シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

ぜったい

ぜったい

 

いっぱい

 

いちばん

 

まず

ぜったいが消え

いっぱいが消え

いちばんは

いちばんおしまいちかくまで残された

 

ママの言葉のこと

 

消えゆく言葉の

道のりは

もどかしかったろうなあ

つらかっただろうとおもう

 

 

言葉を持たなくなったママの目は

しっかり

ちからが宿ってた

一所懸命

見つめてくれた

 

笑顔も微笑みも消えたけど

ママの分も

わたしが笑ったなあ

 

ママは

素になってゆく感じで

なんかおもしろくて

きよらかに

おもわれた

 

かなしみすぎたなあ…わたし

ママもか

シーちゃん

 

がんばり屋さんのママ

がまんしたんだなあ…

自分でもそう言っていた

 

がまんさせたのかなあ?

っておもってしまって

ひっかかっていることあって

 

お仏壇のまえに座ってた

 

朝から睡魔が襲ってきてて

ちゃんと眠れなくなって数年

もやもや頭は

いつもそうだけど…

それでも

ふらふら昨日のつづきしてた

 

ママのたどった道

認知症とゆくという道

いま

わたしも歩いてるかなあ…?ママ

お仏壇のまえに座って

残すことにした上着のボタンを替えてみた

 

そういえば

洋裁の腕前は職人さん並みのママが

ボタン付けをわたしに頼んできたっけなあ…

目がよく見えない

って

 

ずうっとまえ

目の前で

ママに泣かれたのは一生

消えてくれないのかなあ

っておもい

あ…でも

 

泣いてもらえたんだなあ

とおもった

なにしろ辛抱がまんのひとだ

がまんしたけど

こらえきれずに

泣いてくれたのか

 

薄暗い部屋に泣いてるママ

いつまでも

残像ある

 

あの夜のこと

忘れないでも

よいかなあ?

って

問うけど

 

ママは

遺影で

 

こころでも

笑っている

 

この頃

パパとママと

弟が?鏡のなかの自分にいるなあ…っておもう

 

姉上さまのこと

きれいなお姉さん!

って

そう言ってくれてたひとたちとは

ご縁が絶えたなあと

ぼんやりおもってた

そしたら

 

いまなら?

泣かないで

倒れそうにもならないで

読める?

かも

 

ある封印してた文を読んだ

 

思い違いだった

と気づく

そっか…

 

あの提案したのは

わたしだったのか…

 

あのときのわたし

もう

どこにもいないけど

わたしが言ってたんだから!

もうくよくよしないよママ

伝えた

 

おしつけだった?

つらかった?

 

いっしょに泣いてあげられてたらなあ…って

がまんできないわたしなのに

がまんして

笑ったんだよ…

って

遺影のパパママと語っていた

 

いっしょに

ずっといっしょにいたかったよって

 

ごめん…

ごめんなさい

パパママに

祈る

 

 

ふたりの

おしまいへの

お浄土への道のりに

姉上さまのおかげで

いっしょにいさせてもらえたこと

ありがたくて

すぐに

泣ける…

 

ふらふらお片付けもの捨てしてるだけで

いちにち

いちにち

ごめんなさいって

なさけない

 

もしも

わたしが

ぜったいって言葉

仮に

使ってよい

とするならば…

 

ぜったい一生

ぜったいごめんなさいだなあ

って

祈っていた

 

 

面影

 

こころ

 

みんな

わたしの内にいてくれてるんだなあ…

 

ありがとう

無事に

事故なく平和に

って

祈る

 

恐怖も

絶望も

すてるがかなうならば

きっと道はつながっている

と信じる

 

ちっぽけな

ひとつ

 

祈り

つなぐ

 

重たいってだけで

怪我のもとになる

 

真夜中

腕が重だるくて起きてしまった

ていねいに揉みほぐして考えて

 

筋トレなんてしていないし

でも筋肉痛どうして?

 

再生したつもりの収納の重みだった

力自慢だったけど非力になったのか

なさけないけどびっくりしない…

 

ひと

ヒト

人体

四十で老人だもの

 

そのうち

すてることも

かなわなくなると知ってる

 

そっか…って

捨ててよしと筋肉も言ってる

って

ありがとうってなった

眠れなくなってラジオきいてたら

眠ったようで

朝だった

 

ありがとう

 

おおよそ生活すべて

日に日に

にんげんらしい?ものとは

かけ離れてゆくような気がしてる

 

脳みそ壊れっぱなしに

壊してる途中かも

って

 

にんげんらしい…

って?

 

もっとも

にんげんらしい

行いを考えるならば

 

ごめんなさい

ありがとう

かなあ…

 

お祈りかなあ…

って

 

ふらふら

もやもや頭でお片付けして

お祈りした

 

ありがとう

 

ごめんなさい…

 

 

お線香の香料

化学的材料だと

どきどき

ばくばく

不安がたかまるようになって長い

仏間のもの始末をしていて

もはや使えないお線香を

いっぱい見つけた

 

とてもよいかおりなのになあ…

まえには使えてたのになあ

って捨てられなかった

 

もらってくださるひと

いたとしても

 

もしもこのお線香で火事になったら…!!

 

そんな恐怖

おっかない想像わいて

もう誰にも危険なものは分けちゃいけないなあ

眺めてしまった

 

火の用心

お祈りしている

こころにいてくれる笑顔を

おもっている

どうか

どうか

無事に怪我なく

 

そして火の用心…

 

 

祈りを

むなしくしない

さみしくしない

ごめんなさい

祈る夜

 

 

お片付け

きっとほんとうは

得意でもなくて

上手じゃない

 

 

こころひかれるのは…

 

ひたすら

おおらかなこころ

 

ようやく

わかったんだなあ…

 

きちきち几帳面

よりは

あれあれ?

くらいで

笑ってるのがよいなあ…

 

だから

笑顔がいっぱい

こころに残ってくれてるんだなあ…

って

 

ありがとう

 

 

ありがとう

と祈る夜です…

 

 

 

眠れているように

 

倒れていないように

 

ぜったい

完璧

神さまの領域で

 

ゆっくり

ゆっくり

やすめて

 

笑っていてくれますように…

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい