シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

ゆめみる

毎年

虫が

逃げ込む

 

きまりごと

みたいに

毎年

くる

 

数日

いっしょに

生息してた

 

捕獲

失敗して…

 

 

どっかの隙間で

息絶える?

かなあ??

って

 

ごめん

つかまえるの

下手くそで…

って

 

 

出ておいでよー

出ておいでよー

 

あちこち

開放してた

ほんとは

 

ネズミ

こわいから閉めたいんだけど

 

暑すぎるし

虫にも

生きててほしいな…

 

今年は

こころから

 

こころから

 

一心に

おもった

 

 

わたしも

みたいなもんだなあ…

明日をもしれないってのに

 

愚かだなあ…

お前のほうが

生きたいって

ぜんたい

みなぎらせてて…

 

すごいなあ

出ておいでよー…

 

ずっと

言ってた

 

無理かあ…

シーちゃん

って

 

昨夜

夜の

お経に

 

お仏壇の

お水お茶替えて

お花のお水取りかえて

 

さあ

手を洗って

お祈りしようねえ

パパママ

 

なんとなく

ん??

ってなって

 

玄関の叩き

見たら

 

いた!

 

うわー

って

 

よろこび勇んで

 

ありがとう!!

 

外に

逃がしてやった

 

なんか

猫?

みたいな

 

待ってて

そそくさ

お出かけしてったみたいな…

 

 

その

なんて虫か

わかんないけど…

 

なんと

 

なきむし

だった

出したら

 

いきなり

 

すずしげに

 

りんりん

りんりん

 

鳴いてくれた

 

わたしも

 

 

泣いた…

 

 

明日をもしれないのは

この

お家も

そうで

 

もの捨て

お片付けは

 

未来のため

ではなくて…

 

いつも

いつも

おもたくなって

 

いつも

いつも

かなしくなる

 

 

パパが

おしまいは

お買い物に

とりつかれたように

 

大量の

ものを

買い込んでたことや…

 

それらを

捨てて

捨ててきたことや

 

開封

未使用

みんな

捨ててきたことや…

 

 

ごめんなさい

しか

なくて

 

どうして?

何が

つらかったの

 

苦しかったの

 

いつまでも

あわれで

あわれでならなくて…

 

そうして

 

パパの

お部屋は

かつてないほど

また

ものにおふれてしまってて…

 

ごめんなさい

 

ごめんなさい

 

ばっかり言ってて…

 

 

終わり

ための

お片付け

 

死のお片付け…

 

 

今夜は

とても

きれいなお月さま

 

見上げていたら

 

 

虫も

ゆめみて

鳴くかなあ?

 

きれいなお部屋

うつくしいお部屋

ゆめみて

 

ゆめみて

お片付けしよう

 

 

いつもの

ひとつ

つなげて

 

想像してた

 

あの

パパの

うれしそうだった笑顔

 

遺影の

パパは

いつも

笑っていてくれる

 

助けてくれて

ありがとう

祈った

 

 

うつくしい

月に

祈った

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

いちにち

いちにち

 

ゆめみて!

 

 

ちいさな頃のように…

 

ゆめみて

 

そうして

 

ひとつ

つなげてゆこう

 

 

ありがとう

 

 

今夜

 

平和に

無事に終わっていますように

 

かならず

かならず

無事にいてください

 

 

お水

飲んで

眠ろう

 

 

ゆめみて

ゆめみて

 

眠ろう…

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

 

おやすみなさい