台風
のろのろ
大雨
風
どうか
よわり
どうか
それて
過ぎて…
祈ってた
へとへとになった…
ひとりぽっち…
シーちゃん
と
祈ってた
天国の
友
死なずに
わたしが…
と
ずっと
そんな
おもい
あった
いまも…
わたしありき
によって
不幸に
なった
ひとら
おもう
夜
すべてのことには
意味がある
という
無用の
無為の
わたしのようなもの
生きているんだなあ…
また
お経
つらい
くるしい
みじかいお経
般若心経
写経するように
書いてみた…
いまの
わたし
よりも
もっと
もっと
くるしんで
もっと
もっと
かなしんで
死んでいったにちがいない
友
友
友
小学校のときの同級生は
自ら…
ひとは
くるしみに
かなしみに
死にゆくだろうか
わたしの
友は
わたしの
幸福
祈ってた
わたしの
未来
祈ってた
だから
祈って
祈って
逝った
と
そう
おもっていた
どうしたら
ひとは
争うことなく
平和に
幸福に
なれるかなあ…
わたし
と
つながったひと
一様に
不幸な争い
不穏な
こころ
とあって
幸福でない
嘆き
くりかえし
くりかえし
わたしに
伝えていた
なんにも
できない
とは
やはり
罪
と
おもってた
祈ることも
できなくなっては
生きてゆけないなあ…
だれが
わらおうと
きりすてようとも
今日
いま
また
いのち
つなげてもらったんだ…
祈っていた
眠れなくなって
何年も
過ぎた
まとも
でなくても
あたえられた
あたえられてゆく
いちにち
ありがとう
と
お祈りした
くらべようはないのだけれど…
生きていて
ごめんなさい
は
戦争
などで
自分だけが
生き残ってしまった
と
恐怖と
ありがたさと
いちにち
いちにち
いのち
つなぐ
ひとたちの
くるしみ
かなしみ
たとえ
ほんの
かすかにも…
おもいはかること
かなえてもらって…
死
やってくるもので…
だれも
自ら
と
自分
責めず
おもいつめずに
いのち
終わるまで
生きられる世界
祈った
そういえば…
猫の
死
ひとの死
同様の
傷
となった
記憶
よみがえってしまってた…
かつて
どこかに
しまっておけてたはずの…
朝
めざめたら
母猫が運び入れた
うまれたての
子猫
わたしのお布団で
死んでいた…
氷
みたいに
冷たくなってた
あのときも
わたしが
死ねばよかったのに
と
ちいさな
ちいさなわたし
いつまでも
きりなく
自分を責めて
いっそう
泣き虫に
なってしまったなあ…
いよいよ
怖がりに
なってしまったなあ…
ママが
なぐさめて
かけてくれた言葉は
忘れてしまったけれど…
ひとりぽっちじゃない
その
おかげで
家族
という
あたたかさの
おかげで
生きてこれたなあ…
ありがとう
ごめんなさい…
もう
短歌も
つくれなくなってしまって…
猫
まるで
師
のような
そういう短歌
河野愛子さんの短歌
おしまいの猫
一所懸命の
ひたすらの
あの
猫の子の
最期と
おなじ…
死にゆくと
なほ汝が鼻頭
ぬれてゐて
わが近づくる手を
おのづから嗅ぐ
ひと
生きたい
生きたいものだろう…
生きたいものだろうに…
すこしも
横になって
やすめばよいのに
いちにち
死にゆく…
と
おもえば
つまらない
ちいさなこと
ちいさな手の
ちいさなこと
つなげてもらっていた
そうして
お経
写し
すわってた
お仏壇のまえ
お祈りした
今日が
夜が
無事
過ぎますように…
かならず
かならず
無事にいてください
ありがとう
また
明日
おやすみなさい