

いまから

ここから

となれば

 

もう

体力

気力

なかったなあ

って…

 

深く

深く

息した

 

 

ぜんたい

いっしょのもの

集めたものたち

 

捨てられない

って

 

よみがえってくれるうちは

いっしょに

って

おもってた

 

 

傷みのあるものは

捨てよう

一所懸命

もの始末してた

 

ありがとう

 

 

 

世界が

ぜんたい

平和に

 

幸福に…

ねがう

 

そういうわたしであるならば…

 

自分

裁き

傷めつけるようなこと

 

もっとも

あってならぬことなのだなあ

おもった

 

 

 

収納から処分して

いっしょのものたち

全部

ぜんたい集めてから

 

そこから

捨ててゆく

もし

頓挫してしまったら

 

猛烈

悲惨な

さらなる混沌おきて

 

もっと恐怖のごみ屋敷

とも

なりかねないんだけど…

 

 

収納するもの

あふれるほど

あるならば

さらに

そこから

あふれるものが

どうしてなのか

集まるらしい

って

 

ずっとしてきた

お家のお片付けで

心底

わかったので

 

ぜんたい

ものたち

把握する

っていう

 

いわば

あたりまえを

かなえるには

 

収納から処分

理にかなってるんだなあ

すこし

安堵していた…

 

とはいえ

 

もうすこし

もうすこし…

 

 

 

 

なにものかに

なりたかった?

 

無用のもの

わかりつつ

 

背伸びしてたかなあ…

 

身のほど知らず…

 

 

役に立つものに

 

そういう自分に

って…

 

もとより

無用

無能

いちばん自分が

わかってるのに…

 

 

自分

やっぱり

こんなにも

よわかった

 

自分と

自分の

おろか

いちにち

 

いちにち

知らされてゆく

そんな

お片付けとなってる…

 

そして

 

無限も

 

永遠

ないなあ…

 

とも

ある

生きる

ということ…

 

 

なにものでもなく

誰にも

役に立つことなく

 

無用

無能

わたしひとり悪

 

そのまま

 

そのまま

生きよう

って…

 

いま

ありがとう

 

愛と

祈りと

 

おしまいまで

ゆけるように

って

祈るようにして

お片付けしてる

 

 

お片付け

ほんとうに

祈りのようだなあ

 

お掃除も

ご飯も

 

全部

ぜんたい

 

祈りのようだ…

 

 

ありがとう

 

 

ちっぽけで

つまらぬこと

好きなんだなあ

 

ありがとう

祈ってた

 

 

 

ママのお部屋で見つけた新聞

見たら

 

ただ

書評

読んだだけなのに

 

しかも

もう

読めなくなってる小説なのに

作家も知らないひとなのに…

 

うわ…

読みたい

って

おもってた

 

生きていたいなあ…

って

 

 

泣いた…

 

おろか

 

 

 

いま

ある

しあわせ

 

ありがとう

 

おろか

ごめんなさい…

 

 

ありがとう

 

 

 

 

いちにち

かならず

無事に終わって

 

倒れていませんように…

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい