スズメ
やっぱり
毎年きてくれる
やっぱり
ひとりぽっち
一羽きりのスズメさん
もう
巣づくりしたり
子育てしたりの季節?
はぐれたかのなあ?
やっぱり
ほっそり
白っぽい
よわいこかなあ…
って
また
おもってみていた
お家にいること
いちばん好きなんだけど
いきもの草花も好き
好きなだけで
知らなくて
もっぱら本でみてきた
それも
本として
きれいな
うつくしい本がよいなあ…って
決まりがあった
なんにもわかってないんだなあ
って
ただ
スズメの
ひとりぽっちの声
しばらく
きいてた
しずかな
ひかえめな
可憐な声だ…
家族
あって
きょうだいあって
ようやっと生きてきたなあ…わたし
ちびのわたし
おもってた
生きての別れは
お引っ越し
ちっちゃなわたしの友
はじめてできた友
いちばん大好きな友
突然
都会へ…
そういえば
その子との文通は
姉上さまが読んでくれてて
間違いを正しく直してくれてたなあ
混ざった
は
混じっている
にしたら?とか
なんて記憶がまだ残ってる…
そんな文通も
臆病者は結局
つづけられず…
おじいちゃんも
突然召されてしまった
記憶の
はじめ
かなしみから…
古屋をみわたせば
いま
座る
いつも
いるところは
ちっちゃなわたしの
お下がりの勉強机あったところ
だけど机は教科書ノート置き場?で
居間で
ぺちゃくちゃ
わいわいがやがや騒がしいところで
宿題勉強遊び
なんでもしてた
まいにちまいにち
整理整頓!っていう
パパの再三のかけ声
それから
姿勢!!って…
きこえてきそう
そうだ
おばあちゃんと
ここに眠ってたんだ
って
いつまでも
ぐちゃぐちゃのまんましてたらだめだあ…
って
泣きたくなってしまった
ごめんなさいって
とにかく
散乱してるもの集めて洗うもの集めて
捨てる残すを選り分けて
洗うものはぜんぶ洗った
あったかくなって
手で洗うのもつらくない
脱水機?という強い味方もある!
歴代応接セット?
ソファーが置かれてたところでは
よく
寝ころんで
倒れてた?
よくそうして風邪悪化させたっけ
ソファーもいつしか
かなしい記憶よぶものに…
姉上さまがパパママに買ってくれたソファー
ママといっしょにいるために
勝手に捨ててしまったのだった…
ごめんなさい…
いまも
まいにち
ごめんなさい!
って
お祈りしてるのだった
捨てられない
は
誰かのため?がいっぱいだ
床に畳に長く座れるひと
もう誰もいなくなってて
和室でも正座せず座れる低い椅子
パパが用意して置いてくれてたんだけど
捨てられない…
雨漏りの水がしみたんだけど
くりかえし消毒してきれいにした
ソファーないから余計に捨てられないなあ
とか
かなしいことばっかり
ひきだしてしまってた
ふと
のぞいた
鏡のなかのわたし
誰?
かなしいわたし
いた…
もう一生分
わらってしまったかなあ…?
シーちゃん
って
smile…だよ
って
自分に言ってみた
鏡をみるとき
やさしい顔ならば
お釈迦さま
みえる?
ほほえみのような
おだやかな
わさしいお顔している
お釈迦さま
阿弥陀さま
大悲
かなしみ
たたえて
あわれんで
いつくしんで
あのようなお顔なのだなあ
おそろしい
お顔のほとけさまだって
こわい顔をしてみせては
おしえてくださっているのだなあ…
鏡
みるように
お釈迦さまを
みよう
わたしのこころに
いつも
うつっていただけるように
やさしい顔でいよう
やっぱり
いちにち
ごめんなさい
と
ありがとう
と
祈っていた
逃げている
とは
わかっていてできない
うごけないのは?
わからないより
罪深い悪
悪
さらに
その逃げ
逃げの連鎖となる
そうともわかっていて…
もの捨て
お片付けさえも
つなげられない
絶望のような極限みたいな
おろかなこころにもなって…
ひとつ
の
いま
の
祈りに
まごころ
つなげられて
いまあること
いま
ここに
つながってくれること…
つながっていること
つながってゆくこと
みつめる
こころを
おまもりください
と祈ってた
ただ
じっと
座って
祈った
雨が
やさしい音になって
止んだ
鳥にも言語の役をする
独特の鳴き声あるなあって
ちっちゃな頃わかったのは
猫が…
飢えもしてないのに
狩りしてたのは?何故だ?
って
はらはらしてたっけなあ
本能のゆえ…
姉上さまやわたしや弟に
しとめた獲物さも誇らしげに!
意気揚々もってきては
さいしょにどうぞ?
みたいにさしだしてたっけなあ
猫
家族だったんだなあ…
遠く
遠く
はぐれても
なんとか
かえりつく
いのち
ひと
はぐれても
スズメ
はぐれても
でも
生きていて
と
祈る
ありがとう
と
また
来てくれて
ありがとうと祈ってた
すべて
まもられて
できてることだ
食べて眠って
また
いちにち
あたえられた
もの捨て
お片付け
終わらないと
って
ちからをくれたスズメ
かなしい記憶も…
ありがとう…
生きた
痕跡を
すっかり無くして
消してしまえはしないんだから…
と
捨てられないは残すと決められた
ひとつでもよいよ
手間のかかるものから始末しよう…
って
自分に
捨てられない
かなしみすぎる自分に
やさしく言ってみた
まごころ
信じよう
まごころ
わたしの
ひとの
みほとけの
まごころ
しっかり
ずっとずっと
いつも
いつも消えず
ともにいてくださる
まごころを
いつも
みよう
そうして
やさしい
ほほえみ
おかえししてゆこう…
お祈りした
はぐれても
うしろ追って…
ちっちゃなわたしみたいに
かならず
追って
見失わないで
ゆきます
祈ります…
祈る
祈る
夜
ありがとう
真夜中までは
いけないけど
もすこしだけ
整理しておこう
ごめんなさい
整理整頓
姿勢!
パパ
ママ
ありがとう
ママみたいだった?
先生みたいだった
姉上さま
ありがとう…
いちにちつなげたけど
ちょっぴりなんだけど
かなしくなったんだけど…
こころ
すこし
かるい…
ありがとう
平和な夜と
なりますように
無事に
無事に…
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい