シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

きよらかな国

真夜中

かなしくなって

 

とても

寒くて…

 

いつもなら

あたたかいココア飲もう

起き出したりするんだけど

 

ただ

かなしくて

 

どうしようもなくて…

 

 

眠れなくなる夜は

いつも

こんなだ…

シーちゃん

 

 

眠るでも

起きるでもなく

 

じわじわ

滲む涙

 

ときどき

ぬぐいながら

 

眼を

瞑っていた

 

広い

真っ暗の部屋

 

ママと

 

寝たきりの

ママと

 

ふたり

いた部屋

 

 

最初は

ママに

まだまだ

できること

あって…

 

単語ならば

瞬間的!communication

なんとなく

話せて…

 

ミキサーでつくってあげた

とろとろの

ママの好きなもの

 

りんごや

かぼちゃ

あんこ

ちょっぴり

食べられて…

 

だんだん

 

だんだん…

 

できない

増えて…

 

そうか…

そうか…

おもい

 

毎夜

寝息

聴きながら

 

やっぱり

泣けたりしたなあ

 

どうして

さみしい?

って

 

なんだか

すごく

さみしい

って…

 

ママには

聞こえないようにして

泣いたりしてしまってたなあ

 

 

まだ

ちゃんと

つながってた姉上さまに

 

そのこと

うっかり

伝えてしまったら…

 

ママといるのに!

さみしいってことないでしょ

って

 

うん…

 

そうなんだけど…

 

って

 

 

なんだか

 

あの時

みたいに

 

かなしい

 

さみしい夜だった…

 

 

わたしは

わたしの

おろかさのために

 

こうして

ひとりなのだなあ

 

もう

誰にも

 

何にも

伝えられない

 

伝えてはいけない…

 

 

誰に

何を

伝えるでもなく

 

ただ

ひとり

祈っていよう

 

無事を

 

 

平和を

 

幸福を…

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

 

スーパーで

たびたび話しかけてくれてた

年かさの女性

 

新宗教?の勧誘の

相談

悩み

聞かされたりしてからというもの

 

なにやら

いつも

怒り

持て余してる様子で

 

こないだは

 

ひとりで長生きしてたって

なんにもならない!!

 

こわい顔して

 

怒鳴るみたいに

わたしに

言ってたなあ…

とか…

 

それから

かなしいことばかり

浮かんで

 

 

法蔵比丘を

おもった…

 

その

本願を

 

そうだ…

 

そうだった

 

 

何一つも

自分の力では

生きては

いなくて…

 

壮大な

 

荘厳の

願い

には

およびもつかないけど…

 

ありがたく

 

祈って

生きよう

 

 

ここを

道場と

生きよう…

 

そうならば

 

ここで

 

ちっぽけな

 

ちっぽけな

取るに足らぬことでも

 

つなげて

 

つづけて…

 

ちいさな

ちいさな

きよらかな国

なるように

 

なってくれるように…

 

 

ここは

姉上さまの

お家だから

 

 

阿弥陀さま

願ってくださった

約束してくださっている

きよらかな国

 

お浄土の

ように…

 

祈って

 

 

願って

 

 

捨てよう…

おもった

 

 

 

眠れないまま

 

起きて

 

 

お花ちゃん

パパの

シャコバサボテン

 

陽の当たるところへ

移してあげたら…

 

赤い!

 

痩せて

薄っぺらの

気の毒な葉っぱの

 

根元

ちかく

 

赤い

赤い

ちっちゃな

つぼみ…

 

 

ひとつ

ふたつ…

 

みっつ?

 

ちいさすぎて

みえないくらい

 

ちいさな

つぼみ

つけて…

 

 

生きててくれて

でも

 

もう

花は

咲くこと

ないだろう

 

あわれにおもい

 

けなげとおもい

 

それでも

お花ちゃん!

って

呼んで

 

おはよう!

 

おやすみ…

って

言ってた

 

つぼみ

あんまり

いじらしくて

 

朝も

泣いた…

 

 

今日は

へとへとで

はかどらなかったけど…

 

捨てよう!

 

 

ひとつ

でも…

 

自分を

はげました

 

お花ちゃん!

ありがとう…

 

生きて

猛暑の夏

こしてくれたなら…

 

この

冬を

こしてくれたなら…

祈るきもちでいた

 

 

ありがとう…

 

 

 

りんご

大好きな

いのちの

りんご

 

青い

ちいさいのが

ひとつきりで…

 

買いにもゆけず…

 

すりおろして

 

カスピ海ヨーグルト

ちょっぴりの酒粕

混ぜて

 

りんごヨーグルトにした

 

明日も

食べよう

 

食べられますように…

 

 

ちいさな

しあわせ

 

ちいさな

祈り…

 

生きてる…

 

 

ありがとう…

 

 

お花ちゃんが

生きててくれますように

 

 

 

湯たんぽしてて

まだ

ストーブつけてなくて

 

手も

しもやけできた

 

明日は

あたたかくなるって…

 

お花ちゃんのおかげで

とても

あたたかくなった

今日

 

 

今日は?

 

無事に

終わっていますか

 

倒れていないこと

祈っています

 

 

かならず

かならず

無事にいてください

 

あたたかいココア

飲んで

 

眠ろう…

 

 

ありがとう

 

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい