シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

吹雪

ふぶいていた…

 

いちにち

吹雪

 

窓から

覗き

 

 

お花ちゃん

パパの

シャコバサボテン

 

陽当たりは凍る

 

断念した

 

 

いちにち

一生懸命

そののち

 

すとん…

ってなる

 

 

おこもり

ゆえ

逃げ

ゆえだ

 

 

ときほぐしに

ゆかねばならないのは…

 

もっとも

もっとも

苦手の

 

お医者さんなのだった

 

 

こころ

 

ずっと

こんな

 

平和

祈る…

なんて

 

おろか…

 

ごめんなさい…

 

 

お彼岸

 

お盆

お正月…

 

死にたいようになってしまうなあ

 

祈るのにも

生きるのにも

 

祈る

資格

 

生きる

資格

 

いるのかなあ?

 

 

ごめんなさい…

 

ごめんなさい…

 

 

 

祈り

 

また

ひとつ

 

つなぐんだけど

 

ちがうねえ…

シーちゃん

 

 

生きてるから

いま

 

生きてて

ありがたいから…

 

祈るんだ

って

 

ありがとう

って

お祈りした

 

ありがとう

ばっかり

 

って

 

 

能登

 

まだ

断水していたり

倒壊のお家も

手つかずで…

 

医療も

介護も

ゆきとどかず

 

寒さ

やわらいで

 

春がきて

祈る

 

 

 

水…

 

吹雪

 

たいせつな

だけど

 

こわい

こわい水だ

 

寒さ

 

三月の吹雪

 

 

申し訳なさ

いたたまれなくて

 

居場所

ないような…

 

ずっと

そんな

あやうさ

いるなあ

 

逃げて

逃げているから

 

さらに

自分で

自分

追い込むんだなあ

 

 

寒さ

ずっと

捨ててきた

 

暑さにも

ずっと

清潔を

 

きよらかな

居場所を

 

お片付け

お掃除

つないで

つないできた

 

なのに

どこにも

居場所は

ないような…

 

 

てづくり本棚は

 

処分したらよいなあ…

って

本を

ほんとうに

ちょっぴりにしよう

って

決意

 

 

ある

精神科の医師の本

もういいかな?と

ばらばら

めくる

 

ぱっ!

 

名前

 

その文字

みえて

 

尊厳

って

みえた

 

 

このひとは

 

はじめに

精神科医ありき

 

仕方なく?

医学部に入学せざるをえなかった

と告白していて

 

学校に

学友に

なじめず

 

サボりまくって

ようやっと

学業おさめ

やっとのことで

 

医師国家資格

得て

 

研修のローテーションと

アルバイト

のほかには

 

ずっと

ずっと

精神科

 

 

尊厳

って…

 

献体された

ご遺体のことで…

 

まだ

医師でもない

ほぼ若きひとら

 

解剖して

sketchして…

 

おしまいまで

 

学問

解剖学のため

 

医学のために

 

つづけてゆく

解剖の

途中

 

こわくも

たぶん

ありがたく?も

なくなるという

慣れ

 

ゆきつく

らしい…

んだけど…

 

このひとは

 

そこで

ふと

 

ひと

尊厳って?

ひと

って

 

なんだ??

って…

 

そう

なってしまった

らしい

 

 

そしたら

 

そこに

 

名前

みえた

って…

 

この

もう

なにがなんだか

わからない

ひと

この

ご遺体は

 

ただ

ひとつの

名前をもつ

人間なのだ

って…

 

誰かに

その名前を呼ばれ

 

ただ

ひとつの人生

生きてきた

 

生きていた

 

ただ

ひとりの

ひとなのだ…

 

 

ありがたくも

こうして

献体となってくれたのだ

って

 

この本

残した…

 

 

 

水といえば…

 

水道料金

はねあがってて

少子高齢化と人口減少と

 

おそらく

ひとびとの

節約とで…

 

さえも

たいへん困難な

田舎まちなのだけど…

 

姉上さまに

迷惑かけて生きてて

せっせと節水もしてる

んだけど…

 

インフラ…

水道管は?

 

地下で

 

老朽化という

もっともっと

たいへんなことに?

 

あたらしい知事

あたらしい道路

つくるみたいな…

 

あたらしい

管?は?

 

地震のときには

 

なんとか

確保できるような…

とか

 

医療

介護

 

生きる

 

水だなあ…

って

 

 

吹雪にも

 

すとん…

にも

 

やっぱり

お片付けなんだ

 

ひとつ

 

つなぐ

 

 

 

逃げ…

 

泣ける…

 

なさけなくて

 

いたたまれなくて

 

けど

 

生きてる

いちにち

あたえられた…

 

逃げ…

 

また

おじちゃんから

逃げてしまった

 

電話

出れない…

 

 

生きてるから

って

 

伝えなくちゃ

 

泣けた

 

 

ごめんなさい

 

ごめんなさい

明日は

ないかも

 

わかってるのに

 

ごめんなさい

 

 

ありがとう…

 

 

眠りたい…

 

眠れたらよいなあ

 

 

 

明日

あたえられるように

無事に

めざめられるように

 

祈っています

 

 

かならず

 

かならず

無事にいてください

 

 

ありがとう

 

 

また

明日

 

 

おやすみなさい