シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

ひとりゆく

とんでもないことになってた…

 

どこも

 

歩くの

困難

 

雪山トレイルラン

みたいな…

過酷

危険

 

 

目当てのものも

 

なかった…

 

 

いつもの歯科まで

ママの施設まで

お寺まで

 

どこにでも…

 

雪にも雨にも

真夏にも

歩いて行ってたわたしを

 

自分で

ほめよう…

 

雪があるうちは

とても無理だなあ

 

今日は歯科の近くまで

ゆっくり歩いて行ってみた

 

探し物もあって

でも

 

なくて…

 

歩いて通院は

無理っぽい

汗だく…

くたくた

 

 

古本屋さんへ

 

お気に入りの本屋じゃない

 

ふらふら

買うつもりもなく

背表紙眺める

 

 

宮澤賢治の本を買った

詩集

古本だから

 

きれいにして

消毒して清潔にして

 

明日から読もう

シーちゃん

 

 

 

「おらはひとりだから。

 おらはおらで、ひとりで行くんだもの」

 

 

(Ora Orade Shitori egumo)

(おらおらでひとりいぐも)

 

賢治の恋人

ヤスが

賢治との

別れに

心のままに

結婚して

 

夫の待つ米国へと

ひとりゆくときの言葉

 

結核を発病し

死が近いことを覚悟しながらも

まだ

生きようとしているヤスの言葉

そして

 

同じく

結核に冒されていた

賢治の妹トシの言葉

 

 

人は

ひとり

ゆくんだなあ…

 

 

滑りながら

何度も何度も

 

足をとられながら

 

気がつくと

 

四時間

歩いていた…

 

病んでるのかなあ…

 

 

本と

筆と半紙を買った

それだけ

 

 

瞑想するように

歩いた

 

 

生きてゆける?

わたし

 

これから

 

 

生きてゆくんだよ…

 

 

(うまれでくるたて

こんどはこたにわりやのごとばかりで

くるしまなあよにうまれてくる)

 

「生まれてくるとしても、

今度はこんなに自分のことばかりで

苦しまないように生まれてくる」

 

トシの言葉…

せつない

 

 

 

自立

とは

 

依存先を増やすこと

 

誰か

言ってた…

精神科医

忘れた…

 

 

気味悪いこと

起きてる

近隣…

 

 

感染の拡大も

止まらない

 

覚悟してゆかなくちゃ

 

 

生きることは

いま

迷惑かけること

姉上さまに

 

かなしい…

 

 

歩いて

歩いて

 

ひとりゆくんだ

っておもった

 

パパも

 

ママも

 

 

ひとり

旅立ったように

 

人は

ひとり

 

 

わたしは

ひとり生きて

 

ひとり

ゆく

 

誰しもが

 

ひとりゆくんだ…

 

 

それだけのこと

 

 

今日は生きていて

 

むやみに

歩いた

 

歩けた

 

 

ありがとう

 

 

月も

ひとり

 

雲に覆われ

 

隠れていました

 

 

今夜も

無事に

終わっていますように

 

無事に

 

無事に…

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

また

明日

 

おやすみなさい