シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

三人子を

つぎつぎと呼び囲らせば

けぶるがにきよし妻なれど母

          宮 柊二

 

昨夜

あれから

 

すとん

 

こころ

落ちた…

 

 

恐怖…

 

胸騒ぎ…

 

きっかけは

外界からやってきて

 

増幅させてしまうのは

自分の内面

こころ

 

 

一度味わった

苦み

消えないないんだ…

噛みしめた

 

眠れないけれど

目を瞑ってたら

 

ママを

おもった

 

 

かなしみも

恐怖も

人を

傷つけるなあ…

とおもった

 

 

血管を

壊してゆく物質のように

かなしみや

恐怖が

くりかえし

くりかえし

血液の流れみたいに

 

こころを

際限無く

めぐるので

 

こころは

最初に受けた傷を

治しもできぬまま

くりかえし

痛めつけられるのだ…

 

 

眠れなくなって

 

ママの

傷を

おもった…

 

 

わたしたち姉弟

ちいさな頃の

ママは

 

本来は

天真爛漫であるのに

ある傷つきによって

 

自分らしくいられない

誰かの

望む自分を

誠心誠意尽くしている

という

いたましくも

純粋な人とおもえた

 

高校生になったわたしには

ママは

まるで聖母マリアに見えた

それで

むしろ

反発も感じたりもしたけれど…

 

その後には

 

外界の

悪しき影響としか

考えられない

ママの

反抗?

 

抵抗というべきか

 

何かの

間違いに対して

それを正しい方へと

変えようという時に

 

遠回しに批判したり

決めつけをして

聞き入れなかったり

 

その方法が

子どもながら

ひどく間違っていると

わかったので

 

何度も

ママに

それはひどい!

言った

 

それからは

わたしには

そんなヒステリックな

ねじ曲げたやり方や言い方は

してこなかったけれど…

 

パパや

姉上さま弟

 

本人に

直接言えば済むことを

ずっと

ぐずぐずと

わたしに言ったりして

でも

 

ママが

苦しいのはわかるので…

 

ただ

側にいて

いっしょにいても

聞かぬふりをしていた

 

わたしのことも

家族の

誰かのまえで

こうやって

ぐずぐずと批判するのかなあ…

おもう度に

 

とても

かなしくなった

 

 

幾人もの

ママが

いるような…

 

 

嫁いで来て

つらいおもいをしても

どんなに

傷ついても

 

ここで

ずっと

わたしたちを

家族を

守りつづけた

ママの

 

かなしみ

おもう…

 

おもった…

 

 

かなしみも

自分になるんだ

シーちゃん

 

いつも

わたしだけに見せてくれた

少女のようなママの笑顔や

 

ふざけて

ジェスチャー

おかしな格好して

いっしょに笑ったママや

 

かわいらしく

きよらかで

おもしろい

そんなママが

 

わたしに

こころに

住んでいてくれて…

 

その姿は

いつも

いっしょにいた台所の

こまごまとしたことを

毎日毎日

家族のためにつづけてくれた

少し猫背の

後ろ姿と重なっては

 

やがて

 

聖母マリアさまや

 

御仏のようにもなって…

 

 

うつくしい

かわいらしい女の人だったなあ

ママを

おもう…

 

 

子の

おもい

としては

 

男子の

母への思慕に

ちかいのかもしれないなあ…

 

 

子どもっぽいわたしだから

仕方ないなあ

とおもうのだった

 

 

かなしみ

消えてくれないかなしみと

 

生きて

 

立派に

生きてくれたママの子なのに…

 

 

落ち込み

ごめん…

祈った

 

 

寒気が再来し

春の気配

吹き飛ばした

 

雪が降る

 

雪が降ってるよ…

ママ

 

雪片付け

実は

 

誰かの

強迫観念を

おさめるためでもある…

知らされた

 

 

人と

人が

 

平和に

和やかに

生きる

という

 

そんなことが

 

ちいさな

ちいさなところから

ほんとうに

むつかしいんだと

知らされた…

 

 

おもいやる

おもいやり

とは

 

男女

たがわず

 

母性的な

きよらかな

おもいなのだろう…

 

母性

というもの

強制するきもちも

強調するきもちも

まったく

ないけれど

 

 

人間性

同義の

たいせつな

資質と

 

仏性と

おもえた

 

ママを

 

おもった

 

 

戦争が終わりますように

 

世界が平和になりますように

 

 

春は

きっと

すぐそこ…

なのに

 

猛烈な寒気…

 

一日

一日

無事に

 

平和に

終わって

 

かならず

平和に…

 

 

かならず

かならず

無事にいて…🙂

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい