シーちゃんと

時々はシーちゃんとこっそり泣こう

名前という贈り物

みんなの

みんなの

しあわせ

 

祈って生きてる

 

なんにも

できなくて

 

自分しかなくて

 

小さなこと

つなげてて

 

効なく

せつなく

時間がゆく

 

 

めまいがした最初のここの

あのもので溢れた光景も

 

倒れたママの

白い顔も

 

パパの癌は

すでに末期で

あっさり宣告聞いた外来の

診察室の騒々しさ

 

弟の表情も

 

パパが

探るようにこちらを見た

あの瞬間も

 

 

まだ

ここには

あの時のまま

あるみたいで

 

まだ

 

名前

呼ばれるみたい…

ふと

 

わたしの名前

きこえるみたい

 

そんな

たよりない一日を

一日

 

一日と

生きる

 

 

かなしみを消せないのなら

いっしょに

 

かなしみと

とぼとぼゆこう

とおもう

 

 

お洗濯して

干して

窓があかくて

 

夕焼けをみれた

 

ママと

病室で暮れるまで

みた夕焼け

 

二人で

星が輝くまで

空をみてたなあ

 

 

いちばん

最後に

一度きり

名前

呼んでくれて

ありがとう

お山に

手をあわせた

 

名前

忘れられたはずの名前

呼んでもらった

入院中

 

忘れてたなんて

おもって

ごめんね…

 

 

名前という贈り物

最後に

また

呼んでもらった

 

贈り物のようなきもちがする

 

 

カシミアのカーディガン

色は

深いワインのあか

パパとママ

二人で選んでくれた

これも

最後の贈り物

 

わたしの洋服の

たった一枚のあか

色のないニットのなかの

あかいカーディガン

 

 

背中が痛んで

 

さみしくなって

 

仏間でご飯

そのまま

ほとけさまの本を読んでた

 

名詮自性

 

名前は

自然に

そのものの性質を表すんだって

シーちゃん

 

 

猫に

名前つけるまでの時間って

 

どきどきして

わくわくして

なのに

 

たいしたことない名前を

これだよね!☺️

って

おもってしまうの

なんでだろう…

 

 

わたしは

贈られた名前のように

生きられてるかなあ…

とおもった

 

いつまでも

 

どこまでも

おもって

 

愛する人

おもって

祈ってゆくんだろうなあ…と

 

パパや

ママのように

 

 

今日は

短歌も

かなしいうたになって…

 

ひらがなだけの

いにしえの人のうた

いまでも

こころにしみるみたいに

 

いつまでも

 

明ける空

青く澄んだ空

 

夕焼けに暮れる空

薄墨の夕刻から

 

漆黒へ溶け込む空

 

変わらず

変わらず

つづいてゆくように…

 

祈った

 

平和を

みんなの

 

あなたの

しあわせを

祈った…

 

 

今夜も

無事にいてください

 

一日

一日

かならず

無事にいてくれること

 

祈っています

 

ゆっくり

休めていますように…☺️

 

 

ありがとう

 

また

明日

 

おやすみなさい