シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

ありがとうの手紙

ありがとうなんて言わないで!

 

何度となく

そう

姉上さまに

窘められた…

 

でも

 

言えるだけ

言ってた

いやがられても

何度でも

 

何度でも

言ってた…

 

そうして

もろもろ

姉上さまに注意喚起

叱責…

 

ばっさり

切り捨てられたこと…

等々

 

すべて

 

いまだに

こころに置いてあって

ずっと

ずっと

遵守しているのだった…

 

 

馬鹿か

子どもなのか

シーちゃん

 

どっちもか…

 

 

だって…

 

ありがとう

って

伝えられないまま

 

死んじゃった友がいて…

 

 

最後に会ったのは

 

 

今朝

あまりに

かわいらしいこえして…

 

ちっちゃなこえ

チュンチュン…

 

チュンチュン…

 

そっと

カーテンの隙間

覗いたら

 

すずめ!

 

除草剤散布が激しくなってから

ずっと

姿みることなくなっていて…

 

めちゃくちゃどきどき…

 

たった一羽で!

 

こっち向いて…

 

踊ってる??

 

わ…

 

って

言っちゃって…

 

そしたら

窓は閉まってるのに

 

すずめも

 

チュン…

って言って

 

一瞬

怯んで…

 

飛んでった

 

 

ありがとう

 

ありがとう…

 

って

どうしてだか

 

泣けた…

 

 

仲間外れに遭ったかな?

すずめ…

 

一羽だけど

 

たのしそうだった

 

 

友の

死は

 

不審死という

そういうことになっていた

 

しばらく

ママが隠していた

わたしに…

 

かならず

天国にいっているから

これからも友だちだから

安心して

ずっとお祈りしてゆくんだよ

ママが言った

 

最後の

わたしへの手紙は

ママが

受け取らないと決めた

そう伝えておいた

と…

 

わたしには

届くことなかった…

 

手紙のほかにも

 

何かしら

隠した

おもったけれど…

 

 

信じることにした

 

天国を

 

 

祈りを…

 

 

友は

学校で

噂をたてられ

ひとり

仲間外れにされてた

らしい…

 

わたし

ずっといっしょだったのに

周囲の

たちまわりに

 

その

陰湿さに…

ちゃんと

気づいてあげられなかったのだ

 

ある日

アパート

突然

引っ越してゆき…

 

その時

知った

 

 

 

ずっと

友だちでいてくれる

 

ずっと

いっしょにいてくれる

信じて

疑っていなかった…

 

 

ママが

わたしに

すまなそうに電話してきた声

ふるえていたなあ…

 

ママ

わたしの友が

相次いで

天国へゆくのを

それも

 

若くしてゆくのを

 

あちらで

役割がある

言ってた…

 

 

仏国土

 

仏さまになって

あちらでの

たいせつな

役割があるんだ

って

 

 

ひとりぽっち

懺悔して

 

無心に

祈って

 

祈ってゆくしかない

 

仏国土

祈り

信じるしかない

 

 

最後の手紙は

ありがとうの手紙だったと…

 

友は

いつだって

 

ありがとう!

って

笑ってくれたから

友は

いつも

いつも

愛の言葉しか!

 

言わない

立派な人間だったのだから…

 

信じる

 

 

祈ろう

 

 

みまもってくれている

すべての

魂と…

修行してくれている

すべての

あちらの人たちと…

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

つよくも

よわくも

 

生きてる今日

 

ありがたく

ありがたく

祈る

 

 

愛と

愛の

言葉と

 

こころに

 

 

あの

読めなかった手紙

読むようにして…

 

こころで

しっかり

読むようにして…

 

伝えなくちゃ

わたしも

 

あの

立派な友

彼女のように…

 

ありがとう

 

言えるように

 

 

ママ

 

すずめ!

 

ありがとう

 

すずめ…

怖がらせて

ごめん…

またおいでよ

 

おばあちゃんは

お米まいてたなあ…

なんだか

うれしくて

なつかしくて…

 

せつない朝だった

 

 

ゆっくりできてたらよいなあ…

 

わたしには

 

わたしたちには

いつも

お名前知らない

ご先祖さままでも…

 

ずっと

いっしょにいてくれてる

そう

おもえる

夜だ…

 

ありがとう

 

明日のために

 

明日を

信じて

明日の自分

信じて…

 

 

ぐっすり

眠ろう…

 

かならず

かならず

無事に!

 

 

ありがとう

 

また

明日

 

 

おやすみなさい