月
真夜中の月
見上げてた
昨晩のこと
しあわせ
ありがとう
と
見えたこと
月に
また
会えたこと
ありがとう
と
見上げていた
時
ちがえど
月
おなじ月
戦火にも
その下にも
こうこうと
かがやくのだなあ
と
ただ
見上げていた
疲れては
ならない
わたしは
無用のもの
役立たぬものは…
という
そんな
おろかもの
戒
などとは
まったく言えない
縛り
気づくと
がんじがらめに…
まったく
身動きとれない
戒
ではないなあ…
ごめんなさい
と
お掃除を終え
風変わりな生活の
いつもの
ひとつを
始めてた
お茶の葉
自分で
すり鉢にすって
粉状にして丸ごと飲む
という
しきたり?
人間ごみ箱方式?
粗野?
野卑…
いや
ごみ箱に失礼だ
と
おもった
ごめんなさい
と
南無阿弥陀佛
南無阿弥陀佛
と
すって
どうしてか
ずんずんと
気が
おもたくなって…
いつまでも
お粉
さらりとは
なってくれなくて…
お掃除で疲れてしまうんだなあ
と
手を止め
ぼんやり
おもっていた
いつまで
すっても
いつまで
たっても
いつもの
さらさらと
ふんわりさらさらと
かるい粉には
ならず…
疲れたよお…
シーちゃん
と
止めた
どっか知らない国の
摩訶不思議な?お茶
っておもって飲もう
って
ご飯を…
と
仕度し
食べるまえの
お祈り
五観の偈
おとなえした
ひとつには
功の多少を計り
彼の来所を量る
ふたつには
己が徳行の全欠を計って
供に応ず…
ここで
こみあげた
ごめんなさい
が
こみあげてしまった
たくさん
食べてて
ごめんなさい…
飢えぬほどはおろか
太ってしまうほどに
食べていて
ごめんなさい…
そうしてまでも
食べていなくては
そうしてなくては
生きておられない
おろか
よわさ
ごめんなさい…
と
こみあげた
嗚咽
こらえて
五観の偈
おとなえして
食べた
ご飯
いただいて
天国の
お浄土のみんなと
いっしょに食べた
食べられた
食べすぎてるけど…
食べられなくなる
やがて
かならず
食べられなくなる
ありがとう
と
手を
あわせてた
眠れていないと
不安
募る
より
多く食べたい
もっともっと…
という
貪りに
似た欲求くる
生きる
には
わたしの生きるには
そんな
おろか
ついてまわるのだ
筋に
より強い負荷をかけ
より強い筋肉に
と
そうやって
日常過ごす
あえて筋トレはしないんだけど
無駄に疲労して無駄に食べてる
そんな生活
眠れなくなってからというもの
いっそう
余計に
余分を欲してしまっているなあ
無駄している…
貪りだ
ごめんなさい
と
食べていた
ごめんなさい…
ごめんなさい…
破綻か
生きる
が
まとも
とは
おもわれなくなっていても
ぜんぶ
すべて
他力によって
姉上さまの慈悲に
すがって
生きる
は
つなげられていて
ここまで
生きてこられた
いま
お仏壇のまえに
祈ること
かなえてもらっているなあ
食べて
食べられることの
しあわせ
ありがとうと
祈ることができたなあ
そうだ…
もう
ひと踏んばり…って
警察!って
おこもり
どこにもゆけない
どこにも医療機関と
つながっていなくて
明日は無い…
は
いつだって
起こり得る…
そしたら
警察が入り
事細かに?
いっさいがっさい?
視る
とは
パパが不治の病にあって在宅の時の
姉上さまの
恐怖
だったんだなあ
って
せめて
みじめ
と
焼きつかせてしまわないほどには…
と
心底
真剣に
おもった
みじめ
とは
漢字では
惨め
だけど
見じ目
の
意
じ
は
打消推量の助動詞
そんなんなりたくない?
なんでこんなめに?
とか…
風変わり
へんてこりん
おのれを
みじめ
とは
おもうはずなく…
そうやって
生きてこられたんだなあ
だれか
をも
みじめ
とは
おもうことない
もしも
そのような惨状
目にしたならば
かわいそう
って
おもうのだ…
なのに
あれは…?
あのときは…
と
焼きついてしまっている
絢爛豪華?な?
惨状
あれ
あのときは
あの場にいた
すべて
が
みじめ
と
あのとき
はじめて
みじめ
と
うちひしがれてしまったかなあ…
よりにもよって
お寺さんで
あの
大般若会で…
あの場
みじめ
だったなあ
みんな
すべて
みじめ…
と
おもうともなく
また
おもってしまっていた
そうして
やっぱり
ただ
ごめんなさい
に
なってた
祈ってたら
祈って
祈っていたら
そうだった
と
なった
すべて
みていて
知っていて
わかっていて
かなしんでくれて
あわれ
と
お祈りしていてくれる
と
おもっていた…
月
見えた
しあわせ
これを
見えないものに
聞こえないものに
読めないものに…
わからないものに
おろか
にも
すべて
ねがってくださった
すべて
あわれんでいてくださる
と
おもっていた
ありがとう
ごめんなさい…
もうすこし
などという
おろか
生きてある
いま
ただ
ありがとう
と
お祈りした
ありがとう…
ありがとう
ごめんなさい
戦争が終わりますように…
平和な世界へと
つながってゆけますように
ありがとう
ごめんなさい…
無事に…
無事に
いてください
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい